故郷のタウン誌に気づいたこと
昨日故郷の岡山から帰ってくる際に、地元のタウン誌『タウン情報おかやま』を買い求め新幹線の中で読んだ。
これは私が帰省した際に必ずやっていることの一つで(ついでにいうと、旅行した際にその土地のタウン誌を買うことも多い)、地元の最近の経済や文化の状況を把握するのと、ビジネスやマーケティングに関するヒントを得るのが目的である。
さっと30分かけて、広告も含めて(むしろ記事よりも広告からヒントを得ることも多いので)全体を斜め読みしたが、今回も面白いことにいろいろ気づいた。
1つは、田舎でローカルTVのニュースやバラエティ番組を見ながら感じたことと同じだったのだが、嬉しいことに、「食」に関する起業、2次起業がかなり増えてきているようなんですよね。
鶏卵屋さんが始めた卵を使ったお菓子屋さん、県北で酪農を営む方のジェラート・ショップ、都会から県南の島にIターンされた方のハンバーガーショップ等々、見ているとどれも美味しそうで本格的だ。今度行ってみたい、食べてみたい・・・そういう情報が沢山掲載されている。
不景気になったとはいえ、今の時代、むしろ「食」や農業、漁業などに関する関心は、健康ブームとあいまって高まってきている。都心部の百貨店であまりにも高級すぎるものに対しては少し反応が鈍り始めているという話も耳にしたりしているが、多少ならば高くても、いい原材料を使った美味しい商品、作り手の顔が見え真心のこもった接客のある飲食店へのニーズは、老若男女を問わず高いように感じましたね。
「食」、そして、それに連なる農業、漁業の分野には、きちんとしたマーケティングを行って参入すればオンリーワンになれるチャンスは満載・・・そんな風に思った。
第2は、気のせいかもしれないが、『タウン情報おかやま』さん自体が、ちょっと若返ったような印象を持ったこと。
どの地方のタウン誌さんも同様な状況だと思うが、30年前くらいに創刊されたばかりの頃は、大学生や社会人になりたての方を対象にしていた筈のものが、
そういう読者層を抱えたまま年月が経ち、読者の上の層がそのままキープされた状態になってしまっている。
ただ、それをそのままほうっておき、その人達向けの誌面にしてしまうと、新しい読者=今の学生さん達にとっては、「何かオジサン、オバサンくさい媒体」という感じになってしまう。
この辺、ファッション雑誌ほどシビアにコントロールする必要はないだろうと思うんですが、紙媒体なんで調整はできるんですよね。それは、読者からの投稿とか、誌面に登場してもらう方々を、コアターゲットに合った年齢の方のみに絞ってしまえばいいのである。
気のせいかもしれないが、昨日誌面を読ませて頂いている感じでは、その辺が30代前半以内にきっちり収まっている風に思った。もちろん、実際にお店で同誌を買って読んで下さっている方の中に、往年のファンは存在するだろうが、そういう方々が卒業していかれるリスクを負ったとしても、「若返り」の方を優先するということである。
そうすれば、年齢の高いお客様の中でも、感覚の若い方、その年齢層の中ではイノベーターやアーリーアダプター層が残っていってくれることにもつながってくる。
このやり方は、実店舗では入場制限というのは不可能で、商品構成、店づくり、ショップスタッフの年齢等で「うちはこんな方に来て頂きたいですよ」とアピールする以外にはないのだが、ネットショップさんの場合は応用できる。最近は少子高齢化の問題もあるので、実際にはターゲット年齢より高い方に買われるケースが増えてきているのだが、サイト上に登場させる読者の声などは、狙っているターゲット中心にして見せておく、ということである。
第3は、地元で15年前くらいから行われている新しい盆踊り(最近各地で流行っている、市民が「連」を作って創作盆踊りに参加し、コンテストで賞を競うタイプのもの。北海道の「よさこいソーラン」みたいな感じのものです)に、昨年から地方百貨店さんが参加されはじめておられるらしいということ。
何故、これまで不参加だったのか、その辺の理由はわからないんですが、これは凄くいいことだなと思った。
もちろん、本業の合い間を縫って結構な人数の方々が練習をしなければならないし、衣装代などコストもかかるんですが、地域の行事に積極的に参画することで、地元の方々の信頼が得られたり新たなつながりが出来ると思うので。
百貨店さんの社員さんには、エンターテイナー、活発な方が多いので、うまくするとすぐにかっこいいダンスチームに仕上がってくると思うんですよね。ヘア・メイクも1Fの化粧品売り場の方にやってもらえば綺麗に出来ますし。
まあ、考えようによっては、「セミプロみたいな集団が個人で楽しくやっている方々の中に入っていくのはいかがなものか」という意見もあったりするのかもしれないが、異業種の企業さんも最近は沢山ご参加なさっておられるようなので、是非がんばって続けて頂き、地元を盛り上げていって頂きたいなと思います{と、地元を出た人間が申し上げるのは、非常におこがましい話だと思うのだが・・・m(__)m }。
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