消費行動の変化に逆行するリアル店舗の早期セール
ここに来て、ファッション業界関係者の皆様からの、「天候不順で衣料品のセール残品の消化も、秋色夏素材のプロパー品の消化も、なかなか進まない」という嘆きの声をあちこちで耳にするようになりました。
ホント、アパレル業界は景気だけでなく、天気に左右されやすい商売なんですが、
今年の場合は、売り上げ不振の伏線として、6月から早期セールが乱発されたということもあるように思います。
今の時期になるともう、どんなに安くしようが消費者が安売りに飽きられてしまっているんですよね。
実は、最近の消費者、特に若い方は、ファッション商品を先買いするのではなく、実需期とか、それこそ「明日着たい」くらいの直前になってやっと買う、という傾向が強まっているように思います。
今、楽天市場さんの「ランキング市場」のページを見ると、第3位に「水着」がランクインしているのがわかりますが、
さらに、ネット通販をやっておられる方はよくご存知だと思いますが、実店舗がもう商品を引っ込めようか、と思うような時期になっても、まだ需要のしっぽはそれなりに残る(例えば、9月にTシャツがそこそこ売れる)というような動き方をしています。
実店舗で、特にファッション性の高いお店さんの場合は、いつまでも店頭でしっぽを引きずる=前シーズンの商品を置いておくというのは難しいかと思いますが、
セールをあまりも早くから行う、というのは、やはり、お客様の消費行動の変化に逆行する行動だろうなと。
今日の繊研新聞さんに、阪急百貨店さんの梅田本店で、この春夏シーズン「アレキサンダーワン」の正価販売率が90%を超えたという記事が掲載されていましたが、
消化率が同じ9割と言っても、
プロパーのみで90%というのと、例えば、プロパー55%、3割引き20%、5割引き15%というのでは、取れる粗利の額は全く変わってきますよね。
来年の今頃は景気動向も現状とは変化していると思いますし、6月はプレフォール向け商品で稼ぐということも含めて、プロパーで次のトレンドなり自社ならではの提案型商品をしっかり見せて売って行くことが大切なのではなかろうかという気が致します。
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