ワールド、シンエイの共同会社サンピエ、来春から婦人靴ブランド「フレイバーミュー」出店(H19.10.4繊研新聞他)
一週間以上も前のニュースで恐縮なんですが、成功する可能性の高いプロジェクトではないかと思ったので書いておきます。
ご参考までに、ワールドさんのホームページ上に掲載されているニュースリリースはこちら↓↓↓
◆「キャリア女性向けブランド『フレイバーミュー』2008年スタート」|ブランドニュース
ホント、巧いなあと思うんですよね。UAさんの「オデット エ オディール」とか、ジュンさんの「ラブクレール」なんかに比べて、プライスは一格下を狙っておられるじゃないですか。まあ、ギャル系の靴になるともっともっとロープライスになってきますが。
ワールドさんの強さは、同社が「高感度バイイング型SPA」と呼んでいる「アクアガール」だの「シャンデリエ」だのといった、プライスの高いゾーンよりも、むしろ、「ハッシュアッシュ」や「三寒四温」のような郊外型SPAや、“ファッションのコンビニ”業態の「イッツデモ」のような、ロープライスゾーンのビジネスになった方が際立つ。
「安かろう悪かろう」(とまで言ってしまうのは失礼なのだが)のプライスゾーンに適度に顔のよい商品をぶつけることの出来るMD力。
ロープライスゾーンで多店舗展開する場合、雑駁な在庫コントロールをしていると今の量販店平場が典型的な例なのだがロスがどんどん出て大変なことになるのだが、在庫ロスと機会損失の極小化を図るSCMの仕組みが出来ていること。
そして、何より、ロープライスで戦うためにまず生産背景から押さえにいくこと。だからこのプロジェクトではシンエイさんと組んだのだろうと推察できる。
アパレル業界の大半の企業さんは、どうしても感度軸を上に上に持って行きたがる(お洒落な商品が根本的に好き)な傾向にあることと、感度も価格も高いゾーンなら粗利益も高いので売れ残りが出てもそこそこ吸収できるというビジネスモデルに慣れているため、ボリュームや、ややバジェットに近いゾーンでの商売が苦手だ。もちろん、企業さんの哲学として、「うちはやらない」というのは大いにアリなのだが。
しかし、多くの消費者は、「安くてそこそこ顔の良いもの」を望んでいるというのも、事実である。
ワールドさんの実力を持ってすれば、その気になれば意図的に感度を更に下げてしまむらさんや「H&M」に対抗することも十二分に可能ではないかと常々私は思っているんですけどね(多分、そこまでは今のところはやる気がないんでしょうが)。
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