H&M、2008年に日本進出(H18.12.12日本経済新聞)
意外な気がしたのだが、今日のNIKKEI NETさんには、「H&M日本進出」の記事は掲載されていないんだよね。紙の本紙のみの報道だった。
当ブログに本日「H&M 日本進出」の2語検索でお越し頂いた方は現時点で9名。それでも本日の「検索ワード/フレーズ」の中ではもちろん1位だったのだが・・・。
H&Mの本社の皆様が日本語が読めるのかどうかわからないが、せっかくなのでそういう事実をお知らせしておこう。そんなもんなんですよ、今の時点での日本でのネームバリューというのは。
ユニクロさんはもちろんのこと、ギャップやベネトン、ZARAとは比べるべくもない、H&Mが「ヘネス・アンド・モーリッツ」の略だってことも、業界人の皆様以外はほとんどご存知ない筈だ。
従って、同社が一番に考えなくてはならないことは、知名度を上げるための広告宣伝を徹底して打つことだろう。ちょうど今秋、ユニクロさんがニューヨークで行った大宣伝のように。
次に、商品政策の問題。いろいろな方に、「H&Mが日本に来たら売れると思うか?」と聞かれるのだが、正直、わかりません。オープンして店頭を実際に見ればかなりの確率でわかります、となら答えられるのだが。
そんな風に言うと、「さくらさん、それなら俺だって分かるよ」と怒られてしまうのだが、今海外で見ているのと同じ商品戦略で来るのかどうか、まだオープンしていないのに分かりませんからね。日本のマーケットに合わせれば、もちろん売りやすくなりますよ。
私は大体イタリアで同社を年1回(ミラノと地方都市)見ているのだが、イタリアでのH&Mの主力客層はティーンとヤングが主力で、アダルトな客層が主体のZARAとの棲み分けが年々はっきりしてきているように感じる。
このファストファッション企業の2社が、ボリュームからバジェットの市場を根こそぎ持っていっている、というのがミラノの状況のように見えるが、日本ではそういう「一人勝ち」状態というのは絶対的にありえないだろう。
2,900円、3,900円上代からファッションビル&駅ビル、そして百貨店系のミドルアッパープライスに至るまで、ヤング向けのアパレルはひしめきあい、あらゆる年代層の中で最も激戦区になっているからだ。
もしも日本が欧米のような他民族国家ならば、H&Mのサイズ展開の豊富さが武器になってくるのだが、日本在住者は体型の似たアジア出身者が大半で、そこまでのニーズがあるとも考えにくい。
そうなるとやはり、海外からやってきた安くてお洒落な「ブランド」に憧れ感を持ってもらい、日本国内のアパレルとは相当に匂いの違う商品を面白がって買わせるように仕向けるための仕掛け(最初に述べた広告宣伝)が不可欠になる。
もしくは、日本向け企画を一部投入、という戦略もあるにはあるが、特別な人材を採用したりしているとコスト高になるだけですからね。日本は中国や韓国等、他のアジア地域も含めたアジア戦略の一環に過ぎず、全体最適を求める方を優先してくると思います。
注目すべきは、どこにどのくらいの店舗数まで出すか、ということだろう。私は、GAPのように地方の中堅都市にまで出店してしまうと後々非常にしんどくなってくるのではないかと思うのだが。ユニクロと全面戦争して、おっちゃんおばちゃんの中低位層(こここそが日本のアパレル業界の穴!)を根こそぎ取りに行くのなら話は別だが。
関東(東京、横浜)中心のドミナント化及び、名古屋、大阪(京都)、福岡、札幌と、せいぜい広島、仙台くらいまでにとどめておき、広域から時々買いに来るヤングを拾う方が効率は良いのでは?
むしろ、前にも書いたけど、同社自身の首脳陣が語っているように、ビジネス的に不利な地域にはクロスメディアマーケティングという意味合いも込めて、ネット通販の早期立ち上げに限りますよ。
ここでさくら的大穴予想。H&Mとamazon.co.jp連合、というのはいかがだろうか。アマゾンさんのシステムと巨大な物流センターさんを利用させてもらって、一気にネット通販で億の売り上げを狙う、というのは・・・アマゾン側にイニシアティブを取られるので、いやでしょうね、きっと(笑)。
まず当面の焦点は、それらの戦略論や戦術論の前に、H&Mのジャパン社の社長に誰が就任するか、でしょう。日本人なのか、外国人なのか。
いやはや、残念ながら、日本の業界にはこういう外資系ファッション企業のジャパン社の経営幹部にヘッドハンティングされるような人材が、極めて少ないらしいのである。最大のネックは、やはり、語学力。
伊勢丹さん出身者か、若い頃から日本の企業を飛び出して外資で経験を積んできた数少ないフロンティアスピリット溢れる方々か、もしくは、マッキンゼーなどのコンサルティングファーム出身者か・・・。
さくら的には、もっと商社さんの繊維部門出身者の方々に頑張って頂きたいなと思うのですが、川下でのご経験に乏しいのか、皆さん寄らば大樹の陰なのか・・・非常にお寒い状況である。
最近忙しくて書けなかったのだが、「フェンディ」や「ヴァレンティノ」の業績アップには、CEOの手腕が大きく寄与している。今の時代のファッションビジネスは、欧米や日本のような右肩上がりではない成熟した社会では尚更、マネジメントの重要性が増しているのだ。
H&Mの現経営陣は非常に優れた方達ではないかと私は感じているが、ローカルの事情とブランド全体の戦略をうまくすり合わせできるコミュニケーション能力の高いジャパン社のトップを起用できなければ、思いの外日本市場で苦戦、というシナリオもありかもしれない。
とはいえ、さくら、中国では確実にH&Mはイケると思ってますから。これからマーケットがシュリンクしてくる国は実は然程重要ではないと思っていたりして(笑)。アメリカでもヨーロッパでもガンガンに売れてますから、1国でコケても死にはしないでしょう。
グローバル的な販路の分散戦略、これほど強いものはありません。
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きのう両国桜子が、ベネトンと仙までベネトンと起用したいなぁ。
投稿: BlogPetの両国桜子 | 2006年12月13日 (水) 14時45分