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2007年11月23日 (金)

‘マス’ショップから‘ターゲット’ショップへーお客様目線でMDの抜本的見直しをー

週刊ダイヤモンドの「新聞没落」特集のことを以前このブログでもご紹介したが、もうマスメディアの時代ではない、ターゲットメディアとか、ニッチメディアの時代だよというような議論が、インターネットの普及浸透が進むと共にマスコミ周りの世界では真剣に語られるようになってきた。

この問題を考えるとき、私は、「ああ、これってアレにすごく似てるよな」と思うのだ。

「アレ」とは、流通業界のこと。百貨店、量販店(GMS)が衰退し、専門店が広く消費者の支持を得て売り上げを伸ばしている現象は、まさに、マスメディアからターゲットメディアの時代に移行しているメディアの世界の現象に近いものを感じるのだ。

アパレル発SPA(製造小売業)やセレクトショップ、TV通販やネット通販を見ていると、本当に、自店のお客様がどういう方々なのか、きちっと狙いを定めてMDやサービスを展開しておられる企業さんに勢いを感じますからね。

但し、相違点もある。ユニクロさんしまむらさんハニーズさんのような価格帯の低いゾーンは、これまで量販店の平場に通っていた方々を惹き付け、客数、客層共に幅広い。これらの企業さん達はそれぞれにビジネスモデルのある部分で強力な絞り込みだったり合理化が行われているのだが、対顧客という点においては、かつては量販店の平場に通っていたような方々を、客数、客層共に幅広く取り込んでおり、確かに「マスリテーラー」である。

昔から唱えられている、ある時代に一世を風靡した小売業も常によりローコスト・ロープライスな業態に優位な座を取って代わられるという、いわゆる「小売りの輪」の理論通りの現象が、日本でもアメリカ同様に起こっているということだろう。

ただ、いずれにしても、新聞やTVが最近、昔に比べて勢いがなくなってきているのと同じで(雑誌業界も不況だと思うんですが、別の観点からの考察が必要なように私は思っているので、同列には論じないように致します)、百貨店、量販店は最早「マス」の支持をバックにした安定などとはほど遠い、極めて厳しい状況に陥ってしまっていることは論を待たないだろう。

コスト構造そのものにメスを入れていく、ということが、問題の抜本的な解決のためには必要なのだろうが、それ以前に、もう一度、お客様目線、顧客目線に立ってMDやサービスを徹底的に見直すことが必要なんじゃないだろうか?

最近はこういうことは、ネット通販の世界なんかの方が、勉強熱心な店長さん達の間では徹底して行われていて、リアル出身者としてはお話を伺っていて「何でネットの世界でここまで短期間にノウハウが確立されてきているのに、実店舗ではこういう基本が忘れられていくのか」と情けなくなってしまうことが多い・・・。

例えば、最近リニューアルされた百貨店さんを見る度に思うのだが、お客様のデパ地下への期待値は極めて高い。正直、込み具合から見ても、お店によっては売り場面積が今の2倍でもよいのではないか、と思ってしまうくらいだ。

コスメの売り場も、やはりカウンセリングへのニーズがあったり、限定商品、高額品が好きな方が多いので、それなりには繁盛している。

いいか悪いかは別として、やはり、ラグジュアリーブランドが欲しいお客様というのは、世の中には多い。今後は観光客の需要もある。せっかく日本に来ているのに、日本国のブランドではないものを買って帰って行かれるというのは情けないことで、これに代わる提案もして行かなければならないのだが、確かにニーズはあるのだから現状ではこれらは排除できないとなるのも判る。

問題は、2階から上の、アパレルの売り場だ。

立地にもよるのでひとくくりには出来ないが、「40代の高感度な女性」を狙う場合、客数はぐっと絞り込まれてしまう、というのが現実だろう。

今、40代で働かずに家で過ごせる方というのは、余程ご主人の所得が高い恵まれた方か、もしくは身内に病人や介護しなければならない人がいたりご自身が体があまり強くない方であって、大半の方が、配偶者がいてもフルタイムもしくはパートタイムで家計を助けるため、あるいは自己実現のために働いており、平日にあまりのんびりお買い物などしている暇はないのではないかという気がする。

さらにそういう「40代の働く女性」の中には、もちろんディンクスや未婚の方もいるだろうが、大半はお子さんがいらっしゃって、土日も忙しい、とにかく時間がもっと欲しい、というライフスタイルなのではなかろうか。

平日の昼間、百貨店でのんびり、というのが可能なのは、フルタイムやパートの仕事をやめた50代半ばとか60代以上の方々なんですよね。

ところが、最近の百貨店さんのリニューアルでは、60代、70代向けの「等身大」のブランドがどんどん姿を消し、こじゃれた40代向けの服ばかりが増えていっている。しかも、価格もアップしていて、郊外や地方から出てきた方々がへそくりの範囲で気軽に買える商品が全くないと来ている。

具体的なアイテムの話まで始めるとエントリが長くなりすぎるのでこの辺でやめておきたいと思うが、年配の方々が密かに悩んでおられる悩みに対する「お悩み解決系」の商品の品揃えにしたって、ネット通販やTV通販の方が余程よく揃っているのではないか。

「お客様をよりお洒落な方向に導く」という志は結構なことだが、進みすぎているというのはよくない。半歩先、というくらいが、丁度良いのではないか。ファッションについて保守的なお客様かどうかということと、可処分所得が高いということは、必ずしも比例はしない。それと、時間のあるなしも、今の時代は様々だろう。

さらにもっと若い客層になってくると、もう、百貨店ブランドは欲しくない、ここをルミネにして欲しい、というくらいの拒絶感を持たれる場合もあるんじゃないかという気がする。「トゥモローランド」と「アンタイトル」があれば、それだけで私はいいのよ、とか。

結局、「マス」でお客様を捉え、はじめにお客様ありきではなく、はじめにブランドとか、商品とか、お取引先ありきの考え方だから、今まで述べてきたようなことになってしまうのではないかと思うのだ。

顧客のライフスタイルの洗い出しを行い、幾つかのグループにセグメント化した上で、全体におけるセグメントごとの分量のバランスを適正化し、その後、個々の売り場に割り当てたターゲットに向けて狙い打ちしたMDを作りこんでいく、ということだという気がする。

つまりは、百貨店は、‘マス’に向けたショップであることを止め、ワンターゲットである必要は必ずしもないが、複数のターゲットにきちんと照準を定めた売り場の集積=‘ターゲット’ショップの集積になるべきではないかと思うのである。

これを本気でやっていくと、お取引先様お任せ、なんてことはありえなくなる筈なのだ。なぜなら、お客様のことが本当に判っているのは、本来は一番お客様の近くにいる小売業の筈なのだから。

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