テキスタイルコンバーター上位25社の合計売上高が15年で3分の1に
今日8月26日(木)付けの日本繊維新聞さんの1面トップの記事は、
非常にシビアな現実について触れた内容でした。
同社が毎年行っている「テキスタイルコンバーター調査」において、
上位25社の売上高の合計が、
15年前と比べて約3分の1に減少している、というものです。
少し詳しい数字をご紹介させて頂きますと、
1996年 4,453億円(100と仮定)
2010年 1,609億円(36.1)
・・・となりますので、厳密にいうと、3分の1よりは若干多い割合になっておりますが、
それでも、「激減」と見るべきレベルに達してしまっているということには変わりありません。
たまたま、現在読ませて頂いている、小島健輔先生の新著『ユニクロ症候群』のP11に、
「衣料品の市場スケールと輸入単価/購入単価/輸入品浸透率推移」というグラフが掲載されておりました。
そのグラフが、前述した日本繊維新聞さんに近い期間での衣料品の市場規模の推移を示しておりましたので、こちらも引用させて頂きますと、
1997年 17.62兆円(100と仮定)
2009年 11.91兆円(67.6)
衣料品の市場規模は、13年間で約3分の2に減ってしまっているということで、
こちらの方も、相当に深刻なんですが、
3分の2と3分の1では、かなり落ち込みのカーブには差がありますよね。
前者は、あくまでも「上位25社の比較」ですので、この間育って来た中小の個性派コンバーターさんの売り上げは含まれておりませんから、それを差し引いて考える必要がありますが、
衣料品(アパレル)市場以上に、コンバーターの市場がシュリンクしている理由は、
海外からの直接調達が増えていること、コンバーター経由のテキスタイルに対しても、プライスの低い商品へのニーズが強まったことにあるということが、
この数字の差に如実に現れておりますよね。
もちろん、勝ち残っているコンバーターさん達も手をこまねいている訳ではなくて、
自ら製品事業に乗り出しておられますし、
今後は海外、特に中国のアパレル向けの輸出に活路を見出そうという動きが強まってくるのではないかと私は思います。
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