続・中国寧波のアウトレット
昨日のエントリを書いた後、「うーん、ちょっと待てよ」と思ったんですが、
平成23年春に開業予定の、「(仮称)寧波アウトレット計画」の言い出しっぺが、三井不動産さんなのか、伊藤忠商事さんなのか、そのことよりも、
もっと大事なのは、現地の超大手企業・杉杉さんのトップが、
「あの土地には、アウトレットが欲しい。アウトレットならば、売れる」という風に言ったかどうか・・・ということのように思います。
想像ですが、杉杉さんのトップの脳裏には、自社の庭先のような広大な土地に出来たアウトレットに、都市部から1、2時間かけて沢山のお客様が車で押し寄せ、ブランド物が飛ぶように売れ、1人のお客様が両手に一杯紙袋を抱えて満足げな表情で帰って行かれる姿が、はっきりと見えたので、「Go!」となったのではないかと・・・。
中国のことは、中国人に聞け。中国の経営トップの目測にも誤りはあるでしょうが、日本人の予測よりははるかに当たる確率は高いと思います。
何度もこのブログで書いて来たことなんですが、各階層の人口の層が厚く、都市部と農村部の格差も大きく、加えて歴史上かつてないほど急速なスピードで経済発展が進み、しかも、ITの普及に関しても世界でトップレベルのポジションにある国・中国では、「全てが同期的に進行する」・・・そのことを、ついうっかり、自分でも忘れそうになっていました。
ブランドイメージを大切に、まずはプロパーの販路をしっかり確立してから・・・これは、日本流の理屈でしかないのかもしれません。
昨秋香港を見たときも思ったんですが、今の中国では、富裕層も、中間層も、ひょっとしたらもっと下のまだまだそこまで豊かになっていない層も、みんなみんな、間違いなく、ブランド物が、ものすご〜く欲しいんですよ。
そういう、みんなが欲しい物のアウトレット品を、安く提供する、そうすれば、お客様は喜んで買いに来られますよね? そういう施設があっても、それとは別に富裕層向けのプロパーのお店はお店で、ちゃんと売れて行くでしょうから、没問題(問題なし)ということなんでしょう。
消費の層は厚いので、むしろ相乗効果になって、ブランド品はもっともっと売れるようになるかもしれません。
なんだかそういう物欲にはちょっとうんざりさせられるところもあるんですが、一昔前の日本もまさにそうだったので、決して笑ったり非難することは出来ないと思います。経済発展という熱病にかかっている国の国民は、ハイになっている気持ちをブランド消費でうまいことバランスしていく必要があるんだろうと思います。
しかし、日本の10倍からの人口の棲む国に、果たしてアウトレットは何箇所・・・考えるだけで気が遠くなって参りますね。
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