北京で思ったこと、山東如意科技集団はきっとアパレルを甘くは見ていない
皆さーん、数日間実質的にはこのブログを開店休業のような状態にしてしまっていてすみませんでした。今夜、北京から戻って参りました。
実のところ、暇だったから中国にのんびり出かけていた訳ではなくて、仕事も半分ほっぽり出すような状態で飛行機に飛び乗ったんですが・・・それでも、行って良かったなと思っております。
日本に帰って来てブログにログインしてみて、「ん、やけにアクセス数が多いな」と思ったら、やっぱりそうでした!
レナウンさんが中国の山東如意科技集団さんの傘下に入ったというニュース、そのからみで、以前同社がプルミエールヴィジョンに中国の企業として初参加した時(2009年2月)に書いたエントリにアクセスが集まっておりました。
私はこのニュースを、北京に居る時に繊研新聞さんが紙の新聞を定期購読なさっておられる方向けに発信しておられるケータイメルマガで知ったんですが、
実際に北京の百貨店さんや商業施設を見ている最中だったので、なおのこと、強く感じるところがございました。
正直、レナウンさんサイドのことにはあまり私は関心がないんですが、
山東如意科技集団さんのことに関していうと、中国では川上の企業としては大手の部類に入る山東如意科技集団さんの立場をもってしても、
「中国で川下市場に今から参入するのは大変」だと感じられたんだろうなと思います。
理由は恐らく2つあって、
1つは、内部要因=自社サイドの問題で、これは日本なり、他の国でも同様だと思うんですが、川上の商売とアパレルや小売業の商売では、ノウハウが全く異なるということ(日本でも合繊メーカー、紡績メーカーさんが手掛けておられるアパレルビジネスはそんなに大きくなっていませんよね)、
それと、もう1つは、外部環境=市場の問題ですが、
「中国のアパレル業界には、ここに来てある種の秩序めいたものが形成されつつある」
そういう風に山東如意さんはお感じになっていて、
「参入は容易ではない。何か強力な武器を持って参入しなければ、成功はおぼつかない」と思って、資本・業務提携と相成ったのではないかと思うのです。
その武器とは、「ブランド」。同社が欲しかったのは、レナウンさんのブランドだろうと思います。
逆に、日本市場から挙げる収益の問題は別として、中国国内に関しては、恐らく、今の時点で既に、山東如意さんは「レナウンさんには依拠しない」と思っておられる点が多々あるのではないかと私は想像しております。
特に、「経営に対するスピードとパワー」「人材育成と労務管理」、この2点に関しては、一般的な日式は全く通用しないのではないかと。
これからまた数日間ブログをじっくり書けなくなるのではないかと思っておりますが(北京の話を書けるようになるのは、へたをするとたぶん日曜日くらいからになると思いますが)、
今回のレポートをお読み頂くと、「えっ、あの百貨店にもこの百貨店にもあのショッピングセンターにも『○○』と『××』と『△△』・・・が入っているの?」という感じになっていて、皆さん「うーん」と思われると思います。
「まだまだ、新しい商業施設が出来る」、それも事実なんですが、その反面、「いい商業施設を総なめしている勝ち組グループが既に形成され、面のかなりの部分を取られてしまっている」というのも事実です。
そういう状況の中で、日系の企業はどうやって中国内販を進めていくのか・・・皮肉な言い方ですが、「買収されて親企業である中国企業の力で中国でのシェアを高める」というのも、「負けが転じて勝ちとなる」という1つの勝ちパターンだと言えるかもしれません。
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