「ボブソン」ブランド譲渡に思う、ジーンズ・ビジネスの構造変化
昨日8月8日(土)付けのネットニュースや繊研新聞さんなどに掲載されていた、岡山のジーンズメーカー・ボブソンさんが、「ボブソン」ブランドなどを投資会社のマイルストーンターンアラウンドマネジメントに譲渡したという記事を読んで、
改めてジーンズ業界のビジネスの構造がこの5年から7,8年くらいの間に激変したのだということを痛感しました。
この間、変わったことはいろいろあって、
1.販路の変化・・・卸型(メーカー→ジーンズ専門店)から、SPA型へ
2.価格の変化・・・プレミアム・ジーンズの下に7,900円のNB(ナショナル・ブランド)という構造から、中心がユニクロの価格(3,900円)にシフト、その下に古着という構造へ
3.消費者の意識の変化・・・ブランドへの憧れ感がなくなり、買い易い価格帯で自分に合ったシルエットや色落ち感のある商品を求めるように
4.消費者の体型の変化・・・ヤングでは、まず女性が「マウジー」などマルキュー系のスキニーなシルエットに飛びつき、メンズも体型の細い男性が増え、リーバイスの501タイプよりはユニクロのスキニーにシフト。
ただ、SPA、低価格志向へというメインストリームの流れの中にあっても、今週号のWWDジャパンさんの特集にも記されていた通り、
「AG(アドリアーノ・ゴールドシュミット)」のような、こだわりと他社商品とのクオリティの違いがはっきりわかるブランドとか、トータルのブランディングの力と直営店戦略で急伸した「ディーゼル」、90年代初頭のジャパニーズ・デニム・ブームの頃から、量的拡大を追求せず、愚直なまでにブランドのスタイルを守り抜いている「フルカウント」など、
プライスが高いゾーンでも健闘しているブランドさんはございますよね。
その他にも、詳細を記すのは差し控えさせて頂きますが、隙間を縫った細かい仕掛けは、あちこちでなされているようです。
私が最近注目しているのは、お洒落な子(特に女子)は、最近は「マウジー」のような新品のスキニーよりも、古着を着用しているケースが多いこと。今日も、80年代に流行ったブリーチデニムを、ぼろぼろに穴があくまで履き込んで(or自分でカットして穴をあけて)、黒のナイキのスニーカーと、半袖のロックTシャツ、それにネックレスや指輪を沢山重ね付けしているかっこいい女の子を1人見かけましたが・・・。
メーカーや小売業の方々が思っている以上に進化しているお客様の意識と気分と商品選択眼に応えるようなブランディング、商品企画、売り場作りが求められているように感じます。
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