H&M、来春中国に進出ー新ブランド店も開設ー(H18.6.23繊研新聞)
一昨日のユニクロさんがお洒落になったというエントリに、「ファッション流通ブログde業界関心事」のtakaさんが、「ユニクロさんが最近H&Mを意識した動きをしている」という趣旨のコメントを寄せて下さっていたが・・・。
そのH&Mさんが、先頃全世界のマスコミに向けて発表されたニュースがコチラ。今日付けの繊研新聞さんに、この内容はほぼそっくりそのまま掲載されているが、ポイントになる点は大きく言って2つ。
1点は、2007年に上海と香港に1店舗ずつ初出店する、ということ。
もう1点は、新しいメンズとレディスのショップを別々のブランド名でオープンするということだ。
同社のホームページには、それ以上の情報は掲載されていない。もっと詳しい続報を早く知りたいと思います。
上海と言えば、ライバルのZARAは今年2月に南京西路に約2,000平米の1号店をオープンしている(そろそろ上海2号店もオープンする頃じゃなかったかな?)。そこそこ順調に推移しているのではないか、という噂だが、そういう状況なら「我もいざ」と思うのは当然だろう。
同社は日本の市場の難しさを察知し、日本進出については慎重な姿勢を見せてきたが、そろそろ機は熟したか、という気がしないではない。これは私の予想だが、タイミングとしては、次の景気の谷が訪れた時が絶好のチャンスになるだろうね。
それこそ、今度の不景気の時こそ少子高齢化が大きく響いて日本のアパレル業界が未曾有の大打撃を受ける可能性があるというのは、不吉すぎる予想かもしれないが、地価や不動産の価格が下がり、大きな面積で好立地に居抜き出店が出来る条件が出てくれば、「すごく安いのにお洒落」というH&Mの強みはいかんなく発揮できるだろう。
話は中国市場のことに戻るが、日本のアパレルさんも、ZARAやH&Mに習って、路面店でSPAの大型店を出店しストアブランドを徹底してPRする、という戦略を取った方が、インショップでの出店よりはいろいろな面でコントロールが効き易くて良いと思うのだが。
それが出来ており、将来に亘っても何とか戦っていけるのではないかと思える企業さんは、現状ではマキシー館を持っているイトキンさんとユニクロ(ファーストリテイリング)さんだけだと思えるのだが(読者の皆様で、他に成功事例をご存知でしたら、是非教えて下さい)。
幸か不幸か、日系企業さんは、上海伊勢丹の成功を見て、「伊勢丹さんや、その他の有力百貨店さんにインショップで入る」のが良いのではないか、と思いこんでしまったように思うのだ。
確かに、伊勢丹さんの中国での頑張りは素晴らしいのだが、百貨店内の小面積のショップしかない状態では、消費者に圧倒的に認知され、長年に亘って存続できる「メガブランド」には成りえないと思う。
それは、アメリカやヨーロッパ、日本市場でのファッションのこれまでの歴史が証明していることではないか?
中堅以下の企業さんにとっては、もちろん百貨店さんやファッションビルさんの存在というのは、非常に重要なのだが、ワールドさん、オンワード樫山さん、サンエーインターナショナルさん辺りは、社名をブランド名にする、くらいの意気込みで、「メガブランド」「メガショップ」ということを考えて見られても良いのではないだろうか。何だかすごく勿体無いと思うんですよ。
アシックス、ミズノ、デザントといったスポーツ勢も同様だ。ワコールさん辺りは、例えば資生堂さんと一緒にメガショップを、なんていうのも面白いと思う。
逆に、まだ中国に進出していない企業、ブランドであっても、ファイブフォックスの「コムサデモード」とか、リンクインターナショナルの「セオリー」とか、ブランドイメージがはっきりしていて消費者にとってわかりやすく、フリースタンディングのSPAのショップをすぐにでも出せる内容になっているところは、後発で出て行っても非常に戦いやすいのではないかという気がしますね。
今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓
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こんにちは
ファッション流通ブログde業界関心事のtakaです。
遅ればせながらこの話題、エントリーさせてもらいましたので、TBさせていただきます。
やはり、SPAによる高粗利率と十分なキャッシュフローがないと、一等地の路面店出店は難しいと思うんですよね。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: taka | 2006年6月25日 (日) 18時21分
takaさん、早速に有難うございます。
「SPAによる高荒利率と十分なキャッシュフロー」、ご指摘の通りですね。
私がエントリの中で上げた日本企業さんの中にも、そういう条件を満たしているところとそうでないところがあるように思う・・・それ以上書くのは申し訳ないのでやめておきますが、
ただ、「やれる力はあるのに、踏み込む勇気を持っておられないだけ」と見える企業さんもあるように思うので、どなたかにチャレンジャーになってもらいたいと、私は切に願うのです。
takaさんのTB先のブログの方に書いておられる、H&Mが日本ではZARAより知名度がまだまだない、ということ、生産体制の違いについてのご指摘は、おっしゃられる通りで、事実に基づいた冷静な見方だと思います。
投稿: 両国さくら | 2006年6月25日 (日) 23時09分