高級バッグ市場参入ーオンワード「コルトモルテド」販売ー(H18.9.26繊研新聞他)
こちらの、オンワード樫山さんのニュースリリースに記されている通りである。ボッテガ・ヴェネタの創業者の息子がデザインする注目のバッグブランド「Colt Moltedo(コルト・モルテド)」と同社が、ディストリビューション契約を締結したそうだ。
このリリースの中にわざわざ図が記されている通り、今回のビジネスのフレームは、ちょっと変則的な格好になっている。一般的にありがちな、「独占輸入販売権」とは違って、「輸入」と「販売」の部分が分かれており、前者については三菱商事さんが責任を担うようだ。
そして、更に、オンワードのグループ企業、キャンデラインターナショナルさんが、サブディストリビューターになって百貨店やセレクトショップなどへの卸を行う形にしてある。どうやら、キャンデラインターナショナルが運営するセレクトショップ「クルーン・ア・ソング」の中で「コルト・モルテド」を取り扱いたいがためにわざわざこういう形にしたのではないかと推察される。
オンワードさん本体にとっての商売としてのうまみは、正直たいしたことはない額にしかならないように思うのだが、個人的には、このブランドのデザイナーさんは、バッグ業界にとっては何十年に1人しか出ないような逸材ではないかと思っているので、商品のブランドイメージと価値観を損なわないように大切に販売してあげて欲しいと思いますね。
話は変わるが、今朝の繊研新聞さんの1面連載「世界市場に挑む オンワード樫山」の中では、同社が近くバッグメーカーを買収することを匂わすような件があった。「コルト・モルテド」の話とはまた別の、製造メーカーが対象なんだろうが、いやはや、同社の雑貨への力の入れ具合も、ワールドさんと並んで、半端じゃなくなってきていますよね。
「mit mitte」なんかも、あのプライスであの感度は素晴らしいと思うし、一昨日有楽町西武さんの話題の中で触れた「ヴィア・バス・ストップ・アクセサリー」なんかにしても、非常に通好みの商品が揃っている。
こういう動きとは対照的に、総合商社さんは最近ちょっと劣勢に立たされていますね。ここに来て、企業全体の中で繊維は利益率の点で足を引張り気味、「無理して頑張ってくれなくてもいいよ」的な位置づけにおかれてしまっているという雰囲気を如実に感じる。I社さんやS社さんの話題はそれでもまだいろいろあるようだが、「ライフスタイル事業部」になって繊維単体の売り上げを公表しなくなった、ブランドビジネスの雄・M社さんはどうなっておられるんでしょうか?
まあ、こういう超エリートさん達は全社的にみれば安泰な世界に住んでいらっしゃるし、いざとなったら他産業で戦えばいいだけなんだから心配してあげる必要はさらさらないと思うんだけれど、かつては地方の小売店さんをお得意様にしていた輸入商社さんにとっては、アパレルがライバルになってくると非常にキツイものがあるという気がする。
それでも、年商20億円~30億円程度の塊になるようなブランドは最近でもいろいろ出てきているから、良いブランドを探してきてじっくり育てる、ということをアパレルに負けずにやっていく以外にないだろう。
消費者にとっては、あらゆる業態がリテイルのセンスを身につけインポートについてもぶれのないMDが展開されてくるということは非常に良いことで、これから益々、楽しみが増えてくる訳なんですけどね。
いずれにしても、財務体質の強さとアパレルMDやリテイルMDに関する専門知識の豊富さ、その両方を兼ね備えていない企業さんは、市場から退場を迫られる時代になっていることは間違いないだろう。
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