「日式」ではない、「強い企業式」だけが中国では通用する
すみません、忙しいのでディテールの記述より先に、結論めいたことから書いてしまっておりますが、
1つ前のエントリで記した、「『経営に対するスピードとパワー』『人材育成と労務管理』、この2点に関しては、一般的な日式は全く通用しないのではないか」ということについて、もう少し私の考えを補足しておきます。
実際に中国ビジネスに携わっておられる皆様、日々現場に出ておられる皆様を差し置いておこがましい発言で恐縮ですが、
実際に中国に行ってみて1人のウォッチャーとしてファッションの店頭の様子を見た時に、
今の時点ではっきりと言えることは、
よくセミナーとか識者の皆様のコメントに出てくる、
「日本ならではの、渋谷&原宿発のカワイイヤングファッションや、きめ細やかな接客」=「日式」が、中国では武器になる、ということは、
まだ塊としては全くもって見えていない、ということを、重々承知しておくべきではないかと。
今現在、成功者らしき形を作っておられる企業さんは、
ユニクロさん、ハニーズさん、伊勢丹さん、イトーヨーカドーさん、(小売業ではありませんが)伊藤忠商事さんなど、
ビジネスモデル及びビジネススタイルに突出した強みがあり、
オーナー、もしくは、サラリーマンであっても、伊勢丹さんの故・武藤社長や、伊藤忠商事さんの岡藤社長のように、まるでオーナーであるかのように、強力なリーダーシップを取り、
スピード経営を行い、
そして、社風も厳しい(働かない社員が安穏と過ごせるような企業ではない)という、
「日本の一般的な企業離れしている」会社ばかりだというのが、現実なのではないかと思います。
そう、まるで、これらの会社は始めから中国に存在していたとしても、突き抜けていたのではないか、経営者も幹部社員も、中国人と渡り合っても負けない、相手に尊敬される、「この人間と関われば自分もトクをする」と思わせる魅力を持っている、そんな、日本人離れした強さを持っている会社のように、側面から見ている限りでは感じるんですよね。
他の業界のことについてはわかりませんが、少なくともわが業界周りのことに関して言えば、「日式」「日式」という言葉を安易に使うのは、やめた方がいいんじゃないかと。
「強い企業式」、少なくとも、今の時点で目に見える形で存在するのは、それだけのように思います。
そして、MDとかサービスの前に、まずは経営ありき、労務管理ありき。そのことも絶対に忘れるべきではないように思います。
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