KFCクリエイティブスタジオ1期生、「キャンディフルーツ」小野社長の本『萌え起業の心得。』
今日は、本当に久々にEC研究会に前半だけ参加してきた。7月に開かれた「d1.a9.ex」というイベントで知り合った(株)ウェブシャークの田村啓取締役がパネリストの1人を務めるということで、応援に行ったのだ。
会場には、(株)もしもの実藤社長や、某ファッション系通販サイトの社長さんのお姿なども見えたこのパネルディスカッションの内容は、申し訳ございませんが、明後日17日(日)もしくは明々後日18日(月)にご紹介させて下さい。
今夜はちょっと、別のネタで。
うちのベンチャー支援施設の1期生だった「キャンディフルーツ」の小野哲也社長が、本を出版された。
といっても、墨田区役所さんにご連絡を頂く前に、本屋さんで見つけたのだ。
タイトルは、「萌え起業の心得。」
題名から想像がつくと思うけど、同社はメイド服の企画及びオンラインショップでの販売、メイド服を着用した女性を派遣するハウスクリーニング事業、メイドのショップスタッフが販売する眼鏡店等の事業を行っている。
メイドさん向けのファッション、というテイストが好きか嫌いか、ということは、人それぞれにあると思うのだが、これから会社をニッチな分野で起業しようと思っておられる方は、是非先入観を捨ててこの本を手にとってみて頂きたい。経営者としての小野社長の見識の深さ、戦略の正しさ、日々の行動の適切さに感心されるのではないかと思う。
本を読み進め、後ろの方に行けば行く程、第3章の中で述べられている、スタッフをねぎらうことの大切さとか、第4章の、自分自身のメンタル管理の方法とか、第5章の、毎日売上集計表を作るとか、資金を借りる際には1%でも安いところから借りるようにするとか、起業を体験された方ならではの知恵ですね。
しかし、何と言っても私が一番感心したのは、あとがきの部分だ。前職のITコンサルタント時代の取材経験で、小野社長は売っている起業家の生活のテンションの高さ、1時間の過ごし方が全く違うということを知る。「『働くエネルギー』という名の器が普通の人より大きいんだな、というのが私の結論です」(同書P172より引用)。そういう現実を見た結果、上場を目標とするのではなく、ニッチ特化型で自分の時間を大切にしながら5、6年で年商1、2億円の規模にする戦略を選ぶ。
私自身は自分が社長になった経験はないが、前職の業界紙の記者時代も現在の会社でも数多くの経営者にお会いする貴重な経験を得た。その経験から体得したことは、小野社長の抱かれた感想と全く同じ、「モーレツに働かなければ常人のレベルを超える成功はない」ということである。
それが出来る人と出来ない人がいる、というのは現実だろう。念のため書いておくが、ニッチビジネス志向で行ったとしても、サラリーマン、OL時代と同じ程度の仕事しかしない、という人ではとても成功は覚束無い。
さらりと書かれているが、ものすごく含蓄のある言葉である。起業を志す人は、自分がロールモデルとする企業家の先輩以外に、一回りスケールが大きい企業さんの経営者の方にも会っておいた方がよいのではないか。会う、なんて軽く書いてしまったが、一般的には難しいことだろうから、セミナーで生の声を聞くとか。ドリームゲートさん主催のものなんかは、私はすごく良いと思います。
ちょっとだけPRさせて頂くが、この本の中に、「墨田区のインキュベーションオフィス」という名前で登場しているのは、うちの会社のことです。URLは、コチラに変わっていますので、是非是非チェックしてみて下さい。
小野社長はしっかりされた方だったので、区役所さんは別だろうが、うちの会社としてお手伝いさせて頂くようなことは全くなかった。小野社長との思い出は、(有)カシスを設立された時のパーティーに呼んで頂いたことが印象深い。そのパーティーは、うちのビルの3階で開かれたのだ。
もう1つ、今日冒頭に書いたEC研の話にも関係あるのだが、私が2003年に日本オンラインショッピング大賞の三石玲子賞(批評賞)第2席を受賞した時に、小野さんだけが、こちらから何も言う前に、「両国さくら(仮名)さん、おめでとう」とおっしゃって下さったことだ。
さすがネットショップの店長さん、ネットニュースなんかには幾つか記事が掲載されていたのをご覧になられたのだろう。私が「たいしたことないですよ」というと、「いや、そんなことはないですよ。あの賞はすごい権威があるんだから」といって、ものすごく褒めて下さった。
その頃繊維ファッション業界の人の中でそんな風に評価してくださる方はまだほとんどいなかっただけに、小野社長の先見の明を強く感じた。すごく嬉しかったです。小野さんの方こそ、今や本当にマスコミの寵児、みたいになってしまわれたが、表面的にトレンドの先端の華やかなところにおられるかに見える小野社長の、堅実な経営観というものを、是非後に続かれる後輩の皆さんにも知って頂きたいと思うのだ。
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萌え起業の心得。 著者:小野 哲也 |
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きのう両国桜子が、経験したかも。
もしくは墨田まで時代とか含蓄するつもりだった?
もしくは墨田で記事を起業しなかったよ。
投稿: BlogPetの両国桜子 | 2006年9月16日 (土) 12時51分