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2009年12月20日 (日)

敢えてラグジュアリー・ブランドをスルーした勇気に拍手ー展覧会「Luxury ラグジュアリー:ファッションの欲望」

実は、先週の土曜日(12月12日)、本所吾妻橋で開かれた「すみだモダンシンポジウム」に参加した後、清澄白河に出て、東京都現代美術館さんで開催中の「Luxury ラグジュアリー:ファッションの欲望」を見て来ていたんですが、

正直なところ、ブログに感想を載せるのが億劫で、1週間以上逡巡しておりました。

一番大きな理由は、実際に展覧会場に足を運んでみて、展示されている洋服の数の少なさ(展示会として「Luxury」単体では成立させるのが難しかったのか「レベッカ・ホルン展」との同時開催でした)とか、たまたまかもしれませんが来場者がそんなに多くない様子だったこと、既に展覧会に足を運ばれた皆さんの感想を見たりして、

「正直、今の時代の日本にはマッチしていないテーマだったのでは」と思ったからです。

この展覧会は、今春京都で一度開催されており、京都からの巡回ということになっておりますが、恐らく企画され始めたのは2年半以上前くらいからでしょうから、「100年に一度の大不況」の到来が想像出来なかったのも無理はないことですので、主催者を責めるのは気の毒だとは思ったのですが。

ただ、その辺も含めて、感じたところを率直に記しておくのが後世のためではないかと思うので、敢えてパソコンに向かう(筆を取る)ことに致しました。

展覧会は、

・着飾ることは自分の力を示すことーOstenation

・削ぎ落とすことは飾ることーLess is more

・冒険する精神ーClothes are free-spirited

・ひとつだけの服ーUniqueness

上記4部構成になっており、

「Ostenation」が近世(典型がロココ調の豪勢なドレス)からスキャパレリとシャネルのドレス、ディオールのイヴニング・ドレス、ルイ・ヴィトンまで、「Less is more」がポール・ポワレ以降、シャネルのスポーティー・ルック、マドレーヌ・ヴィオネにバレンシアガ、イヴ・サンローラン等々・・・となっており、

両方のコーナーに登場するデザイナーもいるのですが、

同じドレスをデザインした場合でも、近世以前からの流れを汲む、「王侯貴族や時の有力者が自らの権勢と美を誇示するための装飾過多な華やかなドレス」と、

「コルセットからの解放」以降に登場した、「女性の体のラインをより美しく見せるミニマルなドレス」

・・・の2種類が存在することを明確に示しています。

まあ、細かく言うと、ミニマルなファッションのゾーンに「ヘルムート・ラング」を入れてよとか、皆さんいろいろとご意見があると思うんですが、

この展覧会の凄いところは、実は、その次のパート「Clothes are free-spirited」は、建築家の妹島和代氏の空間デザインによる、「コムデギャルソン(COMME de GARSON)」のみを展示、さらに、最終コーナーの「Uniqueness」では、マルタン・マルジェラの「アーティザナル(手仕事による)」シリーズのみを紹介している、というところにあると思います。

これ、考えようによっては、ある種の手抜き・・・とも取れますが、

通常、時系列的にファッションの歴史を眺めていくならば、2000年以降は、明らかに、「ラグジュアリーブランドの時代」を迎えていることに間違いはなく、

「ラグジュアリー」をテーマにした展示会ならば、当然、最終コーナーでは「ルイ・ヴィトン」を始めとするLVMHグループの種々のブランドや「グッチ」「プラダ」等々が賑々しく飾られてしかるべきだなぁと。

それを、わざとスルーし、「コムデギャルソン」と「マルジェラ」を固めてみせたところに、

「ラグジュアリー」と見せかけつつ、その実は、「ラグジュアリー」の意味を「富裕層による贅沢品」という狭義のコンテクストから、

「知的文化的な豊かさを求める層への『心の満足』の提供」の意味に読み替えた、キュレーターの野心的な試みを見て取れます。

ここが、今春開かれた「カルティエ」さんの「Story of・・・」などとは決定的に違う、面白いところなんですが・・・。

ただ、タイトルだけ見たのでは、そういう隠れた仕掛けはわからないので、どうしても集客に苦戦してしまっている、というのが現在の状況のようで、非常に残念でありました。

更にいうと、90年代、2000年以降の、ラグジュアリーブランドの繁栄を支えたのは、特に日本ではハンドバッグやお財布などの服飾雑貨を富裕層のみならず中流の人々がこぞって買い漁ったからであって、

ラグジュアリーブランドがアパレルと服飾雑貨というイメージ及びビジネスの二重構造を意識的に構築するようになったこと、

さらには、その方法論が、日本からアジアに中心軸を移しつつあることとクリエーションとの連関を、

例えば昨今の「プラダ」のバッグなどは、明らかに中国人に受けることを狙ったデザインになっているように私は思っていますが、何らかの形で明示して欲しかったなと思います。

それにしても、この展示会では、いわゆる日本のデザイナー御三家のうち、川久保玲氏だけが大きくフィーチャーされ、

「イッセイミヤケ」と「ヨウジヤマモト」が全く取り上げられていなかったのは、

両ブランドの関係者にとっては忸怩たる思いがあっただろうという気が致しますし、

展覧会を見て自宅に戻りWWDジャパンの誌面でマルジェラ氏自身がブランドを辞任したという報道を見て、

私は強い感慨に囚われました。

ファッションという分野に限ったことではないですが、展覧会のテーマが現代にまで及んだ場合、何らかの政治性を帯びたり、実ビジネスの世界の事情の影響を受けてしまうのは止むを得ないのかなと。

美術館の土産物コーナーでギャルソンさん関連のグッズが大量に販売されているのを見て、「嗚呼、このしたたかさがあるから、ギャルソンさんは勝ち組なんだ」と思ったんですが・・・。

過去のクリエーションの評価と過去の売り上げとの関連は確かに存在すると思いますが、現在の売り上げが厳しくなっているからといって過去のクリエーションの実績まで否定されるべきではないだろうなと。

しかし、やはり、今の時点で御三家の評価を行うのは、まだまだ難しいんだろうなと。

一生氏の作品は確かにラグジュアリーというよりは、「ファッションの民主化」と言った方が良いような切り口を持ち合わせているように思いますが、

山本耀司氏が「Less is more」の中に全く登場しなかったのは、「うーん、どうなんだろうな」という風に感じました。

もっというなら、一度苦渋を舐めながら現在会社再建に向けて全力で頑張っておられる山本氏を鼓舞する意味でも、作品を展示して欲しかったかなと。これ、ちょっと身贔屓が過ぎますかねぇ。

最後に書いておきたいことは、この展覧会に使用されていた七彩さんの白いマネキンの美しさです。「Ostentation」のコーナーでは、頭及び顔のあるマネキン、対して「Less is more」では、頭のないボディになっていましたが、いずれも控えめなデザインながら、プロポーションが美しく、主役である洋服の美を輝かせていました。

PS.参考までに、日本美術がご専門のエディター&ライター、橋本麻里さんのブログに、本展覧会のことが記されておりますので、ご紹介させて頂きます。写真入りで、非常に丁寧に説明されています↓↓↓

Luxury:ファッションの欲望 前編ー東雲堂日乗

Luxury:ファッションの欲望 後編ー東雲堂日乗

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まぁ、なんという事でしょうか・・・・。I like Italy.Anything else? 愛用している。グッチやプラダのシューズも、自宅に40足ほど揃っているとは思うが・・・。付け加えると、ルイ・ヴィトンは嫌いだが、例外的に、ルイ・ヴィトン・グループのフランス靴『Berluti(ベルルッティ)』は美しくて妖艶だし、マダム・オルガの靴職人としての哲学は素晴らしいと(続きを読む) 敢えてラグジュアリー・ブランドをスルーした勇気に拍手ー 部構成になっており、 「Ostenation」が近世(典型... [続きを読む]

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