VMDでショップがみるみる蘇る
今日6月8日(木)付けの繊研新聞の1面トップ記事は、リンク・インターナショナルさんがネオ・コーテックスという企業さんが開発したVMDに関するコミュニケーションソフトを使って、国内外の全てのショップと本部を直結しVMDを改善、その結果売上高が前年同シーズン比30%増、という大きな成果につながっている、というものだった。
アパレルや小売りのビジネスを体験なさったことのある方は、この記事を読んで、「そうなんだよな」と大きく頷かれたことと思う。私も久々に、大昔婦人服の販売をやっていた頃のことを振り返り、改めてVMDがファッションビジネスにおいて重要な基本事項の1つであることを再認識したのだが・・・。
さっきネットを検索して気付いたのだが、私の旧ブログでは、ほとんどVMDについて記述したことがなかったんだよね。
児玉千恵子先生とか、アパログさんで連載をなさっておられる小島健輔先生とか、業界には素晴らしい先達が大勢いらっしゃるので、実はディスプレイがかなりヘタクソな私ごときがこの場で講釈を垂れるのは非常に気恥ずかしいのだが、ちょうど良い機会なのでこの記事を読んだ感想を書いておこう。
記事を表面づらだけ読むと、まるでVMD=店頭ディスプレイ、といった風にお感じになられる向きもあるだろうが、セオリーさんの事例がうまく行っておられるのは、本来的な意味でのVMDの目指すところ=商品企画の段階から店頭での打ち出し、コーディネートを意識した企画になっている、ということが、きっちりと出来ておられるからだと思う。
カラー、素材が集約され、スタイリングがきちっと組まれて計画的に回転させる仕組みが出来ており、店舗面積が標準化され、顧客動線を考えたレイアウトが行われている売り場のどの什器(「何番地」というような言い方をする企業さんもあったりするようだが)にどの商品を置く、ということまで考えて企画しておられるから、商品が売れていって部分的に修正すべき点が出てきたとしても、本部サイドからの行き当たりバッタリではない指示が出来るのだ。
昔だと、本部のすご腕デコレーター、ヴィジュアルコーディネーターが出張で回ってきてリアルで現場指導したとたんに売り上げがグンとアップ、というようなことがよくあったが、今の時代はそれがネットでも可能になった、ということなのだろう。
出張経費との削減、という効果もさることながら、本部対A店、本部対B店、という、1対他の関係ではなく、A店対B店対C店・・・という形での、ヨコの状況の把握、ナレッジの共有が出来るところがこのソフトの凄いところだと思う。
同一ブランドを扱う他店の巧い事例を真似していけば、めきめきとレベルが上がるはずなのだ。
このシステムの開発・導入費はいくらくらいだったのだろうか?記事はその点には触れていなかったのがちょっと残念だが。
処分期前の6月、店頭があまり綺麗でないショップは正直多い。アパレル系のショップ以上に、バッグとか靴のショップ、百貨店さんの平場辺りは悲惨な状態だったりもする。売り場を見ながら直していってあげたいなぁ、と思うことが正直、よくあるんですよね。
システムの導入とまではいかなくとも、什器の位置を移動し、商品を並べ替えることで、少しでも売り上げを上げるように頑張りましょう!「売り場が停滞したら、即、VMDを変えようね」、さくらが若かりし頃、先輩は口を酸っぱくして言っていたが、売り場に動きを起こす、そして、店長やショップスタッフの心の中にも動きを起こすだけで、必ず風向きは変わってくるものなんですよね、不思議と。
とここまで考察した後、じゃあネット店はどうよ?VMDってあるんだろうか、ということについて考えて見ましたので、コチラも是非お読み下さい。
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私が個人でやっているブログ「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」の今日のエントリ「VMDでショップがみるみる変わる」を書きながら、ふと、「ネット店舗にもVMDってあるんだろうか?」と考えてしまった。
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