もう一度商品分類を見直してみる
少し前に、『ファッション販売』と同じ出版社さん(商業界さん)から出ている、
『販売革新』という雑誌の編集長・Nさんとお会いする機会があって、
Nさんがご好意で、同誌を数冊、寄贈して下さったのですが、
思いのほか内容が面白く、仕事の参考になったので、
他にも急いで読まなければならない本が机の横に数冊積み上がっているにも関わらず、
この週末もかなり読み込んでしまいました。
細かいことを挙げると、きりがないくらい、実務に役立つポイントを沢山再確認することが出来たのですが、
何と言っても一番印象に残ったのが、
「ホームセンターのバイヤーさんが、店内で生鮮三品も扱うことになって、鮮魚のバイヤーに異動になったが、工具の分野で培った方法を鮮魚にも使って売り上げを伸ばしている」という事例でした。
この方曰く、「商品分類の基本、すなわち、商品を大分類ー中分類ー小分類に分けて品揃えを構成するという考え方を鮮魚にも当てはめて行動したら上手く行った」ということだったのですが、
これは、非常に適切な仕事の進め方だったのではないかと私は思います。
もちろん、個々のカテゴリーに特有の、商品知識(衣料品ならば、素材及び服飾資材とか、デザイン、パターン、縫製等々、あるいは、感度の高いゾーンならば、トレンド情報とか、中小の個性派ブランドのブランド名及びその背景など、こと細かいマニアックな情報も含む)というのも必要なんですが、
「売り上げを取る」ためには、売り場の柱になる目玉商品、コンスタントに売れて行く定番品、売り場のスパイスになる商品が、
数値目標に基づいて、計画的に展開されていなければなりません。
その基になるのが、そのお店固有の商品分類なので、これは非常に重要なものです。
たまに、地方の個店さんなどで、基本をあまりご存知ないバイヤーの方が、「IFFやルームスに行って沢山商品を見て足で歩いてバイイングしてくればいい売り場が出来る」「人気のドメスティックブランドさえ揃えておけば売り上げは自然に作れる」と思っておられるケースがあるように思いますが、
物余りの時代、木ばかりを沢山見て、森を見ない仕入れを行っていると、在庫のバランスが崩れて処分に苦労されることになるのではないでしょうか。
昔、IFIビジネススクールで教鞭をとっておられたT先生が、口癖のように、
「職場で何人か集まったら、2班に分かれて商品分類の練習をやるといいですよ」とおっしゃっておられたことを強く思い出しました。
前述した例は、異なる商品ジャンルのバイヤーに抜擢された際の事例ですが、
同様のことは、日本から中国などの海外に赴任し、
小売業、あるいは、SPA型(製造小売業)のアパレルブランドのマーチャンダイジングを担当しなければならなくなった際にも起きると思います。
過去の日本での経験とか、直感だけでは乗り切っていけない、客層が違っていたり、シーズンがずれている、売れる物が異なる・・・といった現実に直面しても、
原則を知っていれば、リテイルMDの修正は可能ですので。
(但し、必要と思われるのに「ない」ものがある、例えば、日本では製造していない大きめのサイズの需要が多い、といった場合には、仕入れてくるか、新たに作るか、敢えてそのゾーンは捨てるのか、決断する必要がありますが)。
また、ネット通販で、特に多品種横売り型のネットショップに関しては、リアル店舗以上に、商品分類の善し悪しが見た目にもはっきりとわかり、売り上げに直結して参りますので、基本をしっかり学んで店づくりに反映させていく必要があるのではないかと思います。
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