ファッション業界の営業力は低下していないか?
午後9時前、会社で残業していると電話がかかってきた。受話器の向こうには、あるIT関連の研究会で知り合った旧知のI社長。依頼内容をここに書くのは差し控えたいが、敢えてメールではなく電話という手段でコミュニケーションをという心遣いを非常に嬉しく思った。
先月、先々月には、旧ブログ「両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」に書いた、4月のインターナショナル・プレミアム・ショーで出会った異業種の企業さんから、営業やヒアリングのお電話が何度かかかってきた。食品関連の大手企業や、部品関連の企業さんなど、業種は様々だが、皆、一様に真剣だ。どうやら、展示会場で話し込んだ人、名刺交換した人には総当りしておられると見える。
ご承知の通り、うちの会社自体は自らものを作ったり売ったりしている企業ではないので、せっかく熱意を持って売り込んできて下さってもご要望にお答えできることはほとんどないのだ。しかし、熱心な異業種の営業マンに対しては、商品への意見を求められた場合、「自分はファッション以外の世界については素人ですよ」という前置きをさせて頂いた上で、自分なりに考えうる消費者としての視点からの商品の強みと弱み、狙うべき販路等々について真剣に考えて回答させて頂くようにしている。
自分が逆の立場だと思った時、せっかくお電話までかけてきて下さった熱意になるべく応えたいと思うからだ。
そういう、異業種の方々のバイタリティーや、セールストークに込められた強い熱みたいなものが、最近ファッション業界ではあまり感じられなくなっているな、というのは、私の気のせいなのだろうか。
むろん、業界内でも業種業態、販路によってその辺には温度差がある。しかし、全体的に、わが業界では新規参入が少なくなって限られたプレイヤーがコップの中で小さなつばぜりあいを繰り広げているだけ、というような気がしてならないのだ。
その最たるものが、かつて「巨大な社交場」と呼ばれたJC(ジャパン・クリエーション)だった、と言えなくもない。あるいは百貨店系アパレルさんの展示会。とりあえず挨拶を交わしお茶を飲み歓談し、「商売は後でね」もしくは、「後はお任せしたからヨロシク」の世界だったのだ(ここまで言い切っちゃうと、お叱りを受けそうだが、少なからずそういう雰囲気があったということは、業界内の他の多くの皆様も認めておられることである)。
でも、本当は違うのだ。競争相手は、日本以外の国に存在しているか、もしくは違う業態の企業だったりするのだ。
あるいは、アパレルや小売りの領域になってくると、異業種の消費財やサービス業全般と、限られた消費者の可処分所得や1日24時間しかない貴重な時間の取り合い、ということもある。
前向きに、ガンガン営業をかけない企業、お客様から学び、それを自社の商品やサービスに反映させない企業は、間違いなく沈没する。元気な異業種の方々と接するにつけ、強く感じる今日この頃である。
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コメント
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きょうはサービスしなかった?
あるいはアパで営業したかったみたい。
もしくはアパが自分っぽい商売ー!
しかしきょうは内容も展示しなかった。
しかしここまでコミュニケーションっぽいメールした?
あるいはここへサービスされた。
投稿: BlogPetの両国桜子 | 2006年7月 8日 (土) 11時19分