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« 2011年3月北京レポートその11〜ストリートスナップ(後編) | トップページ | 日本の「打算」、中国の「打算」 »

2011年4月25日 (月)

最近の出来事と雑感(地震後の展示会、ファッションショーなど)

このブログでは、3月末に北京に行った際のレポートを長期に亘って書かせて頂いておりましたが、

先週と先々週は、東日本大震災で当初の計画を後ろ倒しにされた合同展示会や個展、ファッションショーを回ったり、自社主催のセミナーなどで、慌ただしく過ごしておりました。

小規模な卸型のブランド、クリエーターの方々、特に東北地方の工場さんとの関わりの深いアパレル系の方々にとっては、まずは生産面のご対応が非常に大変だったようです。「一部のサンプルは自ら制作した」という声も、沢山耳に致しました。ブランドさん及び工場の方々の、「1日も早くビジネスをきちんと前に進めたい」というご努力に、敬意を表したいと思います。

チャリティーグッズを企画・生産し、展示会場で販売なさっておられる展示会さん&ブランドさんも、幾つもございました。アクションが早いことと合わせて、なおかつ、私が拝見した物に関してはデザイナーさんの企画らしいデザイン面でも優れた商品ばかりだったことに感心致しました。

次シーズン向けの受注に関しては、もう少し先にならないと全体像は見えてこないのではないかと思いますが、厳しいとの前予想に反して、「前シーズンより既に伸びている」というお声もあり、企画力と価格のバランスが良いブランド、市場にないタイプの商品でなおかつ時代性を捉えた企画を打ち出しているブランドはきちんと実績を上げておられるなという風に感じました。

リーマンショック以降地震前までの状況として、ギフトショー以外の合同展がいずれも苦戦している印象がありましたが、

今春、渋谷区さんの渋谷区文化総合センターの中にあるインキュベーション施設(創業支援施設)「文化ファッションインキュベーション」が本格稼働し、こちらの中で開かれた複数の合同展がいずれも盛況で、

地震のせいであまり報道されていませんが、

個人的には、「風が変わりつつある」という印象を強く持ちました。

立地的には最高の場所、渋谷駅から徒歩5分という場所で、展示会場が安く借りられるということは、若手企業や中小企業にとってはメリットが大きいです。もっと早くこういう施設が出来ていても良かったんじゃないか、都内で最も、「あったらいいねという場所にあるファッション系の支援施設」だと思います。

こちらは、場の持つパワーのみでも十二分に「みんなのたまり場」となりうる場所で、こちらで開催される合同展示会が、現状の合同展地図を塗り替えていく可能性も大いにあるように思います。

最後に、ファッションショーについて。

今回、何のためにショーをやるのか、ということの意味を、東コレ系ブランドの方々は改めて考えられたのではないかと思います(実際、ブログに思いを綴っておられるブランドさんも幾つもございました)。

サンプルが間に合わない、外国人モデルが帰国してしまった、3月の時点では計画停電が実施されていた、といったことから、やむなく休止されたブランドもあったように仄聞しております。

頑張って開催されたファッションショーには、沢山の来場者が詰めかけ、いつもにも増して熱い拍手が寄せられていました。

私は、今回は、「インプロセスバイホールオーハラ」「ヒスイ(HISUI)」と、「ジェニーファックス」&「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」の3本のショーを見せて頂きました。

「インプロセスバイホールオーハラ」は、フェミニンなスタイルの中にも、見る人の心に、少しだけ引っかかる何かの仕掛けを混ぜ込んだコレクションで、幾何学柄のワンピース+ニットなどのスタイリングを打ち出していました。

今回は、ネットメディア等の報道によると、「もう1つのアールデコ」というテーマだったそうです。

それで納得がいったんですが、最後の方に出て来たスタイリングが大正時代のモダンガール風に見えたのは、期せずして「日本のアールデコ」に近いムードになったんでしょうね。

「ヒスイ」は、前半は少しマニッシュで大人っぽい雰囲気のジョッパーズスタイルやモノトーンコーディネート、中盤からカラフルなニットワンピが登場し、最後はランウェイ上でデザイナー自らがモデルにドレスを着せ付ける形でニットのロングドレスなどの大作が披露されました(ちなみに、そのニットは、メイド・イン・墨田です)。

月と雲と大地と太陽というテーマに沿った4点のドレスの後に、フィナーレではもう1点、日本の原発地図を刺繍したドレスが登場。

まさに、今、日本で生活している私達が直面している痛みであり、何らかの方法で乗り越えて行かなければならない課題をストレートに呈示するコレクションでした。

「ミキオサカベ」は、ファンタジスタ歌磨呂氏による「最前ゼロゼロ」とのコラボによるショーだったんですが、秋葉原からアイドルグループ「でんぱ組.inc」がやってくるということで、

会場のTSUTAYA六本木店には、ショーを見に来ている人と、「でんぱ組.inc」のファンが混在し、

店内は超満員でした。

ダークなムード溢れる「ミキオサカベ」本来のコレクションと、村上隆氏のフィギュアのようなカツラをかぶった「でんぱ組.inc」が身につけているフワフワの砂糖菓子のようなドレスが、

ネガとポジの関係なのか・・・実はねじれの関係で、永遠に交わることはないのでは、という風に思いながらも、

次第に難しいことは忘れて、「でんぱ組.inc」の唄とダンスがとても楽しく、一緒に盛り上がっておりました(笑)。

アートには、「創造する喜び」「鑑賞する喜び」「所有する喜び」「(所有しているアートの)資産価値が上がる喜び」があり、

ファッションには、「創造する喜び」「着る喜び」「見られる喜び(&評価される喜び)」「見る喜び(&評価する喜び)」があると私は以前から思っていますが、

アートに関してもファッションに関しても、

アートの分野ではインスタレーション、ファッションの分野ではB2C型のファッションショーにおいては、「鑑賞」とか「見る」という静的で一方的なアクションではなく、

双方向型で感動がその場でシェアされていく「参加する喜び」が加わってきているように思います。

坂部氏は、東コレ系のデザイナーの中では、そのことに自覚的な先鋭な方々の一人だと思うんですが、

アートと異なり、セールスのことを考えると、「着る喜び」に関する仕掛けをショーの準備と同等かそれ以上に綿密に行っていく必要があるのではないかという風に思います。

それと、今回ものすごく残念だったのは、

アキバとご自身のコレクションがポジとネガ、というわかりやすい仕掛けの裏に、

もう1つ、本当は、

「ジェニーファックス」がポジで、「ミキオサカベ」がネガ、というストーリーが存在したんじゃないかということです。

HIROMIXを想起させるようなネーミングだけでなく、クリエーションの中身も、

日本の女性アーティストの表現の中にある感覚に共通するガーリーな甘さと毒、色使いなどに見られる「だけどアジア」な感じ(SHUEH JEN-FANGデザイナーは台湾出身でヨーロッパで学んだご経歴の持ち主ですので)は、

現在のアジアの現代美術ブームを考えても、まさに旬なのではないかと。

「ジェニーファックス」、これからもいい商品をつくっていってほしいなと思います。

セルフプロデュースの仕方、そして、プロモーションやセールス面のキーマンを日本以外の地域に求めるということも考えると、可能性は格段に広がるように思います。

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