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2008年10月 6日 (月)

しまむら、上場来初の減収(上期単独)ー安売り徹底に回帰ー(H20.10.6日経MJ)

今日10月6日(月)の日経MJさんの6面の記事の中で、ホームセンターのニトリさんが360品目を追加値下げするという記事と並んで目を惹いたのが、しまむらさんに関する大きな記事だった。

しまむらさんの苦戦は、最近のユニクロさんの絶好調ぶりと好対照を成している。9月の売上高も、しまむらさんが既存店ベースで98.7%、全店ベースで103.3%となっているのに対し、ユニクロさんの方は既存店ベースで120.8%という大幅な伸びを見せている。

この違い・・・私が岡山に居た頃、よく自転車で岡山市郊外のしまむらさんを見にいっていた頃のことを思い出しながら想像するに、

しまむらさんの店舗は、いわゆる田舎、地方の郊外で展開されており、そこでお買い物なさっておられるお客様は、ガソリン代が非常に高くなって、今、本当に生活が非常に厳しくなってきているんだろうなと。

それに対して、ユニクロさんの場合は、そういう地方店もあるが、都市型の大型店も数多く有する。今の私の自宅(蒲田)近辺の店舗を見ても、「この人達、本当のところ、そこまで生活が苦しくなっておられるんだろうか」という客層がかなり多い。そもそもお車での来店でもないし、皆さんが着用なさっておられるものも、それなりにお洒落だ。

(この辺、都会はサラリーマンや働く主婦が多く、通勤も電車なので、それなりにこぎれいな格好をしなければならない、という社会的な制約があるから服装が多少こぎれいになっているだけで、田舎は田んぼや畑を持っていて、作業着でそのまま車通勤も可能で、労働時間全体に対する効率や食の自給率を考えたら本当はどちらの生活が豊かか・・・といった議論は置いておいて、

あくまでも「衣」に関する消費支出に関する水準でのみ「貧しさ」「豊かさ」を判断するものとする)。

「生活防衛」ブームは本来はそこまでする必要がない人にまで、何となく買い物は罪悪かしらん、という「気分」を植えつける。そういう「気分」を植えつけられた人達の受け皿として、ユニクロさんはきっちりと広告宣伝と品揃えを行い、中間層や富裕層まで幅広く取り込むことに成功しているから、売り上げが大きく伸びているのだと思う。

その点、立地やストアコンセプト的にも「衣」に対する消費支出の水準が「上」の客層の取り込みはそもそも難しいしまむらさんの場合は、やはり、生活が苦しいと感じておられる本来のお客様に喜んで買って頂ける施策をとらざるを得ないだろう。

だから、同社の売り上げ回復のための手立てが、「販促」は新聞折り込みのチラシの再強化、低価格品の強化、PB比率のアップ、レジでの値引きの復活、という風になるのも、自然な話だ。

しまむらさんの場合は、取引先に協力を要請する力があり、値下げに耐えられるだけの体力のある企業さんだから、こういう施策をとっても問題はないのだろう。こういう厳しい経済環境下にある時は、自社のターゲットであるお客様をしっかりと見据えて、お客様が欲しいと思う商品、これなら買える、買いたいと思うプライスラインを何度も何度もわかりやすくアピールしていくことが大切なのではないかという気がする。

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