ユナイテッドアローズ、中国進出は「コーエン」から!?
昨日に続きUAさんことユナイテッドアローズさんの話題ですが、
1月25日(月)発売のWWDジャパンさんの、
「日本のファッション業界を担う企業トップ12人に聞く ゼロ年代からの脱却〜10年代を生き残る企業戦略とは?」内の、
同社重松理社長へのインタビュー記事文中に、
「下期から中国・上海に常駐を置き、まずは生産から入って内販に向けた調査に着手した。(中略)リサーチを兼ねて再来期以降の出店を考えていきたい。海外戦略は次の中経に盛り込むつもりだ」とのくだりがございました。
さらには、「もっとも現実的なのは子会社による低価格カジュアルの『コーエン』だと考えている」とのご発言もあり、注目したいと思います。
「コーエン」に関しては、インタビュー記事の後半で重松社長ご自身もおっしゃっておられますが、「商品企画や店装の改善策で昨年秋から上向きだしており、今年1年で単年度黒字を目指して完成させたい」(同紙より引用)という状況のようです。
「コーエン、調子がよいみたいですね」というお話は、私も業界関係者の方からポツポツ聞いておりました。現在の店舗数が27店だそうですが、価格帯から行っても、50店舗ではとめず、100店舗以上を狙われるのかな、という気もしております。
最近店舗を拝見していなかったので、早く見てみたいです!
UAさんは上場企業さんだから常に成長を志向せざるを得ないので、というところもあるのだろうと思いますが、他のセレクトショップさんが逡巡しておられるロープライスのSPA業態にいち早く踏み込まれたからこそ、ユニクロさんやハニーズさん、ポイントさんなどと同様に、「ロープライスの商品を、『ZARA』や『H&M』、『オンリー』『ベラモーダ』などと同様に、中国の中間層に売る」という戦略が取り得る状況になったと思うのです。
100%オリジナルの商品ならば、UA業態とか「ビューティ&ユース」に含まれているようなインポートのブランドが、独占輸入販売権等の問題があって「これは中国本土でも売れる」「これは売れない」といった問題も生じないので、ハンドリングも楽でしょうからね。
「コーエン」に関しては、以前2008年6月11日(水)に、「ユナイテッドアローズの新業態『コーエンはやはり時流に合っているのか!?」というタイトルでこのブログに書かせて頂いたことがある通り、「同社の感度の高い商品や接客に憧れて入社してきた方々がモラールダウンしていくのではないか」という可能性などがある事業かもしれませんが、
過去の一部分を否定してでも、今、前に向かって変革をしていかなければ、企業の成長はないという、強い覚悟を以て実行してこられたことが、徐々に芽吹き始めているのではないかという気が致します。
また、堅実志向の今の若い方々は、昔から存在するUA業態よりも、「コーエン」のような業態の方にリアリティを感じておられるのかもしれないとも感じます。
「コーエン」を手掛けたことで、中国へ、アジアへ、同業他社よりも先んじて近づくことが可能になってきた・・・もちろん、全ての企業さんがアジアへ向かう必要があるとは私は考えてはおりませんが、ある段階でリスクを取ることをやめてしまったら、次の段階のチャンスは見えにくくなるというのは、やはりあるのではないか、UAさんはリスクを取って前に進んだから、次の手が見えておられるのではないかと、この記事を見ながら思った次第です。
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