「ポエジー(POESIE)」中章氏のインスタレーション
今日から「JAPAN FASHION WEEK in TOKYO 2008」の2008-09A/W東京コレクションが始まりましたね!
うちの会社の方にも、何人かのデザイナーの皆さんから貴重なチケットをお送り頂いております。有難うございますm(__)m
会社宛てに頂いたショーのレポートは、うちの会社のホームページの方にアップしておりますので、宜しければ是非ご覧下さい。
さて、今日は「モードアコテ」さんと、「カミシマチナミ」さんのショーを拝見した後、会社には戻らず、名簿の整理をサボって(^^;; 南青山のギャラリーロケットに行ってきた。
新進ブランド「ポエジー(POESIE)」のデザイナー、中章(なかあきら)氏のインスタレーションを見てきたのだ。
今、自宅に帰って会場のギャラリーロケットさんのWebサイトをよくよく見ると、「CHAPTER 1:The Owls Are Not What They Seem」という、タイトルらしきフレーズが記されている。
「ふくろう(賢者)のようでふくろう(賢者)ではない」という意味なのであろうか?なかなか、意味深である。
午後5時から8時まで、4名のモデルさんがガラスケースの中に寝そべってまるで死体か眠り姫のような状態になってお客様をお迎えする、という趣向だったのだが・・・。
さくら的には、現代美術の分野なんかでは、例えば飴屋法水氏の「ア ヤ ズ エキシビション~バ ング ント展」のように、アーティストが自らの生死を賭けて箱の中に何日間も入るようなインスタレーションも行われているので、そういうものと比べると中氏がやっておられることは、やはり「ファッション」というワクの中での表現行為であり、それを超える程のインパクトがあるとは正直思えなかった。
だが、それでいいと私は思うんですよね。多分、中氏は芸術家として名をなそうとは思っておらず、作品を一人でも多くの人に見てもらおうと思って展示会を開いたのだろうから。
作品をよくよく見ると、素材が非常に面白いということに皆さん気づかれる筈ですので、ここからはネタバラシはやめておきます。「ふくろうのようでふくろうでない」ではないですが、「ニットのようでニットでない、布帛のようで布帛ではない」とでも形容すれば良いのであろうか?ご関心のある方は是非ギャラリーに足をお運び下さい。
「The Owls Are Not What They Seem」というのは、なかなか意味深なフレーズで、もう1つ、女性の二面性(賢者としての女性像とは対極の、女の愚かさとか醜さ、性への執着)といった意味も込められているのかな、とまで深読みしたいところなのだが、残念ながら、洋服としてのクリエイティビティ(どのような女性に着てもらいたいかというイメージの追及と、服そのものの造形的な完成度)と、中氏が拘っておられる素材開発の部分との整合性が、まだきちんと取れていないというか、後者の方が先行しておられるのではないか、という印象を受けた。
だが、私は、今回こういう展示を一人で行った中氏の行動力を高く評価したいと思う。
私の周りにも、いろいろなクリエーターや、起業志望の方がいらっしゃるが、あれこれ考えているだけで、実行に移さない、という方がかなり多いのだ。
何もしなければ、失敗することもないし、傷つくこともないが、永遠に人から認められたり、何がしかのチャンスが巡ってくることはない。
その逆で、アクションを起こせば、いろいろなリアクション(よいものも、悪いものも)が返ってくるし、場合によっては反応そのものが少なくてへこむことがあるかもしれないが、
その反省を受けて、素早く方向性を修正することが出来る。
クリリティブな活動には、それなりに準備や制作に時間がかかるものだが、それでも、トライアンドエラーの繰り返しの回数が多いほど、成功に早く近づけるというのは、一般的なビジネス活動と同じなのではなかろうか。
中氏には、日本を主たるマーケットにして、カジュアルで勝負するのか、海外も視野に入れて、価格帯も思い切って上げてもよいからエレガンスラインで行くのかということを考えられてはどうかということと、今という時代に合った重衣料(特にスーツ)のあり方を研究すべきではないか、ということをおこがましくも申し上げたのだが、
腹を括って真剣にファッションの世界で頑張ろうと思っておられるようなので、これから十年徹底的に研鑽を積めば、皆さんに喜んでもらえるような素敵な服を作れるようになるのではないかと思います。頑張ってください(^^)/
と、オバサンっぽく、相当におこがましいおせっかいをした後は、「コム・デ・ギャルソン」でスカートを1着購入し、とりあえず明日以降着る服はゲット出来たな~とほっと安堵して家路についたのでした。
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ボヘミアンテイストたっぷりの大人ドレス。
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さくらサンこんばんわ>
私は初日に2度お伺いしました。手前2体(?)が弊社作成品です。
中君とガッツリ膝を突き合わせて作り上げました。そうしないと出来上がらないサンプルでしたから。
このインスタレーションは絶対見るべきですね。
投稿: ミズミズ | 2008年3月11日 (火) 02時39分
昨晩はお疲れ様でした。
中さんの展示会、私は最終日に伺いましたが・・・
正直、一種の興奮状態に陥りしばらく立ち尽くすぐらいの衝撃を受けました。久々に何か心に自然に入り込んでくるというか何と言うか。とにかくスゴイ!実は以前、生地を探しに弊社に中さんがいらっしゃいました。それ以来だったのですが招待状を送っていただき本当に感謝しています。彼とは同世代。本当に元気と希望をいただきました。
投稿: 莫大小 | 2008年3月13日 (木) 05時02分
ミズミズさま&莫大小さま、
このように一生懸命サポートして下さっている方が存在すること、そして、わざわざ展示会に足を運び、熱烈な感想を述べて下さった方がいらっしゃるということ、
中デザイナーは非常に幸せなのではないかと思います。
彼は既に、産地企業へのディレクションではビジネス面で実績を上げておられますので、
これからはそれと合わせて、自身のクリエーション及びビジネスのレベルアップに向けて頑張って頂きたいですね!
14日の金曜日にもお会い致しましたが、お元気そうでした。ブランドの方向性を明確にし、自身の強みと弱みを冷静に分析した上で、強みを徹底的に尖らせていけば道は開けると思います。
投稿: 両国さくら | 2008年3月17日 (月) 01時01分