イオンモールの中国進出は必然!?ー中国の消費者のためになるSCをー
1月5日(土)付けの繊研新聞さんの、イオンモール・村上教行社長に対する新春インタビューの記事を見ながら、昔岡山の図書館で借りて読んだ、イオングループの創始者の一人であり、当時ジャスコの社長だった岡田卓也氏の著書『大黒柱に車をつけよー私の体験的経営論』のことを思い出していた。
「大黒柱に車をつけよ」というのは、岡田家の家訓で、店の屋台骨を支える大黒柱に車をつけていつでも動かせるようにしておけという意味である。この家訓に従って岡田氏自身も、商店街の中にあったジャスコの前身である岡田家呉服店を郊外に移転したという話を非常に鮮明に覚えている。
その後、GMSのジャスコ、DSのメガマート、ハイパーマートのマックスバリュ、そして2核タイプ、3核タイプの郊外型大型SCのイオンショッピングセンターなど、次々と郊外に新しい業態を立ち上げ、次々とフロンティアを開拓していった同社の企業DNAからすると・・・。
国内にもう、大黒柱を動かす場所がないとしたら、次は海外へ、となるのは、必然なのかもしれないという風に思う。
イオンモールさんが出店しようとしておられる北京の1号店候補地を見に行った訳ではないので、一般論しか記すことは出来ないのだが、
気になっているのは2点。
1点は、同社に限らず、最近の日系企業の中国進出ラッシュの動機は、「日本の市場がこれから縮小してしまうので」というものが多い。
それが、ホンネの部分の理由だというのは、わからなくもないのだが、それはある種の自己都合だ。あくまでも、自社の店舗、品揃え、サービスが、出店先(相手国)の消費者のためになり、彼ら・彼女らに喜んでもらえるようなものでなければ駄目だと思う。
2点目は、同社が度々業界紙などを通じて、「日本からテナントさんを大挙して連れて行く」旨、発言なさっておられることだ。
これについても、もし、日系のテナントさんの方がコミュニケーションやコントロールがしやすいと考えておられるとしたら、ちょっと安易なのではないだろうか。
日本国内のことを考えてもそうだが、地方のSCさんでうまく行っているところは、全国区のSPAやNC(ナショナル・チェーン)と、地元の元気な専門店さんの双方が入居しており、いい意味で切磋琢磨している。
北京に進出する場合も、北京の企業、上海や広州など、中国の他のエリアの企業、日本以外の外資系企業、日系企業の中から、優れたショップ、ブランドを選抜すべきだと思う。
もちろん、全て日系企業で固めた「日本城」的なSCを出して、現地の消費者の間にブームを喚起する、という可能性だって、なきにしもあらずなのだが。その場合は、現地の方々の中からショップスタッフを採用し教育するという部分までをイオンモールさんがサポートしないと、テナントさん任せではかなり難しいのではないかという気がする。
しかし、さくら的には、日本でのイオンモールさんの出店計画には、「ちょっと店舗数が多すぎるんじゃないの」と思うところもあるのだが、同社が中国に針路を取ろうとしておられることについては、その果敢なチャレンジ精神に敬意を表したいと思っている。
あくまでも現地の消費者の方々に喜ばれるお店を目指して、頑張って頂きたいですね!
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