革の「血筋」について
先日、春物のバッグを物色しようと思って、
近所の駅ビルさんの中に入っているバッグ専門店さんの中をうろうろしていたところ、
「吉田カバン」の売り場の前で、
商品の購入を決定しこれからお支払いへ(いわゆる、ファッション業界の接客用後でいうところの「クロージング」に入ろうかというところですね)、という段になって、
2人連れのお客様のうち、ご夫婦らしき方の奥様の方=60代と思しき女性の方が、
「このバッグ、ここに傷があるわね」と言い出しておられる場面に出くわしました。
実は、私は、この場面と全く同じようなシチュエーションに、ほんの数日前に遭遇したばかりでして、
友人のバレンタインデー用のプレゼント購入に同伴、ラグジュアリーブランドのショップを数軒回って、友人が「フェラガモ」のメンズのブリーフケースの購入を決定し、ショップスタッフさんがストックから新品の商品を持って来られて「こちらで宜しいでしょうか」という言葉を発した瞬間に、
さっきの60代の女性と同じく、私の友人は、「このバッグ、ここに傷があるんですね」とのたもうたのです。
それに対して、「吉田カバン」さんのショップスタッフさんも、「フェラガモ」のショップスタッフさんも、回答は全く同じで、「これは『血筋』といって、血管が通っていた跡で、『血筋』があるのは天然皮革である証拠なのですが、もしどうしても気になられるようでしたら、『血筋』が目立たないものにお取り替え致しましょうか」というご説明をなさっておられました。
一般の方は、『血筋』のことを、あまりご存知ないんですよね。正直、私も、バッグメーカーさんとお付き合いするまでは知りませんでした。
よく見ると1点1点が異なり、均一でないところ、そして、使い込むほど味が出てくるところが、本革の魅力で、特にヨーロッパの方々は「血筋」は気にせず自然の証明として天然皮革の商品を愛用なさっておられると聞きます。
日本人は、細かなところにこだわりすぎるところがあって、それは長所でもありますが、「血筋」を目立たせない加工をやりすぎると味が失われる部分もある、ということは、消費者の皆様にも知って頂きたいなという気が致します。
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