鈴倉インダストリー 民事再生法を申請ー「従来取引を続ける」(帝人)ー(H19.4.16日本繊維新聞他)
悪いニュースについてはなるべくこのブログで実名入りでは取り上げないつもりなのだが、あまりにもショックが大きかったので・・・。
鈴倉インダストリーさんと言えば、私がまだ現役の業界紙記者だったころは、新潟・栃尾産地の名門、一貫生産モデルで自立した織物メーカーとしてその名を世間にとどろかせていた。その企業さんが、民事再生法を申請するとは・・・。
今日付けの日本繊維新聞(ニッセン)さん、繊研新聞さんによると、取引先も支援の姿勢を表明しておられるようだし、ニッセンさんの方には、尾州のいわなかさん、西脇の丸萬商店さんと共同開催している「プレミアム・ジャパン・クラブ」や三菱レイヨンさんの展示会には予定通り出展されるもようとの報道もあった。再生に向けてこれからの頑張りに期待したいと思う。
辛いことだが、日本国内で婦人服地でご飯を食べていこうと思ったら、超高級品、ミドルアッパークラスの価格帯を家族経営+αに近い小規模な体制で運営するのでなければ、採算的に合わない、ということなのかもしれない。
前にも書いたことがあるが、確か2003年頃だったか、福井県繊維協会さんが「産業用資材に針路を取れ」という声明を出しておられたのは、今となっては本当に正解だったな、という気がする。
このブログには敢えて書いていない、というか、辛すぎてとても書けなかったのだが、身の回りの有力な川中繊維製造事業者の方が、とことんまで踏ん張って、それでも踏ん張りきれずついに力尽きる・・・といったことは、好景気なはずの今もぽろっ、ぽろっと起きている。
歴史の古い企業さんは昔蓄えた個人資産があるので、それを担保にしたり切り売りしながら頑張ろうとするのだが、それもいつまでもは続かない、ということなのだ。
商品力に対する業界内の評価と、財務の健全性というのは、全く比例しない。むしろ、前者の評価が経営者のシビアな判断を鈍らせてしまう、ということもある。
社員さんの雇用のこともあるし、こういう問題、本当に安易なことは決して申し上げられないな、と思うのだが・・・。
経営者の皆様には、決して一人で悩まず、商工会議所さんなど信頼出来る第三者の客観的な意見を聞いて見られることをお勧めしたいと思います。
付記:4月17日(火)にリンク致しましたブログ『テキスタイルマニア』の本件に関する記述に事実誤認があり、エントリが削除されましたので、本ブログからのリンクも削除させて頂きました(平成19年4月22日)。
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