艶やかな日本の美・薩摩ボタン
両国桜子ちゃんって、おしゃべりなパンダちゃんのようだ。早速、昨日付けのこのブログに、なんだか訳のわからないコメントを寄せてくれたようである(笑)。
ご覧になられて、ギョッとされた方も多いかと思うが、実はBlogPetは、予め設定しておけば投稿もするようなのだ。私が書いたtextの内容を反映して自動的に生成した文章なのだが、それなりに様になっているところが凄い。一種の人工知能のようである。
ちょっと思ったんだけど、ブログのtextから、書き手の感情というか、思い描いているイメージを読み取って、絵を描いてみせてくれたり、音楽をチョイスしてDJのようにポッドキャスティングで流してくれるサービス、なんていうのも、今後は出てくるんじゃないだろうか。
ネットの世界は、感性という領域に関して言えば、まだまだこれから、なんだと思う。textを超えた世界に入れば、言葉の壁を越えて、ユニバーサルなコミュニケーションが取れるようになる訳で、近未来のカルチャーは、相当に大きく変わってくる予兆を感じずにはいられない。
桜子ちゃんがこれから徐々に成長していき、どのような「言葉」を紡ぐのか、面白いので、暫くそのままの設定にしておきますね(笑)。
さて、今日の本題。今日付けの日経MJの最終面は、最近のボタンブームの話。景気が好いのでアパレルさんがこぞって以前よりは良いボタンを使っておられるということは、業界の皆様は先刻ご承知だと思うが、私が書きたいのはそのことではなくて、特集の中で触れられていた「薩摩ボタン」のことだ。
皆様は「薩摩ボタン」の現物をご覧になられたことがあるだろうか?私は今から6年前に、東日本橋にあるボタン商社・アイリスさんのボタンの博物館で現物を見て、非常に衝撃を受けた覚えがある。
17、8世紀のヨーロッパのアンティークのボタンに、非常に美しく精巧なデザインのものが存在することは知っていたが、日本にもこのように素晴らしい艶やかな美しさを醸し出しているボタンがあるということを初めて知ったからである。
「薩摩ボタン」は、花鳥風月や「龍」「福」などの文字が絵付けされた陶器製のボタンだ。薩摩藩が、幕末期に軍資金を獲得するために輸出していたもので、初めから海外のマーケットを意識して作られた商品である。
「ヨーロッパ人の目から見た日本」=ジャポニズムというコンセプトがウリになるということを、明治以前に鋭く見抜いて商売にしていたビジネスのセンスは卓抜している。今の時代に見ても、非常にお洒落で、付加価値の高さを感じさせられる。
この「薩摩ボタン」は、コレクターさんも多いらしいんですよ。それから、アロハシャツに付けて着たり、アクセサリーに加工したりする方々もいらっしゃるとか。最近はネットでも販売しているので、以前よりは手に入りやすくなったと思いますね。
今、「薩摩ボタン」という語をネットで検索していると、さくらのブログ仲間、ガラスさんのサイト「pinon web shop」がヒットした。ガラスさんはもう大分前に、ピノンのキャラクター入り薩摩ボタンを作って販売しておられたんですね。
「薩摩ボタン」のレプリカをそのまま作るんじゃなくて、敢えて洋のキャラクターとドッキングさせるところが巧い。さすがガラスさん、唸っちゃいました。
アパレル業界にいると、生地とかニットの糸は当然なんですが、ボタンもコレクションしたくなってくるんですよね。「いつか使えるんじゃないか」と思ってしまうんですよ。
さくらも、自分で服を作る人じゃないんですが、ボタンは結構持っています。
実は、わざわざボタン単品を買わなくとも、逆に、高い服を買って、それが傷んできてもう処分、という段階になってボタンだけはずして残しておく、というパターンが私の場合は昔は多かった。
10万円以上するようなスーツやコートだと、ボタンもそれなりのものが付いている。ブランド名の刻印が入っていたり、ダッフルコートのトグルが水牛だったりとか。
シャツでも、良いシャツは白蝶貝のボタンだったりするし。一度、買ったばかりのシャツの白蝶貝のボタンがすぐにパーンとはじけて割れて、あまりの悔しさに本当に泣きそうになったことがある。
「薩摩ボタン」は、1個だけでいいから、いずれ欲しいんですよね。私の場合はアロハじゃなくて、デザイナーズブランドのジャケットのような個性的なデザインのジャケットの一番上のボタンだけを「薩摩ボタン」にして着用してみたいです。
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ボタン事典 著者:大隅 浩 |
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ガラスです。ご紹介ありがとうございます。
ピノンのボタンは、薩摩焼ではなかったのですが、陶器で真似て作ってみました。
薩摩出身の私は、本家の「島津産業」に後輩がおります。それこそ島津藩時代から続いている薩摩焼と薩摩切り子を作っている会社ですが、そこで薩摩ボタンの製作を依頼したところ、1個3万円以上のコストがかかるとのことで、一時断念中です。
再開の目処は未定。笑
大島紬のアロハに本物薩摩ボタンをつけて、匠の革トランクに納めた100万円アロハを、3年前から構想中ですが、この世に生のあるうちに実現したいなあ〜。
投稿: ガラス | 2006年6月13日 (火) 10時18分
薩摩ボタンとは面白いものを見せていただきました。
薩摩には地縁も血縁も無いのですが、以前から薩摩焼に魅せられて白薩摩の茶器と黒薩摩のコーヒーカップを持っています。
白薩摩は華やかなのに磁器とは違うぬくもりのある優しさや品があって大好きです。
あの優しい素材感だからこそ生地にも馴染むんでしょうね。
>ガラスさん
ぜひ100万円のアロハ作ってください。
私が去年から入れあげている薩摩隼人に着せたい!
その人、指揮者で下野竜也さんっていいます。
投稿: Magnolia | 2006年6月13日 (火) 18時09分
ガラスさん、お久し振りです。
そうでしたか、ガラスさんは薩摩のご出身だったのですね。ピノンのボタン秘話が聞けて非常に感動致しました。
Magnoliaさん、コメントの内容でMagnoliaさんが誰なのか大体想像がつきましたが、コメント有難うございます。
写真で見る限りの想像ですが、下野氏には確かに100万円のアロハは似合うように思います。
他にも、あれば買いたい、というお客様は絶対にいらっしゃいますよ。
ガラスさん、いずれ是非大島紬&薩摩ボタンのアロハ&匠の革トランクの企画、世に出してくださいませ!
投稿: 両国さくら | 2006年6月14日 (水) 00時21分