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2011年11月21日 (月)

手堅い店作りと良質なサービスで成功かールミネ有楽町店

皆さーん、大変遅くなりましたが、先週の日曜日に閉店前の1時間を使ってダッシュで見て来た

ルミネ有楽町店さん(2011年10月28日オープン)のレポートです。

ちょうどその日は、ルミネさんのルミネカードホルダーに対する10%オフデーだったということと、

オープン景気の両方のためか、

日曜日の閉店前の時間帯ながら、非常に沢山のお客様が入っていました。

店内に入って、まず第一に感じたのは、

このビルが以前有楽町西武だった時代にも感じていた回遊性の悪さです。

一部のセレクトショップさんが、自社のショップ内を通り抜けさせないような作りになさっておられることもあって、余計に「ああ、この館の根本的な問題点は変わっていないな」と思いかけたんですが、

その後すぐに、以前との違いを見て取ることが出来ました。

館内のエスカレーター前とか、角地などの要所要所に、ルミネさんの職員の方が立って、「エレベーターはこちらです」などとご案内をなさっておられたのです。

この、サービスの良さ、心遣いが、ルミネさんと他の商業施設さんとの最大の違いのように私は思っていますが、

お陰で、思っていたほど道に迷うことなく、スムースに上へ上へと上がることが出来ました。

第2に、このビルは、ファッションばかりを取り揃えるのではなく、お客様が求めておられる「食」へのニーズにきちんと応えておられるところに、感心いたしました。

丸井さんの有楽町店さんが出来てから大分良くなったんですが、以前は有楽町に行くと、ご飯を気軽に食べられる場所がない、そして、食品を買って帰ることが出来ないという問題があったので、食べ物を買おうと思っている日は有楽町には行かず銀座に行くようにしていました。

結構、女性のお客様の中には、私と同じことを考えておられる方が多かったのではないかと思いますが、ルミネ有楽町店さんは、地下に、軽い食事が取れたり、楽しくお茶出来るスペースと、成城石井さんをご用意しておられました。

これは、正直、非常に助かります。お客様だけでなく、ビルの中で働いておられるショップスタッフの皆様も、同様にお感じなのではないかという気がいたします。

第3に感じたのは、既存のルミネさんと異なり、ルミネ有楽町店さんには、欠落しているゾーンやテナントさんが多い、ということです。

オープン直後に、業界関係者の方々が、「『ロンハーマン』と広島県発の『パリゴ』が話題になっているが、後はセレクトショップばかりで、目新しさがない」と口を揃えておっしゃっておられましたが、

私自身も確かにそうだなと思いました。

逆に、ルミネ有楽町店さんは、売場面積が11,300平米と既存のルミネさんに比べて非常に狭く、

(ご参考までに記すと、新宿ルミネ1が25,000平米、新宿ルミネ2が20,550平米、ルミネエストが53,300平米、横浜ルミネ40,000平米、北千住ルミネ40,500平米・・・等です)

厳選されたショップ、ブランド揃えで臨むしかない条件におかれています。

元々、有楽町西武だった時に集客の目玉だった「ユナイテッドアローズ」と「トゥモローランド」は、想像通りルミネ2の2Fと3Fにそれぞれワンフロア全てを使ってドーンと展開されており、

こちらについている固定客の方々が引き続きご来店されるのを取り込みたい・・・という意図が感じられますが、

では逆に、大概のルミネさんに入っている人気のショップ、ブランドなのに、

有楽町には入らなかったものが何なのかを挙げてみますと、

・「アクアガール」などワールド系セレクト型SPA

・「ビームス」

・ポイントさん、クロスカンパニーさんのロープライス人気カジュアルSPA

上記4社が、代表格でしょう。

ワールドさんは、お隣の丸井有楽町店さんの2Fに、「アナトリエ」「オペーク」「ルビーリベット」の3業態が入っているので、わからなくもないですし、

ポイントさんとクロスカンパニーさんを敢えて入れなかったのは、

「オトナ?」というキャッチフレーズに象徴されるように、

大人向けのセレクト業態及び、5Fの大人可愛い系のブランドに絞り込んで、客単価を上げていこうという作戦だからだと思います。

かつての有楽町西武名物だった、DCブランド群も、ルミネさんからは払拭されております(DC系は、若向きで人気のあるところが丸井有楽町店さんに揃っているので、そちらにお任せということなのだろうと思います)。

「ロンハーマン」と「パリゴ」の影響なのか、「ビームス」さんが出店されなかったのは、非常に残念ですが、ビームスさんはその代わりといっては何ですが、今秋、有楽町電気ビルヂングに「ビームス&ウィンズ」というスポーツカジュアルの新業態をオープンしていらっしゃるみたいですね。

ルミネさんの中では、ルミネ2の5Fに、アーバンリサーチさんが「アーバンリサーチアンドロッソ」をまるまるワンフロアでオープン、それとはまた別に4Fのルミネ1の方に「アーバンリサーチドアーズ」も出しておられることにも要注目です。東京系のセレクトショップさんより値ごろ感があって、絞り込んだテイストとライフスタイルの打ち出し、それにwebの活用など販促の上手さもあって、非常に人気が高まっていることの現れだと思います。

第4は、先日阪急メンズトーキョーさんについて書いた折にも触れましたが、UA、トゥモロー、アーバンリサーチ以外にも、ロンハーマン、ナノ・ユニバースやアダムエロペなどがこぞって、レディスだけでなくメンズも展開しているので、

この館は女性のお客様だけでなく、男性にも強い館になりそうだということです。

実際、店内で紙袋を持った男性を数多く見かけました。

「お隣を見に来たつもりが、こっちで買っちゃった」という方も、かなりいらっしゃるのではないでしょうか。

注目の2つのルミネ初登場のショップですが、

「ロンハーマン」さんの方は、かなり売れておられるためか品薄感がありました。千駄ヶ谷、二子玉川共、ゆったりとお買い物出来るロケーションでしたので、初めて、慌ただしい空気が流れる中でこのお店を拝見しましたので、逆に、モノそのものを初めてリアルに見たというか、「買い物に来たんだ」という目線で初めて置いてある商品と鋭く対面したような気になりました。

私が岡山出身ということもあってか「パリゴさんのMDや売り方が東京で通用すると思いますか」とたまに聞かれたりするんですが、

一般論での話しか語れません。一般論というのは、ファッションビジネスにおいてはあくまでも一般論だと思います。あれこれあら探しをすることは簡単かもしれませんが、そんなことよりも、自らの成長のために勇気を持って挑戦なさっておられることに対し、心からエールを送りたいと思います。

新聞報道の通りで、売り場を見た感じでは、少なくとも、現時点では売れておられるように思いました。

以上、駅と直結しているのではなく、少し歩かなければならない(その折に丸井有楽町店さんの姿も見える)、さらには、様々な噂が取りざたされた家賃の問題、建物の狭さや構造上の問題など、厳しい条件を抱えながらも、

ルミネさんだからこそ出来るテナント揃え、サービスで、

ルミネ有楽町店さんは快調なスタートを切っておられるように私は感じました。

元々の西武有楽町店さんや阪急さんの女性客だった方々などに加えて、

ルミネさんは、関東一円のルミネで集めたルミネカードの会員さんという自社の固定客を有楽町にある程度送客出来るという強みも持っており、

プロパー時期の10%オフという魅力的なサービスの力もありますので、

個人的には、初年度売上目標の200億円は、十分達成されるのではないかという風に予想しております。

ファンの期待を裏切らないよう、ますます、商品とサービスに磨きをかけていって頂きたいものですね!

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