丸井今井、再生法申請へ 消費低迷で業績悪化(H21.1.29北海道新聞他)
地方百貨店の丸井今井さんが、とうとう民事再生法の適用を申請されました。
確かに百貨店という業態は価格帯が高いため、不況時には弱いんですが、経営の悪化というのは、一気に訪れるのではなく、何年も前からの伏線があります。
経営陣が、毎年の決算及び経営計画を立案する際に、自社の財務上の問題点を直視し、手を打ってきたか否かが、「徐々に寿命を縮めて行くか否か」の差になってくるように思うのです。
当方のような者が偉そうに申し上げることではないかと思いますが、地方百貨店さんは、長年地域に根を張って商売をなさっておられるため、地方銀行さんや地方紙、地方TV局などの地元メディア、地元の政財界にちやほやされるため、「財務的に多少甘い点があっても、何とかしてもらえる」という甘えの感情があるように思います。
郊外型SCや駅ビル、コンビニ、ネット通販、ケータイ通販など、時代性に合った新しい業態が誕生し、お客様をしっかり見据えてお客様のニーズとウォンツに応えて売り上げを伸ばしているのに、MDもサービスのあり方も、旧態然としていると思いますし。
また、札幌の場合もそうでしたが、同業の百貨店同士でも、売り場面積が増えオーバーストアの状態で競争が激化しているというのに、場所貸し業にいそしんでいるようでは、生き残りは覚束ないのではないでしょうか。
先日、WWDジャパンさんに、ユナイテッド・アローズの岩城社長が毎週日曜日に店頭に立って接客をなさっておられるという記事が掲載されていましたが、
今の百貨店さんに欠落しているのは、真剣になってお客様のライフスタイルを見つめ、リテイルMDと集客に専心する姿勢であるように私は感じております(生意気申し上げてすみません)。
地方百貨店は地域の歴史と文化の担い手であり、都会の香りや新しい情報に触れられる場、コミュニケーションの核としてなくてはならない存在だと私は思います。地方百貨店を心から愛する者の1人として、他社さんには何とか踏ん張って頂きたいと心から思います。
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コメント
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■丸井今井、民事再生法の適用申請へ 北海道の地場百貨店-時代の変化に追いつけなかったか?
こんにちは。丸井今井子供の頃どころか、曽祖父、曾祖母の頃からの老舗で、残念なことです。私は札幌出身ですが、現在は函館に住んでいますので、札幌と函館の両方の店に行ったことがあります。その経験上からいうと、やはり時代の変化に大きく遅れをとってしまったということです。特に函館の場合は、食料品売り場が、いわゆるデパ地下ではありません。函館の湯川生協よりも、品揃えが劣る状況です。札幌の場合は、もっとなんらかの特徴を打ち出すべきでしたが、中途半端でした。思い切って食料品中心とするとか、ファッションでも北国ファッションを発信するような大胆な試みが欲しかったです。とにかくいまとなっては、中途半端な百貨店という感じです。民事再生法の適用を受けるそうですが、何とか存続して新しいものに生まれ変わって欲しいです。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2009年1月30日 (金) 11時17分
yutakarlsonさま、初めまして。
書き込みありがとうございました。
函館在住のyutakarlsonさまのご指摘、おっしゃられるとおりで、的を射ているように思います。
昔からの丸井今井さんのファンが北海道には沢山いらっしゃるでしょうし、伊勢丹さんの支援は継続されるようですので、地元の皆様の思いに応えるべく、経営陣や社員の皆様には是非とも奮起して頂きたいものですね。
以上、よろしくお願い申し上げます。
投稿: 両国さくら | 2009年1月31日 (土) 00時40分