三越、不採算店6店閉鎖は、「衝撃」なのか?(H20.9.26Fujisankei Business i他)
(本論に入る前に、お詫びです。昨日のエントリの文中、アラン・ミクリ氏のご子息であるジェレミー・ミクリタリアン氏に対して、「蛙の子は蛙」という表現を用いましたが、通常、「凡人の子は凡人」の意味で使用することわざですので、このくだりは削除させて頂きます。
渋谷の眼鏡店さん「メビウス&クラインの無限大ブログ」様、ご指摘ありがとうございました)。
さて、悪い話は週明け会社が始まるより前になるべく書き終えておく、といういつものゲンかつぎで、先週一番気になったこちらのニュースについても少しだけ触れておくことにしたい。
◆三越、不採算店6店舗閉鎖 来年5月まで 主力店に経営資源集中(H20.9.26FujiSankei Business i他)
この6店舗のうち、古くから存在する前述した鹿児島店、池袋店と、鎌倉、盛岡の小型店2店舗は別として、2006年11月オープンの武蔵村山店、2007年2月オープンの名取店については、業界内でも百貨店ビジネスが成り立つ商圏かどうかが疑問視されていた案件だ。
この2件とも、イオンモールさん(旧ダイヤモンドシティさん)の郊外型大型SCの核テナントの1つとして出店したものだったんですけどね。
想像だが、恐らく出店が行われていた時点では水面下ではイオンさんによる三越さんの合併ぶくみ、もしくはそれを期待しての三越さん側のアクションということで、半ばこの結果はわかった上での出店だったのだと思うが。
ただ、伊勢丹さんと合併してしまった今では、売り上げ的に全く採算ベースに乗らず、将来性もないこの2店舗は、無用の長物だ(ご参考までに、地方支局の記者さんが書いたと思われる毎日.jpの「三越:名取店閉店へ」の記事をご覧頂きたい)。
そういう意味では、今回のニュースは、衝撃的なものでも何でもなく、経営陣にとっては「予定通りのリストラ」ということになるのであろう。
しかし、世間の多くの一般の方々は、「この不景気な時代に、価格の高い百貨店の売り場面積はこんなに沢山必要なのか? 自分とは無縁な存在だ」と感じておられるのではないかという気がする。もちろん、そうでない客層も存在するので、そこに向けたMDがきっちり組めている店舗は良いと思うのだが、それ以外のところで、お任せ売り場的な売り場面積がいかにも多すぎる、というのが、実情ではなかろうか。
今回のニュースは、内部の幹部の方々にとっては「予定通りのリストラ」であったのかもしれないが、世間はそうは見ないだろう。「やっぱり、百貨店さんは厳しいのね」と見るだろうし、最近の売り上げ統計を見てもマクロ的には事実そうなっている。
こういうニュースを見ていると、かつてお世話になった百貨店業界の方々や、百貨店にお勤めの友人知人の顔が浮かんで、非常に胸が痛くなるのだが・・・。
自分が個人事業主ならともかく、サラリーマンが会社の大局的な流れに逆らうのは残念ながら非常に難しい場合が多いと思う。
家族全体で「金銭面のリスクヘッジ」、そして、「生きがいのリスクヘッジ」(本業以外の週末起業や、家族や友達とのコミュニケーション、スポーツ、趣味、生涯学習、地域活動、ボランティアなど)を考えておくことは、これからの時代非常に重要になってくるような気が致しますね。
« アラン・ミクリ氏の息子、ジェレミー・ミクリタリアン氏がライバル会社「ic!ベルリン」から鮮烈なデビュー | トップページ | 続・眼鏡談義 »
この記事へのコメントは終了しました。
« アラン・ミクリ氏の息子、ジェレミー・ミクリタリアン氏がライバル会社「ic!ベルリン」から鮮烈なデビュー | トップページ | 続・眼鏡談義 »
コメント