雑誌『pen』の佐藤可士和特集
今日は1日、本や雑誌を読みながら過ごしていた。雑誌『BRUTUS』6月15日号に出ていた、ドルチェ&ガッバーナがヨーロッパで展開している下着の広告、皆さん、ご覧になられましたか?
他の媒体にもちょこちょこ出ているので、見られた方も多いと思うが、セリエAの選手5人がブリーフやトランクス姿で登場している。セクシーというより、太腿の半端じゃない太さに感心してしまった。ド迫力ですねぇ・・・。鍛えに鍛え抜かれた選手達、暇ではなかろうに何で広告に?という理由は、ご承知の通り、ワールドカップのイタリアチームのオフィシャルユニホームは、ドルガバがデザインしているからなのだ。
ライバル誌の『pen』の本は、「1冊まるごと佐藤可士和」特集。
これが、良かったです。佐藤氏と言えば、最近、ユニクロさんが今秋NYにオープンする旗艦店のクリエイティブ・ディレクターに就任された、というニュースが公式にリリースされていたが、ここ数年の氏の活躍振りは既に広く知られている。
アート・ディレクションって、本来そうあるべきものなんだろうけど、一目でそのブランドの本質を表現しておられるところが凄い。
その表現のイメージは、人それぞれの個性によるところが大きいが、佐藤氏のは概して、シンプルでわかりやすい。常にタイポグラフィーにものすごく拘っておられるところにも、共感できる。
こういう仕事って、元々好調で、ブランドの特徴がはっきりしている、いわゆる「キャラが立ってる」ブランドさんのものだとやりやすいだろうけど、昔は人気ブランドだったのに、今は成熟期を迎えてしまっているものとか、あるいはこれから世に出ようとしているが、何をウリにしていいのかが、実は自分達自身でもよくわかっておられないものとかが相手だと、非常に難しいのではないかと思う。
今回の特集の中には、後者の難しい事例がかなり多く含まれており、そちらのお仕事の方にむしろ佐藤氏のレベルの高さ、非凡さを強く感じました。この方にお仕事を依頼することによって、クライアントの方が、まるでコンサルティングを受け、企業のCI(コーポレート・アイデンティテイ)まできっちりと確立していかれているような様子まで垣間見ることが出来て、なかなか面白かったです。
そこへ行くと、ユニクロさんのお仕事なんてのは、相当にやりやすい仕事なんだろうなぁ、と私は思いますね。ブランドとしてのアイデンティティや、目指しているものが明確なので。
柳井CEO兼社長のデザイナーさんの使い方は絶妙である。ニューヨークの旗艦店オープンに向けてのCIやショップの建築、Webデザインという、大きな意味でのブランディングの部分には、佐藤氏以外にも片山正通氏など知名度が高く実績のある人達を起用しておいて、逆に、この秋発売するファッションデザイナーとのコラボレーションに関しては、ミントデザインズやサイなど、一般の知名度はまだまだ低い「新進」(ファッション業界的には新進、とは言えないんだけどね)デザイナーを束にして使っていく。
日本において今、時代の気分を鋭く読み取りデザイン・ムーブメントを牽引しているのは、ファッションではなく建築やプロダクトデザインなど異分野のデザイナー達だ。彼らの存在は国際的にも認められているし、一般にも広く認知されている。
逆に、ファッション業界で一般に知名度が高い人、となると、60代以上の大御所、になってしまう。
まあ、大御所の起用は、「H&M」が先にやってしまっているから二番煎じ、ということもあるのだろうが、束にされた皆様(なんて、失礼なことを言えた立場じゃないですが)も、異分野のクリエーターさん達に負けずに「ユニクロ」というブランドの本質と、現状のターゲット及び新たに狙うべきターゲットを見極め、戦略にマッチした商品を生み出して、ファッションデザインならではの持つ力を見せてもらいたいものですね。ファッションデザイナーよ、個に埋没せず大局を見て頑張れ!!
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