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2010年1月 3日 (日)

成長なきニッポンを生き抜くために、守りつつ攻めよう2010年

皆さーん、改めまして、明けましておめでとうございます。

ほとんど、日付が1月3日(日)になる直前に、東京の自宅に戻って参りました。

昨日(1月2日)には、午前中は天満屋倉敷店さんの初売り、午後は1日から営業なさっていて、本日からバーゲンに突入していた岡山一番街さんとサンステさんを回って、それから夜の新幹線に乗ったんですが、

前者の開店前の行列は、恐らく1,000名以上(東京でもなかなか見ない長い行列でしたが)、後者も、「ここが岡山かしら?」と思うくらいの、沢山の人で溢れ帰っておりました。

賢い消費者の皆さんは、今まで買うのを待っていらっしゃったんだろうと思いました。本当にお金がなくて服も買えない状態になっている訳ではなくて、文字通り、「買い控えて」おられただけなんですよね。

帰りの新幹線の中で、松田久一著『「嫌消費」世代の研究』を読みながら帰ってきたんですが、この本を読んで改めて思ったんですが、車とかTVとかそういった商品は今年これを買うか買わないかでイチかゼロか、その積み重ねが国内の総売上高に相当大きな差が出てくる商品だと思うんですが、衣料品に関しては、「2009年に1枚も買わなかった」という方は、まずほとんどいらっしゃらないだろうなと。

松田氏曰く、バブル後世代の男性も女性も、アンケート調査で「活性消費(高関心・高消費)」のカテゴリの中に「ファッション」を挙げており、確かにわが業界は他の消費材に比べたら「まだまし」な部類なのかもしれませんが・・・。

昨年一年間にファッション業界内の多くの企業さんブランドさんの実情は、

売上高=来店客数×買い上げ率×1点単価の平均×買い上げ点数

・・・という売り上げの構成要素で見て行くと、

「ファストファッションに対抗するため1点単価を下げる」

「それなのに来店客数は増えていない」

「買い上げ率も上がらない」

「買い上げ点数も増えない」

・・・といった、最悪の状態に陥っているところが多々あったように思います。

「そろそろ、ファストファッションブームが収まってくれないか」・・・そういう思いを抱いておられる方も多いのではないかと思いますが、

私の意見は、2000年代の中頃、イタリアに毎年行っていた頃にミラノで見ていた「H&M」や「zara」の様子や、中国地方にまだぽつぽつとしか店舗がなかった頃から今に至るまでの「ユニクロ」さんの足跡を振り返ってみるにつけ、

「ファストファッションは、ブームではない。一定期間長期的にファッション業界のメインストリームとなる業態である」と、言わざるを得ないように思うのです。

個人的には、「フォーエバー21」さんの商品調達の方法では多店舗化に限界が生じるのでは、と思っているところがあるんですが、

「H&M」「zara」「ユニクロ」の3者には、圧倒的な仕組みの優位性があります。

今、敢えて、「商品の楽しさ」(MDの問題)とか、「ファッションへの情熱」(モチベーションの問題)とか、そういったことを後回しにして力説しておきたいことは、

「収益をどうやって得るのか、その仕組みの問題を絶対に軽んずるべきではない」ということです。

もっとはっきり言うと、

「儲からないことは、やってはいけない」

2010年以降は、ますます、そういう時代になってくるのではないかと私は思っています。

企業規模の大小を問わず、経営者の皆様方は、ファストファッション企業の収益の仕組みと、自社の仕組みを比較し、劣っている点がどこにあるのか、利益率が低くても食べて行ける仕組みになっているのか、そこはシビアに認識しておく必要があると思います。

特に日本が厳しいのは、超高齢化社会になっており、ファッションに一番興味関心が高いヤングの数が減って来ていること、アンダー30の彼ら彼女らの節約志向が強まっていることによって、従来型の新規ブランド立ち上げの勝ちパターンがはまらなくなり、圧倒的な価格競争力を持つ外資ファストファッションにとっては、逆に、格好の草狩り場になりつつあるということだろうと思うのです。

景気が回復してくれば、もちろん、一定程度の買い控えからの揺り戻しはあるでしょうが、日本経済全体の長期的な基調は、現状維持がやっと・・・これくらいの厳しい認識を持った上で、今後の方向性を考えていく必要があるように思います。

規模の大小を問わず、企業さん、そして、業界内の個人の方々がそういう時代をどうやって乗り切っていけばよいのか。私見ですが、「守りつつ攻める」=分散型ポートフォリオを組むしかないだろうなと。

具体的には、次のようなことになるんですが・・・。

1.家庭内のリスクヘッジ(夫婦or家族が同一業種には従事しない。1人が「攻め」の事業を行うなら、1人は安定性の高い職業に就く等)。

2.本業のファッション関連事業+金融資産の形成(それも、国内の銀行への預金以外のものも複数組み合わせた分散投資)。

3.実店舗の運営+ネット通販(今からの参入の場合は、非常に大変であると覚悟される必要がありますが・・・。でも、早く始めないともっとついていけなくなります)。

4.国内の実店舗で、国内のお客様+海外、特にアジアの観光客やビジネスパーソンへの販売

5.国内事業+海外進出

この1から5までのうち、1つもしくは複数(大企業さんの場合は多分全部)を実行するということで・・・。

要するに、2と4と5は、「アジアの成長をいかに自社の成長の推進力にするか」ということであります。

例えば、今年上海万博が開かれる中国は、昨年の第4クォーターくらいからもう景気が回復しつつあるんじゃないかということを、ちょくちょく聞いておりますし、

日経MJさんの元旦号じゃないですが、今、適切な施策の成果もあって韓国の百貨店さんの業績は悪くないといった話もあるようです。

もちろん、ある国のファッション業界の中で優位なポジションを取れるのは、マーケットを生まれながらにして知り、地縁血縁学縁等を持つ自国の企業さん達であることには間違いないんですが、

成長するアジアには、可能性があります。

もちろん、既存事業でしっかり現状維持とか、コンペチターの廃業によって既存事業で残存者利潤を取って行くとか、自分はもう50代後半以上なのでリスクを取るよりは守り重視の考えでビジネスに臨むとかいうこともありだと思いますが、

自社及び自分の成長を考えた時に、すぐ近隣の国に、ファッションを求めている人達が沢山存在するのに、そこに向けてベネフィットを提供するためのアクションを何ら起こさないというのは、不自然なことなんじゃないかなと。

守る部分はきっちり守りながら、マーケットの範囲を広げていくことが、翻って日本のファッションをも、より多様で豊かなものに育てていくことにつなげることができるんじゃないかなと。

成長なきニッポンを生き抜くためには、「守りつつ攻める」、これしかないだろうなというのが、今年一年だけでなく、長期的なスパンで時代を展望した上での私の思いです。

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