野田琺瑯のゆるくて長いブーム
19日木曜日の夜、大残業に備えて、近所のお弁当屋さん「よっくもっく」(注:IFIマスターコースの昔の卒業生の皆さん、懐かしいでしょ〜。「よっくもっく」さんは、今は学校の向かいではなく、蔵前橋通りに移転しておりますが、健在ですよ)で買ってきたハンバーグカレーにぱくつきながら、新聞の折り込み広告の「圧力なべ」の広告に見入りつつ考えていたこと。
「100年に1度の大不況」が喧噪され始めてから、「食生活は手作りで節約を」という一大ブームが巻き起こっていて、書店ではお弁当本や料理本のコーナーが拡大され、東急ハンズやインテリア・ライフスタイルショップではお弁当箱の品揃えが強化され、女子はおろかヤング男子の皆さんまでお料理にいそしんでおられるようで、
そうなると次は、よりよい調理器具を求める動きが出てくる、というのは、至極当然の流れだろう。
昨今の料理ブームには、もう1つ、「健康志向」と「エコ・オーガニックブーム」の流れもあって、私が見ていた「圧力なべ」の広告も、「玄米ご飯が簡単に炊ける」ということを大きなセールスポイントにしておられるようであった。
そういうご時勢なので、昔に比べて、ファッション系の雑誌にも、食器とか調理器具の情報が掲載されることが以前に比べてぐんと増えている。
さっき、このブログを書く前にぼんやり眺めていた『ファッジ(FUDGE)』の3月号にも、「メイド・イン・ジャパンの実力」という特集記事に、野田琺瑯さんのボトルが、うちの地元の松徳硝子さんとか、白山陶器さんなどと一緒に取り上げられていた。
いつも書いているように、私は服と本以外にはお金をかけない(というか、かけられない)、つましい生活を送っているので、もちろん野田琺瑯の調理器具を買い集めるようなお洒落なキッチンを持っている訳ではないが、それでも何となく、ネット上では随分前から野田琺瑯さんのブームが来ているらしいというのは感じていて、
ひょっとしたらその火付け役は「アンジェ」さん辺りだったのかもしれないが、ブログの初期ブームが起こりつつあった2004年頃には、野田琺瑯の白いケトルとか、ぬか漬け用の底が深いタッパーなんかが、話題になっていたようなぼんやりとした記憶がある(今検索をかけてみたら、やはりそうでしたね)。
ファッション商品と違って、食住の分野では、明らかにヤングよりは主婦、それも、「センスの良い暮らし」ということになると、20代後半から30代の若い主婦の中からトレンドが生まれる傾向が強い。
そして、先にネットからじわじわとブームが広がって、それがヤングやシングル30代向けの雑誌に逆に広がってくる、という動きが出てきていることに、注目したいと思う。
「ブーム」と書いたが、それは一過性のものではなく、長い歴史を経ても変わらぬ良さを持つ良品佳品が再発見されているといった感があり、足が長いものだ。
野田琺瑯さんに関しても、デザインの良さだけでなく、「タッパーをそのまま火にかけられる」「ぬか漬けのにおいが移らない」といった機能面の優位性があり、これからもゆるくて長いロングセラーを続けていかれるのではないかと私は思っているんですけどね。
私が今注目しているのが、食住に関するトレンド発信が、団塊ジュニアという「人口の多い層」のクチコミパワーによるもので、この層が今後ネット上でも影響力の強さをキープしていくのか、それとも、下の世代が適齢期に入ってくると、攻守交代していくのか、ということである。
特に、「ギャルと食文化」というテーマに、さくら的には強い興味があるんですよね。皆さん、情報をお持ちでしたら、ぜひぜひ教えてください!
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