バナリパ(Banana Republic)、カジュアル軸にーフォーマル含めた総合路線を転換ー(H18.6.26日経MJ)
(今日はもう1つエントリをアップしておりますので、一つ下のエントリから先にお読み下さい)。
バナリパこと、Gap社傘下のアメリカのカジュアルSPA、バナナ・リパブリック(Banana Republic)が今秋から商品政策を転換するそうだ。
今日付けの日経MJさんによると、「昨秋に日本に進出した際は、日本の市場を試す意味もあって、米国の店舗の品ぞろえをそっくり持ち込み(中略)、1年間の販売実績をみたところ、カジュアル衣料の売れ行きがよかったため、今秋から商品構成を大きく転換することにした」とのこと。
厳密にいうと、昨年秋の日本進出の時点から、同社は商品の3割は日本向けの仕様にしている、とマスコミに対して明言していた。素材や縫製が日本向けの非常に丁寧なものに初めからなっていたんですよね。変えるのは「ドレスとカジュアルの比率」ということなのだと思う。
同紙によると、ジーンズが戦略商品で、バナリパのアイコン的商品とも言えるサファリルックの限定販売Tシャツや、メリノウールのニット、ルームウェア等を用意するとのこと。価格も、ジーンズ18,000~19,000円、限定Tシャツ5,800円、メリノウールニット9,500~9,800円、ルームウェア6,000~10,000円と、インポートのブランドにしてはかなり値ごろ感を感じる設定だ。
実は、昨年12月17日に旧ブログ「両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」で、バナリパの横浜ランドマークプラザ店を見た感想を書いたことがある。その時は、土曜日だったせいもあってか30~40代前半の大人のカップルがそこそこ入店しており、なかなか順調に推移しているのではないか、と思っていたのだが・・・。
その後、六本木ヒルズ店やコレド日本橋店等々、時々時間がある時に店内を見た感じでは、確かにカジュアル商品の反応は強いけどフォーマルの重衣料はイマイチ、だったんだよね。
社内でのジャッジはもっと早かったのだろうが、日本進出1年を前にした思い切ったこの決断は、正しいように思う。バナリパさんが狙っているようなキャリア男女向けの商品は、日本では百貨店さんとセレクトショップさんが圧倒的に強いゾーンなのだ。
もう1つ、商品戦略と合わせて、販路政策の変更も行われる。日経MJさんによると、バナリパさんは秋以降は百貨店のインショップへの出店を加速していくとのこと。日本での初期店舗はそこそこ面積が広く、プランタン銀座店が654平米、ランドマークプラザ店が765平米もある。しかし、既存のファッションビルや駅ビルの有力な立地で、メンズレディスを一緒に展開できるそれだけの広さを好条件で獲得する、となると、出店の可能性が非常に狭まってしまう、ということもあったのだろう。
百貨店内で競合と戦うとなると、尚更のこと、日本の百貨店系アパレルが強いスーツ、通勤着系は捨てて、カジュアルに特化するのは極めて正しい戦略だということになる。バナリパさんの本場ならではのアメカジの味は、日本のアパレルにはなかなか真似のできない独自性の強いものだからだ。
カジュアルのみ、レディスもしくはメンズのみの店舗ならば、50平米強の売り場面積でもハコさえ構えさせてもらえればそれなりの世界観は構築できる。同社の強みは、GAP業態の優秀なショップスタッフを全国に有することだ。どこにバナリパを出店したとしても店長、副店長クラスの人材の確保、最低限の販売員の人員確保に困ることはないだろう。
ここにきて、商品戦略と販路政策を一体化し、「百貨店内で店舗数を増やす」ことに照準を定めたことで、バナリパさんの日本国内での成長に一気に弾みがつくのではなかろうか。
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厳密を変更しなかった。
投稿: BlogPetの両国桜子 | 2006年6月27日 (火) 13時32分