展覧会「マイセン磁器の300年」@サントリー美術館
今日の東京は雪、気温も低めで寒かったので、「遠出は止めよう」と思って、六本木のミッドタウンの中にあるサントリー美術館に行くことに致しました。
この美術館の前を通ることはこれまで何度もあったんですが、中に入ったのは初めて。評判通り、アメニティがよく、観覧に疲れない程度の広さ、そして、テーマを絞って大人の客層向けの上質な展示を常に行っておられる素晴らしい美術館さんなのだということを感じて帰って参りました。
さて、今日拝見した展示の内容についてですが、
1710年に王立磁器製作所が設立されて以来、300年(ちょうど昨年2010年が記念の年だったんですね!)の歴史を持つマイセンの磁器が、年代別に展示されておりました。
第1章 西洋磁器の創世期
(筆者注:元々東洋にしかなかった磁器の技術を、アウグスト強王が幽閉の身の錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベットガーに命じて解明させた。中国調のシノワズリや日本の柿右衛門写しなど、東洋の模倣からスタート)。
第2章 王の夢、貴族の雅
(筆者注:ロココ調)。
第3章 市民階級の台頭と万国博覧会
(筆者注:新古典主義)。
第4章 モダニズムの時代、アール・ヌーヴォー、アール・デコ
(筆者注:近代から現代への移行期)。
第5章 創造の未来へ
(筆者注:第二次大戦後の現代。マイセンは東ドイツ=社会主義体制下に置かれる。東西ドイツ統一後、国立→州立へ。1点物の制作。作風も作家個人の個性が強まる)。
私の中でのマイセンは、ロココ調もしくは新古典主義の作風のイメージが強かったのですが、時系列的に代表作を見て行くと、時代の文化の影響、そして、パトロンもしくは買い手(作り手の立場からいうと、「誰のために作るのか」ということ)の変化によって、テイストが大きく変わっていっているということが、非常によくわかりました。
特に、アールヌーボ期の作品は、「これが本当にマイセン?」というような柄行きで、ものすごく斬新でした。
元々、東洋の技術や絵画(絵付け)の伝統から影響を受けながらも、徐々にそこから離れ、ドイツの文化として根付いていったマイセン。手仕事の細かさや、色彩の美しさ、そして造形美。大作も何点も展示されており、今日はよい目の保養をさせて頂きました。
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