JCレポートその1:凸版印刷さんの織物生地反物管理システム
ピラティスと下半身のストレッチのやり過ぎで、今日は実は朝から足腰が痛くてプチ不調気味だったのだが、ジャパンクリエーション(JC)とFISMAの最終日とあってはそんなことは言っておられない。
重い体を引きずってビッグサイトまで出かけたのだが、リアルの知人の中には「両国さくらさんのブログを読んで今日来られるんだなと思っていましたよ」と言って下さる方もいて、嬉しい反面、「先に宣言しちゃうと万一実行できなかった時ヤバイな」と思った次第である。
詳しくは、明日か明後日ポッドキャスティングで話すつもりだが、今日は前振りとしてちょこっとだけ書かせて頂くことにしよう。
今日付けの繊研新聞さんも取り上げておられたけれど、JCの方に凸版印刷さんが国際規格(C1G2)準拠ICタグを活用した「織物生地反物管理システム」を出展しておられたのが目を引いた。
営業の方とお話しすることが出来たのだが、この事例は、凸版さん側がアプローチされたのではなく西脇産地の植山織物さん側が、自社の抱えている経営課題=在庫を探すのや棚卸に非常に時間がかかっている、ということを解決できないかと考え、「ICタグが使えるのではないか」と思って凸版さんにご相談されたことがきっかけになったのだという。
業界紙なんかに数年前から、婦人靴や衣料品などでICタグの実証実験が行われている事例がちょくちょく掲載されているが、そういう記事をみて、「ひょっとしてこれが応用できるのではないか」と気づかれたということは、非常に素晴らしいことだと思います。うちの会社の勉強会でお話しして頂きたいくらいである。
詳しくは、凸版印刷さんのホームページのこちらのページをご覧下さい。
ちなみに、このページには書かれていないが、JC会場で配布されたチラシには「入荷作業の作業負担が半減」「自社倉庫の作業効率改善により、外部保管品を自社倉庫に戻し年間費用の30%を削減」「棚卸は従業員1人がリーダ1台で半日で終了、人件費30人日分を削減」と、非常に大きなコストダウンの効果が上がっていることが紹介されている。
但し、ICタグラベルプリンタ、アプリケーションソフト、大型のリーダ等、システムを稼動させるための初期費用の全てを含めるとリーダの台数にも寄るがウン千万円かかるということ、ICタグラベル1枚当たりのコストの問題もあるので、1メートル当たりの単価の高い高付加価値型の織物を織っている機屋さんでないと、現状ではまだ導入は難しいということである。
営業の方は、「ICタグのリサイクルも課題だ」と話していた。がしかし、そのような問題は導入事例が増えると共に解決の方向に向かっていくと思われる。
ICタグと言えば、わが業界の内部でも商社さんの繊維部門の中で早くからビジネス展開しておられるところは何社もある。しかし、なまじ業界の知識が豊富すぎるためだと思うが、SCMとか関係先の多い複雑なモデルを考えすぎて、コンセンサスが得られず前に進んでいない、というのが現状のように思う。社名は伏せておくが、某社さんのように、逆に繊維以外の業界中心に売っておられるところもありますしね。
理想を言えば、ICタグの活用と企業間での物流・検品を連動させた方が良いに決まっているが、現実には取引慣行すら前近代的な世界で、対等な立場でのウィンアンドウィンはなかなか望むべくはない。それよりは、まずは自社で出来るところからどんどんやっていく、というのは、とても賢明なやり方だと思います。
しかし、日興毛織さんの事例もそうなんですが、在庫管理や業務の合理化がきちんと出来ていない企業さんが多い日本の繊維産業は、そこをきちっと改善するだけで生き残れる確率は相当に高まるのではないかと思えてくる。
仕事の中で、ものを探す時間ほど無駄なものはないですからね(といいつつ、さくらも「あれがないない、といって一生懸命展示会のパンフレットなどを探し回っていることがよくあるんですが・・・笑)。
先端情報工学研究所さんの倒産で、ICタグに関してちょっとネガティブなイメージを持たれた方もいらっしゃるかもしれないが、成功事例も次々出てきているのである。
追記:先端情報工学研究所さんの倒産の経緯については、『日経ベンチャー』の11月号号で詳しく紹介されていますので、ご関心のある方は是非ご購読下さい。
ついでに書いておきますが、さくらはトヨタ生産方式を中小企業に普及しておられる山田日登志氏を追った同誌の連載を愛読させて頂いております。
今日の話題とも非常に関連するテーマなのですが、こういう視点が日本の繊維の中小企業には何故か欠落しているように思います。商品開発ももちろん大切なのですが、まずは無駄とりをして赤字をなくすことも同じくらい大切だと思います。
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