「ユニクロ」がお洒落になった!?
昨日、住友商事によるバーニーズジャパン買収のニュースを取り上げたため書けなかったのだが、6月20日(火)付けの繊研新聞の1面を見て、「おおっ~」と思った。
トップ記事の、ユニクロと東レが戦略的パートナーシップ構想で基本合意し、東レはユニクロに対し、これから2010年までの間に累計2,000億円超の素材を供給する、というニュースにも度肝を抜かれたのだが・・・。
その記事の下に出ていた「“新生ユニクロ”NYデビュー」という記事と、写真に感心したのだ。
モスグリーンのテーラードジャケットに白のブラウス、今秋のトレンドであるグレー色のショートパンツを合わせたすっきりとしたコーディネートが、今までのユニクロさんになく、かなり垢抜けた印象だったからである。
この商品、ユニクロ・デザインスタジオ・ニューヨークの勝田幸宏社長以下、グローバルなデザインチームが企画したものだとか。細身のシルエットで絶妙の丈のジャケットも、パンツからストンと出して着用できるデザインになっているブラウスも、たぶんツータックのショートパンツの丈も、スタイルの良いヤングが着ると非常に映えるのではないか、という感じに見えた。
記事によると、秋物ではに力を入れているとのこと。コートレディスはショートトレンチ、メンズはチェスターフィールドコートと細身のダッフル、というのを読んで、ヨーロッパコレクションを分析している人間の目から見るとまさにドンズバのトレンドだなぁ、と思ったが、オンワードさんやワールドさんなど百貨店系の勝ち組アパレルさんやセレクトショップさんなどとは違って、これまでのユニクロさんは、そういうトレンドをしっかりと自社の商品企画に反映させよう、という方針ではなかったように思うのだ。
しかし、ここに来て、本当に変わられたのかもしれない・・・記事には、勝田社長がプラダからデザイナーさんを引き抜いたというようなこともチラリと紹介されていたが、これは、非常に楽しみになってきました。
何せ、元々価格の割には素材と縫製は非常にレベルが高いブランドなのだ。これにデザインが加われば、今度こそ本当に柳井社長言う所の「第三世代SPA」に脱皮できるかもしれない。
前述の東レとの戦略提携も、普通のアパレルブランドならば、合繊をそんなに買ってどうするの、一つ間違うと洗いざらしのコットンを好むカジュアルファンを遠ざけてしまうのではということになるのだろうが、ユニクロさんは、スポーツとか、メンズアウター、肌着といったカテゴリーに非常に強い。まとまった量を発注してくれる、ということになれば、相当に価格面での融通を利かせてくれたりモノポリの素材を提供してくれる、というメリットも出る筈だ。
先般の佐藤可士和氏、片山正通氏らを起用したニューヨークの旗艦店オープンに向けての取り組みも然り、「H&M」の向こうを張った、国内外の新進デザイナーを起用したプロジェクトも然り、更には、中国の主力工場で人材の定着率が低下してきている、という問題、いわゆる「チャイナ・プラス・ワン」の問題にもいち早く先手を打ち、2009年までに東南アジアで全体の3分の1を生産する体制に変える(この話題は、takaさんの「ファッション流通ブログde業界関心事」の6月2日のエントリで紹介されています)、という戦略も然り・・・。
今のユニクロさんは、創工商の全ての面においてこれまでより更に一段スケールアップしてきたように感じるのだ。
秋物の第一弾でどのような商品が店頭に並ぶか、非常に楽しみです。この秋は、ユニクロさんにとって、エポックメーキングとなるシーズンになるかもしれないですね!
本日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓
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さくらさん、こんにちは
リンク&コメントありがとうございました。
ファッション流通ブログde業界関心事のtakaです。
ユニクロさんは、ここんとこH&Mをむちゃくちゃ意識してる感じがしますね。随所に感じます。
いっそのことH&Mが日本に進出する前に既存のUNIQLOとは別に日本のH&M的なオペレーションを始めてしまうのがファストリさんが一番確実に1兆円を達成する王道だと思うんですがね。
では、これからもよろしくお願いします。
投稿: taka | 2006年6月22日 (木) 16時34分
こんばんは。
ユニクロの写真私も驚きを隠せませんでした!!!
ユニクロがあんなに垢抜けて、いまのトレンドを掴んでいるなんて。
正直楽しみです。
ただ気になることは、商品の提供方法、お店での陳列はどのようなものになるのか???
ということです。
提供方法も変化するとおもしろいと思います!!
投稿: 雨が降れば・・・ | 2006年6月22日 (木) 23時58分
こんにちは。
久しぶりにユニクロ買ってビックリという小ネタを書きました。
こちらのリンク&TBさせていただきましたので宜しくお願いします。
投稿: ☆grico☆ | 2006年6月23日 (金) 11時01分
takaさん、ご無沙汰致しております。
ご指摘の点、さすがはtakaさんだと思いました。
攻撃は最大の防御なり。今のユニクロさんは、H&Mのようなファッション性の高いカジュアルSPAを作ることが可能なレベルに徐々に近づいていますから・・・。
是非チャレンジなさって頂きたいものですね。
投稿: 両国さくら | 2006年6月23日 (金) 23時31分
雨が降ればさん、こんにちは。
皆さんやはり同様の感想を持たれたのですね。
ご指摘の点、尤もだと思いました。
陳列方法、というか、VMDは、ユニクロさんにとってはまだまだ改善の余地があると思います。
しかし、什器から作り変えるのは大変なので、移動でスペースを空けて全身のコーディネートを見せるVPを増やす以外に当面はないでしょうね。
接客は、私は一部のお店を除いては、やはりセミセルフを貫いた方が良いように思っています(そうしないと、客数が大幅に減っちゃうと思うので)。
十分に対面販売できない分は、レジの方の対応を良くする、それこそ佐藤可士和さんのような方の力を借りて、紙袋のデザインを良くしたり、パンフレットをお買い上げ客に渡す(ハンバーガー店のトレイの上のペーパーと同じです)、ネットやモバイルでの、暖かみを感じさせるようなアナログタッチの情報発信、といった方法で補うことも出来るでしょうね。
投稿: 両国さくら | 2006年6月23日 (金) 23時39分
☆grico☆さん、こんにちは!
いつも有難うございます。
☆grico☆さんの書かれた投稿、興味深く読ませて頂きました。
いつもながらに、非常に巧みな描写ですね。
それと、お仲間の皆様の鋭いコメント!
確かに、私も昔買ったユニクロさんの商品の中に、すぐに駄目になったチノパン、とかありました。
最近はぐんぐん良くなってきていますよね。
もちろん、まだまだ、の点もあるんですが。
たぶん、ファーストリテイリングの社員の皆様も☆grico☆さんのブログを見て喜ばれたのではないでしょうか(^^)
投稿: 両国さくら | 2006年6月23日 (金) 23時44分