出羽海部屋「朝稽古」見学会
墨田区界隈のSNS観光ガイド「下町めぐり.jp」さん(運営:三浦印刷様)が主催された
出羽海部屋さんの朝稽古見学会に参加して参りました。
大相撲、というと、子供の頃(北の湖関とか輪島関の時代ですね、ハイ)は結構真剣にTVで見ていたんですが、
大人になってからは、それなりに話題についていけていたのは、若貴兄弟が現役の頃くらいまでで、
最近はとんとご無沙汰しておりました。
でも、今回の見学会に参加するに当たって、ネットで出羽海部屋さんのことを検索していて、「おお、そういえばそうだったんだ!」と、次から次へと非常に沢山のことを思い出しました。
現在の出羽海部屋の親方は、何と、昔の「鷲羽山」さんなんですね!
「鷲羽山」と聞けば、私と同様に岡山県出身の方なら知らない方はおられないと思いますが、岡山県南の瀬戸大橋のたもとにある風光明媚な美しい山です。児島の琴浦ご出身だった「鷲羽山」関は、故郷のその山の名前を取って命名されたのでありましょう。
「鷲羽山」関は、小兵ながら粘りっこい相撲を取ることで昭和の時代に地元の方以外にも人気を博していました。
さらに、ネットを見ていて思い出したんですが、その伝統を出羽海部屋内で受け継いだのが、現在はキャスターとしてご活躍なさっておられる「舞の海」関です。
「舞の海」関は、まさに、知将といった印象の力士さんでしたね。お人柄がよく、明るいキャラクターには現役の時から非常に魅力を感じておりました。
そして今、出羽海部屋を背負って立っておられるのが、
「普天王」関です。
前にも一度私のブログでも勝手に応援というか、ご紹介させて頂いたことがあるんですが、「普天王」関は角界ナンバーワンブロガーなんですよね!たぶん、墨田区内のブロガーさん達の中では、一、ニを争うアクセス数の多さなのではないかと思います。
今日という日は、実は、明日から秋場所が始まるその前日という特別の日。そして、帰り際にご厚意で出羽海部屋の方が下さった番付表にも、「普天王」関は幕内の一番最後に掲載されていました。
まさに、土俵際に追い込まれた感のある今場所、こんな時にご見学なんて、後援会の会員さんでもないのに、大丈夫なんだろうか・・・少し申し訳ない気持ちを抱きながら、JR両国駅から南方向に約10分程歩いたところにある出羽海部屋さんに、今日ご一緒するメンバーの皆様とご一緒に向かったのでした。
私達が午後9時少し前に部屋に到着した折は、既に稽古が始まってから相当に時間が経過している様子で、9名程の力士の皆さんが全身に汗をにじませながらそれぞれに体を動かしておられました。今夏入門したばかりの、ハーフの双子力士、斉藤礼さんと順さんのご兄弟のお姿も見えます。まだ髷も結えない短髪で、初々しい感じです。
TVで本番の土俵を見ていても感じることですが、練習の方も、相当にハードで、気合いを入れるための掛け声以外の会話はなく、静謐な空間で本当に黙々と行われておりました。
土俵の周りでは、いわゆる「しこ」踏みとか、
足を肩幅より広く開いた状態でのスクワット(これは、相当にキツいと思います)、
すり足(下半身を十二分に落として、それでいて体幹をまっすぐに維持したまま「さっさっさっさっ」と全身を前に運ぶ動き)、
木の柱に向かって、片手ずつ交互にゆっくりと「突き」を繰り返す(これを、恐らく100回や200回どころではない回数で繰り返しておられました。「押し出し」とか「張り手」とかの技の基本になる動きなんだろうと思います)、
地面に足を180度開脚した状態で座り、両腕を左右に振る動き(わきの下や体側を伸ばす動き)、
・・・などが見られたんですが、
私が非常に感心したのは、「普天王」関のウォーミングアップです。
足を肩幅より少し狭いくらいに自然に開いて、両腕を上に上げ、少し反り返るような姿勢で左右に腕を揺らすというか回しておられました。
他の方は、誰も同様の動きはなさっておられませんでした。肩甲骨の後ろ辺りの筋肉を回す動きだと思ったんですが、その辺の筋肉、それと、背筋も非常に強くて、柔軟性も恐らく非常にお持ちなんだろうなと。
若い力士の皆さんは主として下半身を強化なさっておられましたが、あるところまで来たら、当然、全身バランスが取れた形で身体能力が高まって行かないと上位へは上がれないんだろうなと。
それと、他の力士の方々は、激しい動きは小休止なさっておられる際に両足の体重を載せ替えながら体を軽く揺する(動いた後にこういう動きでバランスを戻すというのはもちろん良いことなんですが)、
「普天王」関の場合は、そういう風な動きは見せず、微動だにせずじっと立っておられるお時間の長さが目立ちました。
土俵の中での他の方の稽古を見つめておられたのか、それとも、空を凝視しておられたのか、私の目にはそのお姿はひたすら集中力を高めようとなさっておられるように見えたのです。
土俵の中では、2人1組になっての合い稽古。
まず、1人が自分の体をまるで1枚の板状にして相手の斜め前に投げ出し、もう1人は腰を落として下半身からの力で相手を土俵際まで押し、そこまで来たら板になっていた方が反動の力も利用しながら相手を少し押し返す、という動き。
それから、本番同様の取組。
これを、生で間近な距離で拝見したのは、生まれて初めてのことで、強烈なインパクトを感じました。
まず、立ち合いの際に、「ダッ」と前に出て行く際のスピード感は、短距離走のスタートに勝るとも劣らないような迫力があります。
ここでほんの0.01秒でも遅れてしまうようだと、絶対に勝てないなぁと。
さらに、双方が片手で相手の回しをとった際の、激しい攻防。TVだと、一瞬、止まっているかのように見えたりすることもあるんですが、全身の血は駆け巡り頭の中は「次にどう動くか」激しく回転し、残ったもう1本ずつの手と手は、胴体の下で激しく攻防している。
こういう状態になっている時が実は一番激しく戦っている時なのかもしれない・・・と感じたのでした。
取組を見ておられる親方からは、時折「お前だけエンジンがかかってないじゃないか。インフルの後遺症か?」とか、「頭ばっかり前にいかないで足を引いていかないとまた(足を)くじくぞ」といった注意が飛びます。
午前10時前、太鼓の音と共に、相撲甚句の一行が到来。秋場所初日の取組相手を「○○〜には△△〜」といった形で高らかな声で次々と紹介し、
最後に力士全員が土俵の中に集まり、「普天王」関の掛け声と共に秋場所の勝利を誓う三本締めで稽古は締めくくられました。
その間、1時間強。見学していて時間の長さは全く感じませんでしたが、朝からこれだけの時間体を動かしておられる力士の皆様方の運動量は非常に多く、これを毎日繰り返すことで心技体を高めておられるのだと思います。新人からベテラン、番付のランキングに関わらず、皆様まさに、それぞれの「相撲道」を歩んでおられるのですね。
大相撲は、日本古来の伝統を現代に色濃く残す武芸であり、激しい格闘技であるということを改めて痛感致しました。両国に勤めていながらまだ本場所を国技館で見たことがなかったので、今日の感動を忘れないうちに、一度是非生の勝負をこの目で見たいと強く思いました。
出羽海部屋の皆様、明日からの秋場所、日頃の稽古の成果を出し切って是非頑張ってください!応援しています!!
そして、素敵な企画をご案内下さった「下町めぐり.jp(三浦印刷)」様、貴重な機会を与えて頂き、ありがとうございました。
【本エントリの関連サイト】
・三浦印刷
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