【書評】久米信行著「がんばっているのに認められない人のための『認められる!』技術」
(今夜2本目のエントリです)。
若者応援本の著者としてすっかり著名になられた(といっても、この方の場合は以前からインターネットの世界では超有名人でいらっしゃるんですが)、
久米繊維工業(株)代表取締役社長・久米信行氏の新刊「がんばっているのに報われない人のための『認められる!』技術」を読んだ。
この本のメイン・ターゲットは、「これからの人」なんだけど、実は、私のように、もう人生折り返し地点を過ぎてしまった人が読むと、きっともっと味わい深い。
それは、今となっては取り返しのつかない、自分の怠惰な過去への後悔の念と、「そういえば、あの時も、この時も、自分の努力は『上』の人に認められなかったな〜」という若干の恨み節がないまぜとなって、「だからこそ、『これからの人』をもっと引き上げてあげなくちゃ」という強い思いがふつふつと沸いてくるだろうから、である。
この本を読んで感心させられたことが2点ある。
1点は、大企業や官公庁など、大きな組織の中にある保守的な体質、抵抗勢力の存在が、非常にリアルに描かれていたくだりだ。
私自身は学校を出てから小さな会社にしか勤務したことがないが、仕事柄、大企業、官公庁との関わりが多く、この辺の内容は実感として非常によく理解できた。
久米社長の主張は、最近よくありがちな、「会社には依存しないぜ。自己啓発本をしっかり読んでサバイバルしようぜ〜」といった、単純に自分の所属する組織を否定して外の世界で自己実現しようといったものではない。現実をあるがままに見つめ、そこから逃げるのではなく、自分も相手も生かすための知恵と行動を授けてくれるものである。
「『お好みの書式』にするだけで『企画が通りやすくなる』のですから『お安い御用』なのかもしれません」(P62より引用)という行は、本当に目から鱗というか、衝撃的だった。「こういう風に考えれば気持ちが明るく前向きになるんだな」と。
もう1点は、久米社長が「オタク」的な人材に対して、非常に肯定的であるということ!
「21世紀型社会では、『人とは違い、人よりも深い好みを楽しむ姿勢』が重要」(P162より引用)という表現もあったが、これは、ネット時代がどういう時代か、ネットマーケティングで成功しやすい人材はどういう人材かということを肌で感じて知っておられる社長ならではの見方で、鋭く本質を突いているように思う。
なので、内気なオタクの皆様、ぜひぜひこの本を読んで、ちょっぴり自信をつけて前に進みましょう!さらりと読めるんですが、実はかなり中身が濃い本で、おすすめです。
![]() | ![]() | がんばっているのに報われない人のための 「認められる!」技術
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