日系中国ビジネスの完成形は、99.9%中国人のみの完全現地化だと思う
6月15日(金)付けの
繊研新聞さんのインタビュー記事「パーソン」が面白かったです。
「マウジー」「スライ」「アズール・バイ・マウジー」などの人気ブランドを擁する
バロックジャパンリミテッドの社長兼CEO・村井博之氏へのインタビューが、
1ページに大きく掲載されていました。
村井社長兼CEOへのインタビューは、その前に他紙にも掲載されており、
来期(2014年1月期)には中国の店舗数100店・黒字化を計画しているということに関しては既報済みでしたが、
繊研新聞さんの記事は、中国でのビジネス経験の長い村井社長兼CEOの人となりや、ものの考え方がよくわかる、掘り下げの深いものだったように感じました。
特に、ファッション業界人の胸に刺さる内容だと感じたのは、
「電気ハイテク業界でも、日本の大手企業が誇ってきた物作りが、韓国、台湾、中国などの圧倒的なコスト競争力に押されている状況です。日本は最先端の技術を持っておきながら、コスト競争力のなさで存在感を失っています。この動きを見ると、SPA(製造小売業)で何が起きるかも推して知るべしではないでしょうか」(同紙より引用)というくだりです。
日本のファッション業界のSPAブランドも、「ZARA」や「H&M」「forever21」など欧米発の外資だけでなく、
日本国内でもアジア発のSPAと競り合わなければならない時を間もなく迎える、
村井社長兼CEOの指摘する事態が、あとどれくらいの期間の後に発生するのか、
その時までにグローバルブランドに成り得ていない中途半端な規模のブランドは、
シェアを奪われる事態になる・・・それは、相当に現実化する可能性の高い未来予想図のように思います。
一方、中国などアジアの国々、日本から見るとアウェイのエリアでのビジネスに関してはどうでしょうか。
日本人を現地に赴任させる、出張ベースで派遣する・・・それらの人数が多ければ多いほど、コストはかさみます。
なおかつ、マーチャンダイジング(MD)に関しても、日本人主導のブランドだと、どうしても現地の好みや感覚とずれてしまう。
アパレル業界で、企業や、人が成長する速度は、非常に早いです。日本でも、専門学校や大学を出て20代後半には一人前になってブランドを切り盛りしている、数億円の生産を回している、というのは当たり前だと思いますので、
もう2、3年は日本からノウハウを吸収する時間が必要かもしれませんが、
4年から6年後くらいには、マネジメントから、企画、生産、販売の全てのセクションまで、
全て中国人が行う、中国発のブランド、
そして、“日系”である由縁は、唯一親会社の社長=出資者が日本人だから、という
99.9%中国人のみの、完全に現地化したブランドが、どんどん登場する時代になるのではないかと思っています。
その形が出来上がった時が、日系中国ファッションビジネスの完成形、であり、本当の始まりの時でしょう。
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