「さくらさんの合同展レポートがものすごく楽しみなので、絶対に書いて下さい!!」と何人もの方に言われるので・・・。
大残業でヘロヘロ気味なのだが、今日拝見した展示会「アンビアンス」と「プラグイン」の印象をちょこっとだけ。
「アンビアンス」さんは、元々新進クリエーターを世に出そうという趣旨の展示会なのだが、数シーズン前からフランスのワークショップさんとの相互交流の取り組みも始まり、
一時期国際化の印象がかなり強まってきたが、最近また落ち着いた雰囲気を取り戻したように感じる。
規模が大きすぎる展示会と違って、個々のブースの商品をゆっくり見られるのがいいんですよね。
この展示会、毎回、ずば抜けて凄いな、という逸材を輩出しておられるので、やはり見逃せない。
今回、さくらイチ押しのクリエーターさんは、帽子ブランド「サワ ヴォーターズ(SAWA VAUGHTERS)」のヴォーターズ・サワさん。パッと商品が目に入った瞬間に、そのかっこよさにひとめ惚れ。すぐに、「欲し~い」、ここが売り場なら即買いだと強く思いました。
ご経歴を伺うと、文化服装学院卒業後に、渡英し、スティーブン・ジョーンズ氏に師事なさっておられたとのこと。成程、納得、である。
黒くてツノがツンツンと沢山生えたような帽子や、ヘッドドレスの一群は5万円台である一方、ニット帽の13,000円などの量産品もある。
確かにこの方のお帽子は、プライスは相当に高い部類に入るんですが、3個買うところを1個に我慢してでも買いたくさせるだけの魅力がありました。「リカー、ウーマンアンドティアーズ」などに入っているという今シーズンの商品写真も見せて頂いたのだが、独特の毒とユーモア、濃い世界観、ひとひねりもふたひねりも効いた色気と艶が展開されている。
女性のクリエーターさんなのに、メンズも凄くいいんですよね。「トレンドは、見ません」とおっしゃっておられたが、このクラスのハイレベルな感性の方は、それが正解ですよ。
帽子、先日書いたように確かに以前に比べ競争は厳しくなっていると思うんですが、既存のクリエーターさん達を上回る圧倒的な力があり、トップゾーンを攻められる方なら、売り場には入れるという良いお手本だと思います。
デザインの引き出しも非常に豊富なようにお見受けしたし、生産背景も整ったということなので、これから益々ガンガン飛ばしていかれることを期待致しております。頑張ってください。
それから、シンガポールからご出展なさっておられた「ハンセル(hansel)」のビクトリア・レイ(Victoria Bay)さん。既にシンガポールとオーストラリアではコレクションに参画、現地では人気の出ているブランドだとのこと。
彼女のブランドが日本で売れるかどうかは別として、確かにあの暑い国で涼しげにキュートにちょっと色っぽくうまく肌見せしたお洋服のニーズはあるだろう、という気がした。
日本と違い、移民を入れそれでも国内に問題は起きずインターナショナルな国としてのポジションを上げつつあるシンガポール。こういう、将来性のある国出身というだけで、成熟しきった国にいるよりは遥かに成功できる可能性は高いだろう。
「私は今年シンガポールに行ったんですよ」という話をすると、非常に喜んで下さいました。ビクトリアさんには、「私はシンガポールで小売店を沢山見てとても良い刺激を受けて帰りました。ビクトリアさんも、日本でいろいろなものを見たりいろいろなところへ行って、感性を高めて帰って下さい。アジアの中心は、南へとシフトしているから、頑張って!」という風に激励しました。
今回は、うちの地元の企業さんが1社、アンビアンスに初出展された(おめでとうございます)。それ以外にも、前々から存じ上げているクリエーターの方々も沢山いらっしゃったので、四方山話をしながら楽しく拝見致しました。
さて、一方の「プラグイン」。
雑貨主体の「プラグインーアクセスー」が「プラグイン」から分離して2回目。今回は、前回に比べてメンズがぐっと増えましたね。半分までは行かないが、それに近い印象を受けた。
こういう厳しいご時世だが、メンズマーケットの中でセレクトショップというのは、確立された一つの固まりなので、あちこちにお客様が流れていくレディスよりはまだまし、ということなのだろうか。
会場で、細川毛織さんの「細川」の企画をご担当しておられる(株)クレフェストのデザイナー・佐藤正剛さんにお会いした。前にお名前を伏せてこのブログでも何度かご紹介させて頂いたことがあるが、佐藤さんは大手アパレルの有力ブランドを手掛けられたご経験を持つ非常に優秀な方だ。
今回は、「スーパーカンパニー(SUPERCO)」というブランドを引っさげての登場。
このブランド、ロサンゼルス発で、日米両国でグローバルに展開していかれるとのことだが、イメージビジュアルが非常にカッコイイ。
ブランドのアイコンが、ハーレーダビットソンをカスタムメイドしている男性、ということで、ブランドの服を身にまとった男達が、ハーレーを取り巻きながらさりげなく写っているという感じなんですが・・・。
モデルっぽいモデルさんだけでなく、たくましい大人の男、といった風情の男性の立ち姿が、本当に決まってます!
という感じで、バッファローチェックのジャケットとか、Tシャツなんかにしても、こだわりのあるものではあるのだが、シルエットはナチュラルな感じで、大人には着やすいカジュアルだと思った。メキシカンハットを被ったスカルのリングは、ダイヤがキラキラと散りばめられていて、これまた大人向けのスカルです。
佐藤さん曰く、「じっくり売っていきたい」とのこと。いいブランドなので、大切に育てていって欲しいものですね(^^)
佐藤さんのお知り合い、島田芳直さんの「チェリーサンバースト(Cherry Sunburst)」も、非常に世界観がはっきりしているメンズの大人服だった。
ブランドネームの下に記されている「マイ スタンダード」のひと言が、全てを体現している・・・そんな風に感じました。シルエットやスタイルは完成されていて、全くブレがないなと。
目を惹いたのは、0番手の太いステッチをかけたワークパンツ。他にも、和紙95%、ナイロン5%の白のスリーピースや、ナイロンタフタにパンチングを施した黒のライダースジャケットなど、
ブレのないシルエット、スタイルの中に、新しい素材や製法の中でいいものを積極的に取り入れて行こうとなさっておられるのが、通好みのプロのお仕事だなぁ、と。商品を手に取って、あれこれ試着するのが、これは本当に楽しいだろうなぁと。
「チェリーサンバースト」さんは7シーズン目だそうで、既に個展できっちりご商売も出来ておられるとのことだが、こういう方が時々は合同展に参画されるというのは、非常に良いことだと私は思う。チェリー(さくら)つながりで、応援しております!
実は、「プラグイン」の方にも、弊社の講座の講師を務めて下さったある講師の方のブランドさんとか、うちの会社主催のカットソーの合同展にお越し頂き、地元の企業さんにかなりご発注下さっているクリエーターさんとか、産地の企業さん(最近、こういう方々のブランド立ち上げが増えてきましたね!良いことです)等々、お世話になっている皆さんが相当に沢山いらっしゃったので・・・。
感謝・感謝で、ご挨拶しまくり。最後に、主催者のYさんにご挨拶をして、まだ仕事が残っている両国に大汗をかきながら帰って行ったのでした。
最近のコメント