「ユニクロ」5月度、既存店7.9%増ー「売りたい商品」売れるー(H20.6.4付繊研新聞他)
百貨店さんのようなプライスゾーンが高めな業態だけでなく、今まで好調だったピュアヤング、ヤング向けのロープライスカジュアルSPA辺りまで苦戦が広がっている今日この頃、
「売り上げのいい企業さんなんて日本に存在するのかな」と思ったら、ありました。ユニクロさんが!「5月の売り上げは直営店741店で前年同月比11.4%、既存店でも7.9%増だった」(H20.6.4付け繊研新聞より引用)。
私も川崎や蒲田でちょくちょくお店を拝見しているんですが、ユニクロさん、やはりコンスタントに売れていっていますからね。男性の1人客やファミリー層にとっては、「激安ではないけれどかなり安くて、こざっぱりとしていてものがいいものが揃っているお店」として、しっかり定着している。
春夏は、秋冬のジャケット類と違って、Tシャツやポロシャツのようにシルエットが決まっており、デザインの要素が少なく、目立つ副資材を使用しなくて済むアイテムを大量に打ち出せばよく、おまけに秋冬よりも単価が安いので買い易い。皆さん試着もされずにポンポンかごの中に入れていっておられます。
GMSの平場がガタガタになっている昨今、普通のおじさんおばさん親子連れの受け皿になるような競合は他にないので・・・。
ユニクロさんのように日本国民皆をオールターゲットにしているような企業ならではのやり方として、他産業の消費財同様の、存在を思い出してもらうための「刺さる」広告が、潜在意識に働きかけ、「ちょっと行ってみようかしら」「時間があるから寄ってみようかしら」という塩梅になって強力に効いてくる訳なんですよね。
それにしても、既存店の客数6%増は、凄いと思う。吹石一恵さんのブラトップのCMも、相当にインパクトがあったので、ブラトップそのものの売り上げ以上に他の商品の売り上げに貢献しているのではないか。
ユニクロさんの場合、エブリディ・ロープライス的な業態で、「セール待ち」のお客様はほとんど存在しないと推察されるので、大半のアパレル、小売業の方々が苦労なさっておられる6月も平常心で臨めるという強みがある。いやはや、今月の動向からも目が離せないですよね。
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コメント
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>皆さん試着もされずにポンポンかごの中に入れていっておられます。
サイズがもう分かっているんですよね。長袖ならばL、ポロシャツならばMという具合に。
ファッションに重きをおかない人種からすると、ユニクロは誠実な商売をしていると思います。
ポロシャツ1枚9800円とかって、詐欺じゃないかと。
投稿: ユニクロ愛用者T村K | 2008年6月 5日 (木) 17時44分
T村Kさん、ごぶさたしております。
おっしゃられるとおりなんですよね。スケールメリットが出せるので、最近は本当に価格の割に素材もよくなってきておりますし。
なんだかんだで私もよくユニクロさんで買ってしまっているんですが・・・。
規模の小さい企業さんやクリエーターの方々と沢山おつきあいしている立場から見ると、「じゃあ、ユニクロさんには出来ないこと、ユニクロさんにはない付加価値って何なんだろう」と考え込んじゃいます。嗚呼、この不景気をどうやって中小は乗り切ったらよいか、おしえてください~(最近ボヤキっぱなしです)。
投稿: 両国さくら | 2008年6月 6日 (金) 00時21分
ユニクロはIT業界のGoogleと同じかもしれないですね。業界の巨人と新興国によるディスカウントから逃れて利益を上げる方法は僕も知りたいです...
投稿: ユニクロ愛用者T村K | 2008年6月 9日 (月) 11時52分
T村さんなら、大丈夫ですよ!
御社は、技術力もマーケティング力もありますので(^^)
ユニクロさん、グーグルのような1社独占とまではいかないですが、
世界の巨大有力SPAの一角を占めていることは間違いないですね。
投稿: 両国さくら | 2008年6月 9日 (月) 22時53分