ワコール系のSPA「ウンナナクール」の、裏にワザ有りの「ゆるさ」がイイ
横浜にやっとのことで、随分前に修理に出していた眼鏡を取りに行ったついでに、2時間ばかり駅ビルのシアル(CIAL)と、横浜ルミネ(こちらはちょこっとだけ)を回ってきたんですが、
シアルの方は、アパレル系では半分くらいのショップが、「スペシャルセール」もしくは「週末限定セール」など、何らかの形で店内の一部商品の値下げを行っておられました。
ネット上でもプレセールが始まっておりますし、年明けまで待っているだけの余裕がない、というところなんでしょうか。これが不況期の緊急避難的な例外で済めばよいのですが、数年に亘って不況が続く間に常態化していくのが、「経営」という観点で考えると非常に怖いなという気がいたします。
実店舗の過当競争は、今後も継続していくのでしょうから、それを見越した上で、例えばポイントさんの「ローリーズファーム」などが、一定の販売期間を経過して明らかに動きが悪いと思われた商品を早め早めにマークダウンしておられるような方法の方が、お客様にも喜ばれ、なおかつ利益面での損が少ない手法であるように思います。
減収減益の時代、それを計算に入れた上での生産計画、販売計画、在庫コントロールが益々重要になってくるんでしょうね。
ところで、久々にシアルを見ていて、ワコールさんの子会社、ウンナナクールさんの下着とルームウェアのSPA業態「ウンナナクール」さんが、ますますイイ感じになっておられたので、感心いたしました。
「ウンナナクール」さんは、女性向けのふんどし「ななふん」とか、下着用の小さなアップリケの販売とか、暫く前からいろいろ話題を振りまいておられるんですが、
ひとめ見て、店内のポスターとか、商品のパッケージデザインが、すごいなと。
「愛に、負けるな」「自分に、負けるな」というキャッチコピーも、ゆるいけどどこかしら芯のある雰囲気を醸し出している女性(これが「ウンナナクール」のコンセプト、商品の特徴そのものなんですが)を描いたイラストも、明らかに超一流のクリエーターの手によるものに違いないなと・・・。
思ってネットで検索をかけてみたら、やはりそうでした。D-BROSのイラストレーター、渡邉良重さんの作品だそうです。
昨年からの巣ごもりブームを反映し、自宅でくつろぐ時のウェアは、「ジェラートピケ」を筆頭に幾つか発売されておりますが、
ワコールさんの場合は、元々存在していた下着のブランド「ウンナナクール」に、「ランチ」というハウスカジュアルのブランドをプラスしてご対応なさっておられるようであります。
商品は、一見、ワコールさんらしくないというか、一番象徴的なのは、ノンワイヤーのブラジャーが非常に沢山置かれているというところで、百貨店販路での40代以上向けに刺繍やレースを使った豪華で高価なブラとショーツのセットとは対極にあるかのように見えます。
そういう、「下着はゆったりと身につけたい」という、自然体派の女子(&オバさん)向けでありながらも、実は、ババシャツやキャミソール、腹巻きなどでは、保温性が高い機能素材をしっかり使っておられるんですよね。
さっき、このブログを書く前に、一般の方が書かれたブログを幾つか拝見致しましたが、「『ウンナナクール』は可愛くて、丈夫」というご意見が幾つもございました、。この、丈夫という部分が、激安だけを謳い文句にしておられるブランドさんとは異なる、ワコールさんらしいこだわりなんだろうと思います。
「ゆるい」雰囲気を醸し出しながらも、裏にはしっかり最新の技術=「ワザ」を駆使してものづくりをなさっておられる、ということでしょう。
先程、同社の直近の中間決算を拝見したところ、「入店客数の減少などによりウンナナクール全体の売上高は前年をやや上回る程度になりました」とのことで、やはり、不況が堪えておられるのかな、という気も致しますが、
「ペラペラですぐに駄目になる下着じゃ嫌」、かといって「ユニクロさんでインナーを買うのは気分的にちょっと・・・」という方々は世間には非常に沢山いらっしゃると思いますので、是非頑張って女性のカラダとココロを満足させるような商品と店作りを続けていって頂きたいと思います。
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