勝間和代さんの本が面白い
20日の土曜日から今日までの間に、経済評論家でかつ公認会計士である勝間和代さんの本を3冊(『効率が10倍アップする新・知的生産術ー自分をグーグル化する方法ー』『読書進化論ー人はウェブで変わるのか、本はウェブに負けたのかー』『起きていることはすべて正しいー運を戦略的につかむ勝間式4つの技術ー』を一気読みしてしまった。
実は、仕事もてんこ盛りになっているというのに、他の本も読んでおりまして(笑)、お正月休みに読む筈だった本がなくなってしまったので、別の本を買いに本屋さんに走っていった。勝間さんがおっしゃっておられる通り、原書とか外国語のオーディオブックとか、ハードカバーの読み応えのある本をもっと読まなきゃ駄目だってことですよね。
この方の本は、最近どこの本屋さんにいっても大量に売れているようだったので関心はあったのだが、実際に読んでみて非常に感動致しました。まさに、努力の人。そして、その努力を確実に成功につなげておられる。本当に素晴らしいと思います。
三毒追放(妬まない、怒らない、愚痴らない)とアサーティブ。この2点だけでも実行出来れば、人生は非常に明るい方に開けてくるのではなかろうか。私はかなり怒りっぽい方だが、単なる心の持ちようということに留まらず、無意識に働きかけて怒りを沈める方法、怒りを合理的に避ける方法についてこの本を読んで初めて考えてみた。そういう風に考えて行動すれば怒らずに済みそうと思え、とても元気が湧いてきました(^^)
勝間さんの本はどの本も10万部以上のベストセラーになっておられるようだ。彼女は、まさに、出版業界にとっては救世主的な存在なのではないかと私は感じる。
いわゆる「自己啓発本」や「仕事術系」の本と、より硬派でコアな専門書との間をつなぐブリッジ的な存在だ。正直、私自身も自己啓発系の本は立ち読みで十分と思っていた方だが、勝間さんの書籍からは、「次はこれを読もう、あれを読もう」という風な視点の広がりを得られるし、ひとつひとつの提言が具体的に実行できるよう技術レベルに落とし込まれているものでとてもためになる。
恐らく、カツマーと呼ばれる彼女の読者達の中から、優秀な仕事人だけでなく、将来の優良な書き手も育つに違いない。
さて、この勝間さん流を、ファッション業界人が取り入れるとしたら、どうなるんでしょうね。
『起きていることはすべて正しい』を読んで「面白いなぁ」と思ったのは、「アクセサリー類を1つのブランドに統一しておくとコーディネートしやすい」と書かれてあったこと!もう、目から鱗というか、業界の人は絶対に考えつかないというか、そういうスタイルは考えられないという人ばかりだと思うのだが、これが「絞り込み」「捨てる」ということなんですよね。
わが業界は、特に現場レベルでは総じて右脳型のタイプが多く、若くして成功しなければ大器晩成というパターンはあまりない、という特徴を有する。ここに勝間さん的な切り口を持ち込んだのが、うちのテナントさんであるIFI(財団法人ファッション産業人材育成機構)さんだ。
IFIさんの功績もあって、大手企業、中堅企業以上でマネジメントレベルの方の間では勝間さん的なものの考え方、行動はかなり浸透してきているのではないかと思うのだが・・・。
中小企業、個人事業主の方々、販売の現場で働くショップスタッフさん達にも、自分の強みを知り、そこに徹底してフォーカスしてそれを伸ばし、楽しく生き生きと生きる、ということを知って頂きたいなぁと私は思う。
感性を高め、感性をよりよく商品という形に表現したり、よりよいサービスに結実するにはどうしたらよいか、そのための具体的な教育やトレーニング方法、チーム作りの方法をもっともっと研究する必要があるのではないかという気がするのだ。
それから、そういう頑張りが、売り上げ、利益、そして収入という形で確実に返ってくる仕組みを確立すること。
さらには、トレンドの移り代わりが激しく、参入障壁が低く、「若い方が有利」な面が多いというわが業界でこそ、第2、第3の人生への転換がスムーズに進められるように、「バーサタイイスト」(根幹となる能力に依存しながら、1つの仕事だけでなく、いろいろな能力を深く広くこなせるよう、自分を磨いておくことがウェブ時代に求められるようになってきている=『起きていることはすべて正しい』P346より引用)として自分を鍛えておく必要性が高いように私は思う。
この本に書いてあることをそのまま真似、というのは、パソコンに向かう時間よりは売り場や工場で現場に立つ時間の長い職種の人には、正直難しいと思うんですよね。
でも、勝間さんがおっしゃられるところの「3種の神器」(デジカメ、ICレコーダー、メモ帳)に関しては、このブログやもう1つのブログで何度もご紹介してきたように、私はケータイ1本(というか、正確にいうと所有は3台ですが・・・笑)を持ち歩いて、「1種の神器」で売り場や商業施設で昔から似たようなことを実行してきております。
ITリテラシーがどう考えても低い、パソコンがあまり好きでなかった人間ですが、携帯電話だけにフォーカスしているうちに、ぼちぼちパソコンも使えるようになってきてだんだん人並みになって参りました。ケータイが存分に使いこなせる人は、お父さんやお母さんにパソコンを買ってもらえない環境にあるとしても、心配しなくても将来自分がその気になれば十分自分を“グーグル化”できると、私は思っています。
自転車を買うお金がなければ、ウォークアンドランでもいいし、やり方はいろいろあると思います。今、自分にお金があまりなくても、悲観せずにがんばろう!
自分の場合は、まず勝間さんほど徹底する、というのは不可能だと思っているんですが、出来るところからぼちぼちやる、それだけでもかなり人生は変えられるというか、今までよりは楽しく、生き生きと働いたり、プライベートを楽しくできそうだなぁ、という風に思って、読ませて頂きました。
![]() | ![]() | 効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
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![]() | ![]() | 読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) (小学館101新書)
著者:勝間 和代 |
![]() | ![]() | 起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術
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勝間さんの書籍を拝見すると、どうも生き急いでおられる様な印象をうけてしまいます。
特にこと物作りに携わる世界においては危険な要素も孕んでいる様に思えてなりません。
基本的には肯定的なんですけどね。
投稿: JUn | 2008年12月24日 (水) 04時31分
JUnさま、こんにちは!いつもありがとうございます。
おっしゃられるとおり、勝間さんがこれまでご経験してこられた職場が、外資系のコンサルタント、トレーダー、アナリストという、優秀な人ばかりが集まっており非常に競争が熾烈なところばかりだった、ということが、彼女のビジネスに対するスタンスを決定づけているように思います。
通常の仕事では、ここまでの厳しさは必要はないかもしれませんね。
しかし、また日を改めて書くつもりですが、彼女のようなタイプの女性達は、ファッション業界の新しい上顧客として非常に有望なので、そういった観点から著作を読むと、また違った見方・感じ方が出来るかもしれないですよね。
ではでは、JUnさま、よいクリスマス&お正月をお迎えください!
投稿: 両国さくら | 2008年12月25日 (木) 00時08分
優秀で鮮烈な競争に小さい頃からさらされている方々は
おおむねセンスや好みなどを確立する時間がないまま
社会に放り出されるため
ファッションや趣味の世界では素直で
無垢な子供のようだったりします
変なセンスを身につける前に
教育(洗脳?)することができる
可能性のあるヒトたちだと思います
また、本人たちは非常に努力家なので
良い情報、よいセンスを教えれば教えるほど
それを素直に実践してくれたりします
優秀でそれなりの地位を築いている女性は
それだけでよい顧客になる可能性が高いです
むしろ、ファッションやセンスを吹聴する側が
対抗できるだけの度胸やら優秀さを
持ち合わせているか、心配になるのですが…
投稿: sayokomatta | 2008年12月25日 (木) 22時53分
sayokomattaさま、はじめまして。
鋭い分析、ありがとうございます。
最後の3行、非常に考えさせられました。
たぶん、同じ土俵(頭の良さとか)では勝負にならないし、そもそもお客様と勝負しても仕方がないので、
やはり、餅は餅屋、ファッションという専門分野で愚直に努力している姿勢をお客様に評価して頂くしかないですよね。
あと幾つか、気を配るべきポイントがあるように思いますが、お正月休みの間に少し考えてから、また書かせて頂きます。
以上、ありがとうございましたm(__)m
投稿: 両国さくら | 2008年12月27日 (土) 00時39分