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2006年6月25日 (日)

桂幹人さんの新刊『アホこそ社長にならんかい』

(今日はもう1つ別のエントリをアップしておりますので、一つ下のエントリから先にお読み下さい)。

何人か、新著が刊行されたら必ず買うことに決めている方々がいる。桂幹人氏も、そういう方の中の1人だ。

前にも書いたことがあるが、桂氏は、いわゆる作家や評論家といった、文章を書く専門家の方ではない。現在の肩書きはというと、コンサルタント、ということになるのだろうが、大手企業や華やかな新興ベンチャーなどを相手にしておられるのではなく、苦境に喘ぐ中小企業をこれまでに400社以上立て直した「ナニワのすご腕再建屋」なのだ。

この方の本を、信用できるな、と思うのは、最近流行りの、「楽して儲かるノウハウ本」の類とは正反対の厳しさと、その裏にある、中小企業の経営者に対する桂氏の温かい思いがページの最初から最後にまで溢れているからである。

いろいろな本を読んで、その「嘘」に辟易なさっておられる方にも、だからお勧めできる本なのだ。

シリーズ第4弾となる本著は、冒頭、ホリエモンこと、ライブドアの元社長・堀江貴文氏への批判から始まる。

堀江氏が世間で持ち上げられていた頃から、桂氏は堀江氏の脆さ、危うさを見抜いておられたのだ。「会社は客のためにある」という商売の基本中の基本を忘れ、額に汗して働く人を馬鹿にするとどうなるのか。

人は何のために働くのか。金と会社のためではなく、誰かのために、幸福のために働くということの大切さ。

そういう一本筋の通った哲学を持つ桂氏の活躍は、中小企業の再建を基盤としながらも、フリーターへの起業の薦めや、ある地方銀行での、企業再生事業を行うための準備としての人材育成事業「行員塾」での指導へと、広がりを見せている。

この本のメッセージは、「自分の足でつかんだもの以外、信じてはいけない。(中略)生はんかな知識など持ち合わせていない方がずっと良い経営者になれる。要は、もっとアホになって生きろ、ということだ。アホこそ社長をやれ、これに尽きる。そして、人のお役に立ちながら、人を助け、助けてもらって支え合いながら、かつ今ある自分に感謝しながら笑顔を絶やさず商売をすること、これしかない」(P219より引用)というところにある。「アホ」というのは、単純に頭が悪い、という意味ではなく、関西弁ならではの、暖かい愛情に満ち満ちた表現なのだが、桂氏自身が、そういう「ドアホ」の一人だからこそ、こんな逆説的な表現が口に出せるのであろう。

実際、この本に書いてあることを実践すれば、桂氏の持論通りどんな中小企業でも業種業態を問わず業績を上向かせることは可能だという気がするのだ。

一つは、「『売れない』と『売っていない』は違う どんな経営者も営業マンであれ 売るために200%の努力をせよ」という叱咤激励の言葉。

これは、特に製造業の方々とお付き合いしていると本当に痛感することだ。自分から一切の仕掛けをしていないにも関わらず、「売り上げが下がった」「既存の取引先からの受注が減った」と嘆く方々があまりにも多い。

FAXDMやポスティングを行えば、やはり努力に見合った反応が出てくるのだ。恐れずここに踏み込む勇気を持たないと、モノ余り、同業他社が溢れかえっている今の時代に生き残るのは非常に難しいと思った方が良いだろう。

次に、「客の存在を忘れるな 客は『答え』を知っている」ということ。

商品やサービスを提供する側の思い込みと、顧客ニーズがずれている、というのはよくあることだ。現場を実際に自分の足で歩き、お客に問いかけ、その意見に耳を傾けてみれば、自ずと答えは見えてくる、ということ。

これまた、エンドユーザーから距離がある製造業の苦手とするところだが、小売業、サービス業でも不振に悩む企業さんの場合、現場主義が実現できていないことが多かったりする。

そしてもう1点、「客先支援」「顧客支援」についてだ。

昨今は、「中抜き」という言葉が流行る時代になっているが、桂氏は「『自分のところだけが儲かる方法』などと考えると経営は絶対にうまく行かないのでは」と語り、「客先支援」「顧客支援」の視点の重要性を強調する。「企業は企業を、メーカーは問屋を、問屋は小売店を、小売店はお客を、みんなが誰かを助けてやろうというこの理論で動けば、相手もこちらも勝つ、Win and Winの法則が成り立つ」(P107~108)と言うのだ。

この発想は、非常に新鮮だった。むろん、相手先の問屋さんが意欲があり、取り組み先として十分な相手かどうかにもよると思うが、何でも中抜きしさえすれば利益が上がる、といった単純な思い込みや固定観念にとらわれず物事を判断する、というのは、非常に重要なことだろう。

今、桂氏は、全国の第三セクターの中小企業支援センターや地方銀行などの、ある程度公的なところから、中小企業が困った時の解決策が常に発信される仕組みを作ろうと尽力されているそうだ。3年後には、現在の全ての業務から身を引き、苦しい中小企業に再生資金を調達できるファンドを作りたい、と明言しておられる。

桂氏の教え子の経営者達が「えびすf」というコンサルティング会社を設立したり、桂氏主宰の「リアルコンサルタント塾」の卒業生であるプロのコンサルタントの方々の数も増加するなど、桂氏の蒔いた種は、今、全国で芽を吹き、花を咲かせ、幾つもの実を結びつつあるようだ。

苦しいけれど、誰かのために働くこと、人間として幸福になるために働くということの喜びもある、中小企業の社長という仕事。その仕事の醍醐味は、桂氏が唱えるように、必死で額に汗して働いたことのない小利口な人間には、決してわからないものなのだろう。

アホこそ社長にならんかい Book アホこそ社長にならんかい

著者:桂 幹人
販売元:講談社
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