ユニチャームの「ライフリー吸水下着スリムウェア」
今日12月3日(月)付けの日経MJさんの1面トップは、年末恒例の「2007年ヒット商品番付」だった。
わがファッション業界関連で番付表に登場していたのは、「レギンス」と「エコバッグ」のみ。共に前頭の格付けで、上位にはデジタル関連グッズやサービスがズラリと並び、わが業界にとってはちょっと寂しい結果となっていた。
もうひとつ、西関脇の「TOKYO」という商品名の寸評をよくよく読むと、「東京ミッドタウンや新丸ビル、有楽町イトシアなど東京のランドマークが続々と登場」(同紙より引用)と書かれているので、これもまあ、ファッション業界に近しい小売業の話題として、数のうちにカウントしてもバチは当たらないのではないかという気がする。こちらを入れたとしても3つ、である。
私が面白いなぁ、と思ったのは、西前頭に、ユニ・チャームさんの「ライフリー吸水下着スリムウェア」がランクインしていたこと。
これって、「下着」といえば下着なんだけど、わが業界の皆さんが想像されるような、「ラビジュール」や「ピーチジョン」はおろか、ワコールさんとかトリンプさんとかが作っておられるような、ファッション性重視の布帛の下着とは商品開発の切り口が全く違うものだ。
まだまだお元気でアクティブに活動なさっておられるシニアの方々、ところがその実、多くの方々が非常に深刻に悩んでおられる尿漏れ防止の吸水下着なのだ。
日経MJさんによると、「推定約6%の市場シェア獲得」と書かれている。今年デビューして6%というのは、確かに快調な滑り出しであろう。
ヤングの数が減り止まらない日本で、いわゆるファッションファッションした商品の伸びというのは、国内市場だけに関して言えば観光客需要をうまく取り込まない限りは期待し難い。
だが、これから増えてくる高齢者向けの商品、サービスについては、現代の時代性に応じた、もっともっとかゆいところに手の届くものが求められてくるだろう。この分野には、間違いなくビジネスチャンスが存在する。
「ライフリー吸水下着スリムウェア」のウェブサイトを拝見し、非常に感心したことが2点ある。
第1点目はTVCM。いつも書いているように、私はTVはほとんど見ないので今日初めて拝見したのだが、58歳の女性マラソンランナーを登場させておられた。
これには2つの意味合いがあって、1つは激しいスポーツや長時間の利用にも耐えられるということをアピールしているのと、もう1つ、今の時代の先端を行くシニア像を描いている、ということがあるように思う。
「待ちの健康」ではなく、自ら体を積極的に動かして体を整え、モチベーションを上げていくこと。そういう、チャレンジする人(しかも、女性)はかっこいいですよ、というメッセージに共感される方は多かったのではないだろうか?
第2点目は、ウェブでの通販及び情報発信をきちっと行っておられること。「ライフリー吸水下着スリムウェア」のページには、5つの関連サイトへのバナーが貼られている。
うち1つは、楽天市場のユニ・チャームの通販サイト「ユニ・チャームいきいき生活」で、あと2つは関連性のある別の商品の情報サイト、もう2つは、悩みそのものに対する情報サイトになっている。
「ドラッグストアや量販店で買えるものをわざわざ楽天さんで売るなんて」・・・と思われる向きもあるかもしれないが、やはり、店頭で買うのは恥ずかしいと思う方もおられる可能性があるのと、まとめ買いをしていると意外と荷物がかさばって重いので。
(さくらはIFIの学生だったとき、マネキンのアルバイトをしていたので、ドラッグストアやアカチャンホンポさんなんかに入荷してくる紙おむつの入ったダンボールがいかに重いかよーく知っております)。
こういうリピート性の高い商品は、実は通販向きなんですよね。
売り上げ云々以前に、ご近所のお店でも、ネットからでも、どこからでもお客様が買いやすいようにして差し上げるのが、今の時代のメーカーのあるべき姿だろうと思います。
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