期初の優良店舗はリサーチには絶好
さっき会社の帰りにファミリーマートへ寄って、ケータイでチケットぴあに予約していたチケットを発券しようとしたら・・・夜は午後11時30分までしか駄目なんですってね。残念無念。
という訳で、週明けから軽~く残業モードのさくらですが、先週程疲れていないので、今日はうんちくを少しまた垂れてみたいと思う。業界の経験豊富なプロの皆様からは、「そんなこととっくにわかってますよ」とお叱りを頂戴しそうですが、ここから先は若い方、ファクトリーの皆様は是非読んでチョ。
職業柄、リアル店舗のショップリサーチを頻繁に行っているのだが、シーズンの立ち上がりの今時分が、MD(マーチャンダイジング)やVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)については一番調査しやすい時期である。
というのは、MD計画に忠実な品揃えがまだあまり崩れていない時期だからである。
これが、10月、11月、12月と月を負うごとに、売れ残りや予測と違う売れ筋が出るため、コーディネートの修正、更には商品そのものの追加投入やら早期処分の必要が出てきて、商品計画はどんどん変わっていき、店頭のVMDもイレギュラーな形になってくる。
むしろ、ファッションコンサルタントの小島健輔先生もいつもおっしゃっておられる通り、この時期からの修正の手法の方が、プロの技の見せ所、といえるのだが、業界若葉マークのバイヤーさんやMDさんは、リサーチはまずは期初に綺麗に整った売り場でしっかり練習するのがやりやすいのではないかと私は思う。
その際、更にわかりやすい方法が、いわゆる優良なお店を調べる、ということである。良い事例なので敢えて社名を挙げさせて頂くが、伊勢丹新宿店さんなどはその最たる例である。
8月の今頃同店を訪れ、婦人服全体、紳士服全体というのがしんどいのならば、まずは自社が狙っているゾーンに限って、全てのブランド、インショップの商品をざっと見ていかれると良いと思う。伊勢丹さんの売り場編成の意図とか、今シーズンのテーマというものが、アイテム構成、デザイン、素材、色等々の要素を見ているうちに自ずとはっきりと見えて来る筈だ。
セレクトショップさんと違うのは、売り場によってはトレンドテーマだけでなく、お客様の購買動機、モチベーション需要への対応がしっかり組まれているというところにある。その辺は、トレンドをあまりご存じない初心者の方にもわかりやすいと思うんですよね。
ところが、優良ではない店舗の場合、そもそもお店全体のディレクションも外部に丸投げされていたり、仮にディレクションそのものは素晴らしいものが存在したとしても、個々の売り場にきちんと縦串、横串が通っていなかったりする。リサーチしてみると時々、「このお店、一体何を今シーズンは狙っているのかな?」と思える時があるのだが、そういう場合、実は、当事者の間でもそれがいまひとつはっきりしていなかったりするのかもしれない。
昔、さくらを鍛えてくれた先輩は、「両国さくら(仮名)さん、商品は売れていくんじゃないのよ、売っていくのよ」と口を酸っぱくしておっしゃっておられた。最終的にお財布からお金を出して商品をお買い上げ下さるのはお客様であって、お店を運営する側はお客様に対して決して傲慢になってはいけないが、売り上げを作るための計画と準備は綿密に行い、「MDでお客様を引きつける」という意識は必要である。
特にアパレルや服飾雑貨というのは、食料品などと違い、買っても買わなくても当面困るものではないので、尚更だ。更にプライスの高い商品をお買い上げ頂く場合、美的価値の高さとか、痒いところに手の届くサービスとか、サプライズのある販促等々、お店側が目の肥えたお客様をリードするだけの強烈なオーラを発散していかなければならない。
その基礎になるのが、まずはMD、なのである。
もう1点、MDの中でも極めて重要なポイントとなるのが価格政策である。
これも今の時期に複数の店舗を調べてみると面白いことがわかる。
一般的に、「商品構成は三角形になる」ということがよく言われていると思う。ヤマの上の方が感度もプライスも高い商品で、それが売れる数は少ない。下の方は感度もプライスもマス=ボリューム向けで、数が沢山売れる、というものなのだが・・・。
今の時期、ファッションリーダー的なお客様を数多く抱えておられるお店の価格と店頭在庫の数量を調べると、三角形ではなく、筒型、もしくは、逆台形型になっている場合が多い。
インポートやドメスティックのデザイナーズブランド、そして、いわゆる百貨店系アパレルさんのブランドでも、皆、ここぞとばかりに自信作、見せ筋商品を投入してくる時期だからだ。それを、力のあるお店はどんどんと売りこなしていく。
それが、そういうお客様が少ないお店の場合、どうしても価格が上の商品は怖いのであまり投入できない、ということになる。
但し、こういうことを書くと、ミセスに強い百貨店さんとか地方百貨店さんとかあるいは地方や郊外の個人専門店さんなどから、「うちは伊勢丹さんとかセレクトショップさんの真似は出来ない。現実的に数字を取っていくために期初でも三角形の価格政策にしてあるのだ」という反論にあうのだが・・・。
1つの戦略として、ミセスだろうがハイミセスだろうが、そのお店なりに、「お客様と共に成長していくことを目指す」というやり方がある。3歩先、2歩先でなくとも、1歩先、半歩先の提案で新鮮味と感動を顧客に与え、客単価を少しでも上げる方に持っていく、ということだ。
そうではなくて、「うちの客単価は敢えて上げず、値ごろ感のある商品を求めるお客様で客数をとっていく」という方法ももう1つある。
但し、こちらは、昨今流行りの、GMSを核店舗とする郊外型SCやら、最近ではGMSすら核になっていない小商圏型の食品スーパーやホームセンターが核になったSCに入居する有力カジュアル専門店など、資本力のある企業でなければ、なかなか取りづらい戦略だ。
尤も、現金問屋さんを活用してクイックに回す、という手もない訳ではないのだが。
そういったことをしっかり考えながら、自社以外の優良売り場をリサーチすると、様々な気づきが出てくるのではないかと私は思う。
専門店さんを少人数で経営なさっておられる方は、オーナーさんご自身はお忙しいでしょうから、ショップスタッフの方にポイントを指示して調べてもらうとよいのではないだろうか。スタッフの方も、それによって大きく成長されるのではないかという気がします。
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