鮮やかなプリント柄の傘が好き
この季節は、朝、会社を出る時に、
「今日は雨がふるのかな」ということが気になりますよね。
チャイナヴォーグ(中国版VOGUE)で見つけた、傘の記事↓↓↓
パンジーの花をプリントした鮮やかな色柄の傘が素敵。
2ページ目以降のお写真もいいので、是非ご覧ください。
最近、使い捨ての傘が増え過ぎて、便利だとは思う一方、
本当に寂しいですよね。
憂鬱な雨の日に、開くだけで気分を一新してくれる上質な傘を1本は持ちたいものです。
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この季節は、朝、会社を出る時に、
「今日は雨がふるのかな」ということが気になりますよね。
チャイナヴォーグ(中国版VOGUE)で見つけた、傘の記事↓↓↓
パンジーの花をプリントした鮮やかな色柄の傘が素敵。
2ページ目以降のお写真もいいので、是非ご覧ください。
最近、使い捨ての傘が増え過ぎて、便利だとは思う一方、
本当に寂しいですよね。
憂鬱な雨の日に、開くだけで気分を一新してくれる上質な傘を1本は持ちたいものです。
雑誌『ファッション販売』の8月号が、
昨日6月27日(水)に発売されました。
今回の号には、残念ながら私は執筆していないんですが、
新しい切り口の特集が多く、面白い内容でした。
ひとつは、「短期間で売上げが上がる! ローエージ接客VSハイエージ接客」です。
最近は、特に準郊外、郊外の売り場で、ターゲット年齢の幅が広いブランドさんが増えており、
ショップスタッフさんの方も、若い方からベテランまでが一緒にチームを組むというケースが増えてきていると思います。
苦手を克服すれば、一気に売り上げアップに持って行ける良いテーマだと思いました。
それと、「覆面調査で高得点を取る」という特集にも敬服致しました。
このテーマを、一種の試験対策みたいに考えちゃうのは間違いだと思うんですよね。
小誌の特集のように、覆面調査をきっかけに、顧客満足度アップ、テナント力アップ(テナント緑とは面白い言葉ですが、ショッピングセンターに入店しているということは、路面店とは異なるテナント力が確かに求められるということだと感じました)のために、
具体的に目標を設定し、アクションを起こすことが大切なように思います。
クロスカンパニーの石川康晴社長のインタビューも掲載されておりますので、
皆様是非、リアル書店やネット書店でお買い求め下さいね。
人気ブロガー、ブライアン・ボーイ(BRYAN BOY)は、
やっぱり卓抜したセンスの持ち主だなぁ、と感じさせてくれる投稿↓↓↓
ちょっと女性的なニュアンスのあるアイテムの取り入れ方のうまさ(ヴェール風のレースのついたニット帽)、
服を着用するときの絶妙なサイズ感(ニットの袖のたくし上げ方とか、パンツの丈とか)、
そして、色に対する感覚が、飛び抜けているなと思います。
ニットとシューズ、この色相の異なるグリーンは、
背景の壁面の蔦の緑とも一体となった一枚の“絵”なんですよね。
2013年の春夏は、ブライアン氏の大好きなコントラストの強いビビッドカラーが沢山出て参りますので、
またまた私達の眼を楽しませてくれるスーパーコーディネートを連発してくれることでしょう。
ダイヤモンド・オンラインという、
雑誌社のダイヤモンド社さんがやっておられるビジネス情報サイトに、
オリーブ・デ・オリーブ副社長兼執行役員の渡邉兼久氏へのインタビューが掲載されていました。
◆スピード勝負の中国では5秒で意思決定すべし 自在の変化対応で毎年売上130%増達成 ――渡邉兼久 オリーブ・デ・オリーブ副社長執行役員インタビュー ーダイヤモンド・オンライン
この記事のポイントは2点あって、
1点は、新ブランド「ONE by Olive des Olive(ワン・バイ・オリーブ・デ・オリーブ)」を、1990年代生まれのジョウリンホウ向け、日本企画、価格帯を4割下げ、SC(ショッピングセンター)を販路に展開、ということ。
ジョウリンホウの中で一番若い1990年生まれの方は、今年2012年で22歳。大卒者が来年には社会人になる年齢ですから、この世代がこれから10年の中国のファッション消費を牽引するトレンドリーダーになることは間違いないでしょう。
SC販路で成功すれば、ファーストラインの「オリーブ・デ・オリーブ」以上の店舗数が見込めると思いますが、
価格的に安ければ、「日本と全く同じ」ままで行けるのかどうか、ファーストラインの持ち味である若干過剰なまでにデザインが盛り込まれた"ちょっとこってりした可愛らしさ"が、日本企画にはなく、あっさりしているように見え、この辺がどうなのか、という気もするのですが、
「アースミュージックアンドエコロジー」さんや「ローリーズファーム」さんがそのまま日本企画で多店舗化を狙っておられますので・・・。
ブランドの数が多く、セグメント化が進んでいる日本では「オリーブ・デ・オリーブ」さんとこれら大手のナチュカワはちょっとゾーンが異なると見なされていると思うのですが、まだそこまで市場が成熟していない中国では競合ということになるように思いますし、
さらには、日系でない、韓国系、中国系のブランドに、ハラカワ系やナチュカワがコピーされ、もっと素早く展開される可能性も、十分ありますので、
企画に必要以上にこだわる前に、中国社会に深く入り込んでおられる強みを生かして、日本発その他で競合となりうるブランドさんよりも早く良い面を押さえることを優先されたのではないかと私は推測しております。
もう1点は、この記事の見出しになっている、
スピード勝負の中国では5秒で意思決定すべし、という点です。
「5秒」とまではいかないでしょうが、
日本国内においても、アパレルで意思決定が遅い企業さんは、今の時代はまず成功できないですよね。
日本ではそれなりに成功を収めた方々が中国へ出て行くと、もう数段厳しい環境下におかれるようになる、という話だと受け止めるべきだろうと思います。
そういえば、今月の上旬に、
ヒカリエさん(の中のシンクスさん)に行った時に購入していたものをご紹介するのを忘れておりました。
「ファクトタム ファム(FACTOTUM FEMME)」のTシャツです。
メルローズさん系のセレクトショップ「ソフィット(Soffitto)」さんで買いました。消費税抜きで7,500円でした。
「ファクトタム」さんのレディスも、今ネットで確認してみたんですがもう3シーズン目になるんですね。レディスの方は、意外と、あまり見かけないような気がいたします(私があまりいろいろなショップを見ていないから、というのもあるのでしょうが)。
このTシャツにプリントされているのは、ジョン・レノンなのだろうと思います。「ソフィット」さんには、他にも数枚、「ファクトタム ファム」のTシャツがあったんですが、どれもプリントされている柄がレディスブランドにはあまり見られないような、じわじわっと心に染みて来るような印象的な柄で、「おやっ」と思って手に取ると、このブランドさんのものばかりだったのです。
もう1点、気に入ったところがあって、ビッグTシャツなんですが、着ると襟ぐりは適度に詰まった感じになって、ゆるっとしすぎない、胸元が空きすぎていないのが購入の決め手になりました。
私は、海外に仕事で行くときは、特にコーディネートのキーになるアイテムには極力ジャパンブランドを着用するようにしているんですが、
このTシャツも来月の出張の時にスーツケースの中に入れて連れて行くつもりでいます。
私は音楽には非常に疎い人間なので、
このブログでも過去にほとんど音楽の話題を取り上げたことがないんですが、
私が個人的に「いいな」と思っているミュージシャンが
2人(2組)も、今回「フジロックフェスティバル'12(FUJI ROCK FESTIVAL '12)」に出演されることを知って、
生まれて初めて、フジロックに行って見たい、見に行きたいなと真剣に思いました。
1人は、
今年に入ってからネットサーフィンをしていて初めて知った
台湾の人気女性シンガーソングライター、張懸さん(フジロックのホームページには、DESERTS CHANGという名前で掲載されております)。
そして、もう1人(1組)は、
昨年末、帰省中に自宅でたまたま見ていた深夜番組に出演しておられた、奇妙礼太郎さんの、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団です。
ライブを一度見てみたいと、それからずっと思っていたので、つい数日前に、偶然ネット上で、フジロックフェスティバルに奇妙さんがご出演されるという情報を見て、「おおっ〜」と小声で歓声を上げてしまうくらい、感激いたしました。
海外にも、沢山、いいミュージシャンやバンドって存在するんですよね。
そして、どこの国であっても、その国の中で売れておられる方って、やはり、飛び抜けていいところがある。
その一方で、奇妙さんのように、インディーズで活動なさっておられる方の中にも、
独特の豊かな情感を持つミュージシャンも存在します。
奇妙さんの歌は、吟遊詩人のような生活の中からしか生まれてこないものなのかもしれませんが、
大ヒットを飛ばすメジャーシンガー、メジャーバンドというポジションではなくて、
インディーズとメジャーの中間、くらいなところで、奇妙さんやバンドの皆さんの暮らしにゆとりが出るように、もう少しファンが増えてくるといいな、と思っていました。
今回のフジロックは、ステップアップされるチャンスだろうと思います。頑張って欲しいなと思います。
フジロックが、日本の音楽ファンに、既に人気が確立されたスターのステージを楽しんでもらうと同時に、もっと幅広い裾野の部分も含めて、「こんないい音楽があるよ」ということを紹介する役割を果たしているものなんだろうな、ということが、初めて実感としてわかりました。
東京ガールズコレクションさんや、東京ランウェイ(&神戸コレクション)さん、ガールズアワードさんと似たところもありますが、
フジロックの方が、もっと、懐深く、ジャンルの幅が広い感じがします。
そもそも、ガールズイベント系は、ターゲットがF1層の「女性」に絞られているところが、どちらかというと男性の方が多く、年代も幅広い(と聞いている)フジロックとは異なりますし。
しかもそれが、気持ちの良い自然環境の中で開催されるというところが、都会の屋根のある建物の中での開催とも全く異なりますよね。
ガールズ系とか、東コレ系とか、そういうくくりを取っ払って、フジロックの会場で、音楽に似合うショーとかインスタレーションを自由な発想でやれたら(例えば、ブランドさんやデザイナーさんがご自身の好きなミュージシャンとコラボするとかすると)、面白いでしょうね。
このブログには、投稿欄にYouTubeの画面は直接貼れないので、張懸さんと奇妙礼太郎さんの歌の動画へのリンクだけ貼っておきます。ご興味のある方、ぜひ聴いてみて下さいね。
◆個人的に好きな台湾歌手1 張懸 Zhang XuanーYouTube
*曲名は、「寶貝 (Bao Bei)」
自分へのメモ書きです。
◆マガシーク、VANCL社と業務提携し、中国におけるファッションEC事業を開始ーマガシーク(株)プレスリリース
◆凡客旗下V+设日本流行时尚馆 与MAGASeek合作ー腾讯网
マガシーク(株)さんは伊藤忠商事(株)さんの子会社さんですが、
この記事のケースは、見出しをぱっと見ただけでわかる通り、
伊藤忠さん本体がよく行っておられる、中国企業への「投資」ではないんですよね。
VANCL社さんは、中国のネット通販の業界では著名な成功企業の1社で、
中国のポータルサイトを見ていると頻繁に同社のバナー広告が目に入ってくる(おまけに、うっかり踏んでしまう・・・笑)し、
フルフィルメントがしっかりしているという報道も、この目で確認した訳ではないですがよく目にしますので、
間違いなく向こうでは一流、よい相手と組まれたようには思います。
思うんですが、正直なところ、このケースは、
蓋を空けてみないと、どうなるかわからないな、と私は思っています。
VANCL社さんが、マガシークさんの取り扱い商品を売り始めて、
「これは行ける、儲かりそうだ、頑張ろう」と思えば、うまく行くだろうし、
「これは難しい」と思われたら、見切りは早いんじゃないかと。
残念ながら、やるかやらないかは、ほとんど先方次第、日本側ではあまりコントロールできないのではないかと・・・。
日本国内においては、ファッションECの分野がZOZOTOWNさんの一人勝ちっぽい雰囲気になっていて、
個人的にはそういう状況はお客様にとって好ましくないですし、
大昔、マガシークの井上社長にはセミナー等でお目にかかったことがあって、
素晴らしい方だと思っていますので、頑張って頂きたいなと思いつつも、
「じゃあ、どうすれば」と言い難いのが、ネット、リアルを問わず、中国での商売の難しいところであるように思います。
今週号のWWDジャパンさんの別冊BAG特集の広告を拝見して思ったんですが、
イタリアのバッグブランド「フルラ(FURLA)」の新しいライン
「フルラ・アンド・アイ(Furla and I)」は、売れそうな気がします。
「フルラと私」、ネーミングがいいですよね。こんな風に命名したというところに、満を持して発売します、という同社の自信と力の入れようを感じます。
イタリアン・ヴォーグのウェブサイト「Vogue.it」は、今年2月の展示会シーズンに既にこの商品の紹介記事を掲載しておられたんですが、
この記事の中に「a double-face shopper」(筆者訳:ダブルフェイスの買い物袋)とあるように、
リバーシブルで色柄を変えることが出来、なおかつ形もトートバッグ型とスクエアバッグ型のツーウェイで使えるという優れ物なのだとか。
別に、同社だけを応援している訳じゃないんですが、「よく考えられているな」と思って、感嘆いたしました。
私はブランド物のバッグをあまり持つ方じゃないんですが、「フルラ」は家族にプレゼントされたショルダーバッグを1点だけ有しております(逆に、自分の家族に買ってプレゼントしたことも、過去にはあります)。
良いバッグなので、たまに引っ張り出しては仕舞い、という感じで大切に使っているんですが、
家族が荷物の多い私のためにということで買ってくれたものが、丸底&バケツ型で牛革の非常に大きなオレンジ色のショルダーバッグで(重量感もあります)、
今見ると、やはり、昔の「フルラ」だな、という印象なんですよね。
最近の「フルラ」は、商品企画や広告ビジュアルが急激によくなってきたように思いますので、
元々、「コーチ」などと並んでアフォーダブルラグリュアリー(買いやすい価格のラグジュアリー)なブランドですから、
また新しいのが1点欲しいな、なんて思いながら、広告を見ていたんですよね。
といいつつ、実はこの秋冬用のバッグも、既に某所で発注済みなのでありました。決して無駄使いはしていないつもりなんですが、仕事柄何だかんだで買っちゃうんですよね、いろいろ。
6月9日(土)付けのエントリー
「モチベーション需要獲得に貪欲な楽天ー次のスーパーセールは9月!?」で、
「今回は、どうも楽天さんが思っておられた程の売り上げには達していないんじゃないかという話もあるようですが、」と書いたんですが、
私が愛読している業界紙の1つである日本ネット経済新聞さんが、
6月14日(木)付けの紙面で、
「楽天が6月3日に実施したセール企画『楽天スーパーセール』の26時間の流通総額が前回を上回ったことが分かった」(同紙より引用)
と報じておられました。
{ちなみに、前回の3月4日(日)の結果は24時間で約125億円です。}
それに続いて、
「ただし、アクセスが集中して受注がストップするなど、出店者に迷惑をかけたことを理由に、具体的な流通額は公表を避けた」(同紙より引用)とも。
おっしゃられることは、非常によくわかります。
蛇足ながら、「出店者に迷惑をかけた」という表現のみで、「お客様」という言葉が出て来ていないのは、業界紙さんの取材だからで、
当然同社の幹部、スタッフの皆様方、そして、出店者の方々も、「お客様に申し訳なかった」と思っておられるはずです。
但し、今回のスーパーセールは、当初予定の26時間プラス48時間のセール延長も含めての話なので、
純粋に3月の24時間対6月の26時間ベースで比較すると、夜10時頃かご落ちが連続し注文が出来ない状況があったため、「時間延長で売り上げが上乗せされた」という見方もあるようですね。
出店者を取材された上での推定数字は、同紙には掲載されておりますので、ご関心のある方は是非同紙を買ってお読み頂ければと思います。
ネットの世界では、セールストークに押されてどんどん気分が上がり購入決定に致るリアルでの対面販売と異なり、
買い物かごに入れ、購入ボタンを押す直前に、
お客様が「やっぱり他にもっといいものないかな」と思って一旦冷静になってしまいがちなところがあるため、
「タイムセール」であおりをかけるのが効果的であるというのは、ネット通販経験者ならば誰でも感じておられるところでしょう。
但し、あまりにもアクセスが集中しすぎると、システム上の問題が生じてしまう・・・。
個人的な予想ですが、お客様の利便性とシステム上の問題双方を鑑みた上で、次回からは26時間ではなく、最初から48時間など、もう少し長い期間設定での開催になるかもな、なんて思っています。
しかし、『日本ネット経済新聞』さんも書いておられましたが、楽天さんのスーパーセールがこれだけうまくいっているのは、出店者の皆様が激安商品をものすごく沢山ご用意なさっておられるからで、
それが、その時だけの一過性の売り上げにとどまり、リピートにつながらないとしたら、単に利幅を大きく削って損するだけ、ということになってしまいます。
これだけ大掛かりなイベントを、もし年4回のペースで実施していくと、
うまくするとスーパーセールの売上高だけで年間1兆円強の取扱高の8%から、10%くらい取れるか・・・くらいの皮算用もあるのかもしれませんが、
その一方で、良品佳品を適正な価格でアピールしておられる出店者さんの商品のフォーカスしたイベントなども企画していって頂きたいなと思います。
6月15日(金)付けの
繊研新聞さんのインタビュー記事「パーソン」が面白かったです。
「マウジー」「スライ」「アズール・バイ・マウジー」などの人気ブランドを擁する
バロックジャパンリミテッドの社長兼CEO・村井博之氏へのインタビューが、
1ページに大きく掲載されていました。
村井社長兼CEOへのインタビューは、その前に他紙にも掲載されており、
来期(2014年1月期)には中国の店舗数100店・黒字化を計画しているということに関しては既報済みでしたが、
繊研新聞さんの記事は、中国でのビジネス経験の長い村井社長兼CEOの人となりや、ものの考え方がよくわかる、掘り下げの深いものだったように感じました。
特に、ファッション業界人の胸に刺さる内容だと感じたのは、
「電気ハイテク業界でも、日本の大手企業が誇ってきた物作りが、韓国、台湾、中国などの圧倒的なコスト競争力に押されている状況です。日本は最先端の技術を持っておきながら、コスト競争力のなさで存在感を失っています。この動きを見ると、SPA(製造小売業)で何が起きるかも推して知るべしではないでしょうか」(同紙より引用)というくだりです。
日本のファッション業界のSPAブランドも、「ZARA」や「H&M」「forever21」など欧米発の外資だけでなく、
日本国内でもアジア発のSPAと競り合わなければならない時を間もなく迎える、
村井社長兼CEOの指摘する事態が、あとどれくらいの期間の後に発生するのか、
その時までにグローバルブランドに成り得ていない中途半端な規模のブランドは、
シェアを奪われる事態になる・・・それは、相当に現実化する可能性の高い未来予想図のように思います。
一方、中国などアジアの国々、日本から見るとアウェイのエリアでのビジネスに関してはどうでしょうか。
日本人を現地に赴任させる、出張ベースで派遣する・・・それらの人数が多ければ多いほど、コストはかさみます。
なおかつ、マーチャンダイジング(MD)に関しても、日本人主導のブランドだと、どうしても現地の好みや感覚とずれてしまう。
アパレル業界で、企業や、人が成長する速度は、非常に早いです。日本でも、専門学校や大学を出て20代後半には一人前になってブランドを切り盛りしている、数億円の生産を回している、というのは当たり前だと思いますので、
もう2、3年は日本からノウハウを吸収する時間が必要かもしれませんが、
4年から6年後くらいには、マネジメントから、企画、生産、販売の全てのセクションまで、
全て中国人が行う、中国発のブランド、
そして、“日系”である由縁は、唯一親会社の社長=出資者が日本人だから、という
99.9%中国人のみの、完全に現地化したブランドが、どんどん登場する時代になるのではないかと思っています。
その形が出来上がった時が、日系中国ファッションビジネスの完成形、であり、本当の始まりの時でしょう。
ファッション業界はシーズン末期を迎えているんですが、
今週は気になるニュースがかなり多かったです。
今週号のWWDジャパンさんや繊研新聞さん、そしてネットニュース各社が報じていた、
「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」がアーティストの草間彌生氏とコラボし、
伊勢丹新宿店さんと、「ドーバーストリートマーケット銀座」に期間限定ショップをオープンするというニュース(Fashionsnap.com さんへのリンクでご覧下さい)↓↓↓
◆LOUIS VUITTON×草間彌生 伊勢丹とドーバーに限定ストアーFashionsnap.com
WWDジャパンさんははっきり書いておられましたが、
「伊勢丹新宿店にヴィトンが正式にインショップを構える前触れではないか」というご指摘、
私も同様の意見です。
正直なところ、日本でのラグジュアリー・ブランドの売り上げは、
東日本大震災があった昨年度よりは回復基調にあるとはいっても、
既にピークを過ぎているように思うんですが、
アジアからの観光客、特に中国人観光客向けに
「ルイ・ヴィトン」は欠かせないブランドだから、というのが、その理由です。
中国では、超富裕層、富裕層に続く中間層も次第に購買力をつけつつありますが、
過去の日本と同じで、マスの消費力が高まれば高まる程、ヴィトンが優位になりつつあるな、というのが、
時々上海や北京に行って商業施設を見ていて思うことなんですよね。
ヴィトンさんは、実は、接客にあまり時間をかけず、ウェアよりは服飾雑貨中心で、毎日飛ぶように商品を売っていくスタイルの、「ラグジュアリーブランドのマス」なんですよ。
(ということで、ブランディングとか広告プロモーションも確かに大切ではあるんですが、裏の部分でのストアオペレーションや在庫管理、物流等、実はロープライスのSPA企業同様の、仕組みが極めて重要な業態に実はなっている、という風に理解すべきなのではないかと私は思っています)。
マスが叩く数字の大きさを考えると、現在は恐らく昔ほどではないと推測しておりますが、百貨店側にいかに不当な条件をつきつけられようが、売り上げの額を考えて譲歩せざるを得ない、
さらには、「ヴィトンがお店に入っていないことに対するお客様の苦情」の数の多さにも、当然配慮が必要でありましょう。
都内の他のファッションに強い商業立地(銀座や渋谷、原宿、表参道)に比べて、
新宿はそぞろ歩く楽しさが正直あまりない場所で、
もし私が中国人観光客もしくはビジネスパーソンだった場合、
「日本一(高感度な)百貨店だと聞いているから」もしくは「上海や天津、成都などの伊勢丹のカード会員になっている固定客だから」新宿伊勢丹さんに行ってみようと思うのではないかという気がします。
但し、時間があまりなくて、旅の目的の1つに「ヴィトンの○○というバッグを買って帰ろう」「家族にヴィトンを買ってかえってくるよう頼まれた」という動機も加わった場合、
新宿はパスするかもしれません。
そして昔と異なるのは、その種の「どこにどんなブランドが入っているか」という情報が、ネット上に書き込まれ、富裕層やバーリンホウ(80年代生まれ)、ジョウリンホウ(90年代生まれ)の方々には来日する前に検索され読まれてしまう、ということです。
逆の立場ですが、私達自身も、海外の特定の場所に行く前にいろいろ検索をかけて調べまくるじゃないですか。それと全く同じだと思います。
同ブランドが入店していた三越伊勢丹傘下の三越アルコットが今年3月末に閉店し、
同系列の新宿の店舗にはヴィトンが存在しないということになってしまっていますのでね。
しかし、前にもご紹介したことがあったかと思いますが、
東京都現代美術館チーフ・キュレーターの長谷川祐子氏が、
「(『コムデギャルソン』のデザイナー)川久保玲氏はファッション界の草間彌生氏だ」というのはけだし名言ですね。
草間氏というと黄色や赤の水玉を連想しますが、川久保氏も水玉=ドット柄好きで、特に青い水玉、の印象が強い方のように思います。
しかしながら、個人的な意見ですが、草間氏からはエネルギッシュで明るい「陽」のイメージを受けるんですが、
川久保氏の表現からは、「陰」のイメージを非常に強く感じてしまいます。
草間氏の表現への衝動はパーソナルなものだと思うんですが、
川久保氏の創造の背景には、ご本人が自覚しておられるのか否かに関わらず、「日本的なるもの」の影響とそれへの反逆、という思いが脈々と流れている、
実は、似て非なる存在であるというのが私の考えなのですが、いかがでしょうか。
今週6月11日号のWWDジャパンさんの中国特集を読んでいて
一番気になったのは、
「ラグジュアリーブランドの出店ラッシュ&ランウェイショー」という一覧表の中にあった、
今年2012年の3月、「ニーマン・マーカスがグラムール・セールス・ホールディングスの株式取得。年内に中国でeコマースサイト立ち上げ」
・・・という記事でした。
自分が単に、ニュースをきちんとフォローできていなかった、ということなんですけどね。
ちょうど今年の3月に、上海に「ノボマニア(NOVOMANIA)」という展示会を見に行った際に、会場のVIPルームで「グラムール・セールス・チャイナ」のパンフレットを配っていたんですが(頂いたんですが、廃棄してしまったのでもう手元にはないんですが)、
その直後にそういうニュースが発表されていた、ということに、全くピンとこなかったというのも、
相当にニュースに対するカンが鈍っているなと思って、反省しきりでありました。
ニーマン・マーカスさんは高級百貨店さんで、ブランドとの取引も多く、在庫も持っておられると思いますので、「グラムール・セールス」さんのような余った在庫を安く売る業態とは非常に相性が良いと思います。
自分へのメモ書きの意味で、この件について取り上げているPortfolio.com というサイトの記事にリンクを貼っておこうと思います。
◆Neiman Finds Chinese E-commerce Partners-Portfolio.com
ちなみに、この記事の見出しには「Chinese」という文字しか見当たりませんが、
グラムール・セールス・ホールディングスは、日本の「グラムール・セールス」も運営しております。日本の「グラムール・セールス」のサイトの中でも、このニュース・リリースは非常に大きく取り上げられていました。
いやはや、忙しさにかまけて・・・本当にお恥ずかしい限りであります。
ところで、これらのニュースを英語や中国語で追いかけているうちに、私の中に本論とはあまり関係ないかもしれない疑問が沸いて参りました。
「招待制ファミリーサイト」「会員制ファミリーサイト」「フラッシュセールサイト」・・・「グラムール・セールス」さんとか、ギルト(GILT)さんのようなサイトを、日本ではそのような呼称で表現しておりますが、
一体中国では、どう表記しているんだろうかと???
中国のネットビジネスに詳しい方、是非ご教示頂きたいんですが、
私が調べた限りでは、どうやら、「网上Outlet」(筆者訳:ネット上のアウトレット)と言っておられるみたいですね。
ご参考までに、haiba.com というサイトの中にあった、「グラムール・セールス・チャイナ」について説明した博客(ブログ)のエントリー「网上Outlet:Glamour Sales」をご紹介しておきます。
「网上Outlet」という言葉では、限られたお客様(会員)のみが対象のバーゲンであること、数日間限定で、その期間が過ぎると仮に売れ残りがあってもセールは終わってしまうこと・・・といった特徴が一言で十二分に表現されているとは言えません。
中国では、小売業がリアルでもネットの世界でもまだまだ発展途上で、業態の概念が未熟なので的確な専門用語が生まれていないのでしょうか。
しかしながら、エントリーの文中には、「会員」とか「48-96小时」(筆者訳:48-96時間)といった表現も出て来るので、
このエントリーを書かれた方は、「グラムール・セールス・チャイナ」のビジネスモデルのポイントを理解しておられるように思いました。
ちなみに、アメリカのサイトでは、
「flash sale site」という表現はよく見られます。
もう1つの「family sale」の方ですが、
そもそも、リアルの「ファミリーセール」に関しても、
「family sale」という呼び方よりは、「friends and family sale」という表現の方がネット上では遥かに数多く見られるようですね。
「従業員の友人と家族のみを優待するセール」という趣旨だったのが、
いつの間にか日本では「friends」が抜け落ちてしまって、
さらにはリアルの「ファミリーセール」の方が先にそうなっちゃったんですが、
正直なところ、招待状さえ持っていけば誰でも入場OK、という感じになってしまっている。
言葉の上でだけ、「ファミリー」という表現が残っている状況です。
いずれは、「ファミリーセール」という呼称は、他の言い方に変わっていくのでしょうか?
言葉は生き物、本当に興味が尽きません。
今日、ある方とこの話で盛り上がったんですが、
ゼロ年代、というか、
この3、4年の間に急速に、
産休を取得されるショップスタッフさんが増えたということで、
非常に良いことなんじゃないかと思います。
クロスカンパニーさんのように、ショップスタッフさんの正社員採用、待遇の向上に力を入れて成功される企業さんが出て来て、
ファッション業界というと、働きにくい業界という世間のイメージも徐々に変わりつつあるんじゃないかなと思いたいところであります。
それこそ、90年代の中頃はまだ、
百貨店系の大手アパレルさんの派遣店員さんの平均勤続年数が3年と言われているのを取材の折に耳にしていたほどですから。
しかし、これだけ皆さんが長く働くようになってくると、逆に、いろいろな問題が生じてくるのではないかという疑問も沸きますよね。
人件費に関しては、給与が一定の水準に達したら後は役職が上がらない限り上げない、ということも可能だと思いますが、
昔よく言われていた、
「ヤング向けのブランドのショップスタッフはある年齢になったら続けられなくなる」という問題、
それが、最近の店頭では、たぶんほとんど問題視されなくなりつつあるんだろうな、ということに気づきました。
ナチュカジ系ブランドには、30代のママさんとか、最近は40代、へたをすると20代のお子さんがおられると思しき50代くらいの方も安さとあのゆるい雰囲気につられて食いついてきておりますし、
セレクトショップさんも、「大人化」とか「大人カップル市場」の掛け声で客層がノンエージになってきておりますし、
そして、究極のノンエージブランドは、ユニクロさんで、
あの商品なら40代、50代、もっというと60代の方でも溌剌とした若さのあるショップスタッフさんならば店頭にそういう方々がいらっしゃっても全く違和感がないように思います。
世の中の少子高齢化、女性の社会進出に合わせて、ファッションのショップのマーケティング手法やブランドコンセプト、マーチャンダイジング(MD)が昔とは変わってしまったので、
自ずと、「同じブランドで長く販売するスタッフ」の存在も許容されるようになってきた。
昔々、よく百貨店や路面専門店のミセスショップさんが、
「ヤングのブランドで年齢が30歳前くらいになっていて、そのお店にはだんだん合わなくなっているけどものすごく販売力のある人」を探してスカウトしておられた時代がありましたが、
隔世の感があります。
ブランド自体が、お客様を年齢切りしていない場合は、ショップスタッフさんも、年齢のせいで店頭に出にくくなる、という問題は、全くない訳なんですよ。
世の中の女性全般と同じく、ショップスタッフさんにおいても、そしてブランド側においても、「ここから先はオバさん」という境界線は全てとは言わないですがかなり消滅してしまった・・・ということなんでしょうね。
先週末も、仕事でお会いするいろいろな業界人の方々と今春開業した商業施設(SC)の話になったんですが、
「渋谷のヒカリエさんは今もものすごく(お客様で)混んでいますよ」という風に何人かの方がおっしゃっておられました。
私は、5月20日の日曜日と(下のお写真3枚は全て5月20日撮影分です)、6月2日の土曜日にヒカリエに行ってきたんですが、
両日とも、非常に混み合っておりました。
4月26日(木)にオープンしてから、まだ1か月半弱しか経っておりませんので、
一般論から行っても、まだまだオープン景気が続く時期だと思いますし、
ましてヒカリエさんの場合は、渋谷駅から地下道及び高架で直結・徒歩1分ほどという好立地ですので、
しっかりとした施策を打てば来街者数はキープできる、
そして、後述しますが、デベロッパーである東急電鉄さんには、好調をキープしていかなければならない事情が存在しているようです。
しかし、自分もそうなのですが、ファッション業界の皆さんが「ヒカリエ」と言っているのは「ヒカリエ」の中の商業ゾーンである「シンクス」のことを意味しているのにも関わらず、
ほとんど全員と言っていいほど、
「シンクス」とは口にされず「ヒカリエ、ヒカリエ」とおっしゃられますね。
正直、ちょっとわかりにくいんですよね。
特に、通常のファッションビルさんなどでは、飲食のゾーンは商業施設に含まれているんですが、
ヒカリエさんの場合は、6Fと7Fの飲食ゾーンはシンクスではなくヒカリエになっております。
ビル(複合施設)全体のデベロッパーは東急電鉄さんで、
B3から5Fまでの商業ゾーンは東急百貨店さんの所管になっているので名称を変えておられるのだと思いますが、
「ヒカリエ」というネーミングは非常によいお名前ですから、1本に絞られてもよかったのではないかという気が致します。
さて、「ヒカリエ」の中の「シンクス」の感想ですが、
非常に思い切ったMDを組んでおられることに感心いたしました(そして、現時点では、それは成功なさっておられるように思います)。
アパレルを中心とする狭義のファッション関連の面積を思い切ってカットし、
コスメを2フロア、ファッション雑貨+ライフスタイル雑貨を2フロア、狭義のファッション関連2フロア、食品を2フロア、という構成です。
そして、入り組んだ売り場配置を見れば想像がつくのですが、新聞報道等によると、取引形態も自主編集、業務委託、賃貸の3タイプあるということで、
従来の百貨店業態の枠を超え、時代性にあった品揃えを目指した新しいSCになっております。
駅直結の施設ということで、「何故ルミネさんみたいに、セレクトショップ中心に有力テナントを揃えた構成にしないんだ」というご意見もちらほら聞かれますが、
私見ですが、渋谷エリアには神南地区に昔からセレクトショップの路面店が軒を連ねており、「ヒカリエ」よりは随分昔から街を形作ってきた訳ですから、新宿や池袋、横浜のように、「セレクトショップが出店する場所を探さないといけない」状況だったから駅ビル、ファッションビルが出来てちょうどよかった、という風にはいかなかったと理解すべきではないかと考えています。
ヒカリエの第一のターゲットは、狭義のファッションゾーンのMDを見るとわかるのですが、渋谷で働くOL層、次が、若いファミリー層なんだろうと思いますが、
現状では、恐らく東急線などを利用して渋谷より西の方からやってきたミセスや年代の高いご夫婦なども多く、
そういった山の手のお客様は、感度の高い方が多いですので、生活雑貨のゾーンなどで喜んでお買い物なさっておられて、結果的にノンエージになっているなという風に感じました。
テナントさんで目を惹いたのは、
まずB1の「よーじやカフェ」(キャラクターの顔が描かれたカプチーノが飲みたい方が多いのか、行列が出来ていました)、
1Fの「コスメキッチン」、そして「サボン」。コスメキッチンさんはどんどん品揃えがよくなってきていますね。サボンさんは、何と言っても実演でお客様を惹き付けるパワーがすごいです。売り場によい香りもただよっていて、手を洗って頂くと手もすべすべになりますし、うっとりとした気分になります。
そして、「カーサ ヴィアバスストップ」。ヴィアバスというとお値段高そう、ということが頭にインプットされてしまっている方、是非敬遠せずに売り場をのぞいてみて下さい。高いものもありますが、買いやすい価格のものも多く、魅力的な売り場です。
あと、ファッション関係では、
ビームスさんの「ビームスライツ」が、価格も感度も抑えめにしてきておられるのに対して、
セレクトショップさんの中では元々買いやすい価格帯のイメージが強かった「アーバンリサーチ」さんは、結構こだわりのある価格が高めの商品を増やしておられる感じで、
元々のブランドの歴史が異なるので、それぞれがそういう方向に今進もうとしておられるのは非常によく理解できるんですが、
対照的な動きになっておられるのが面白いなと思いました。
「シンクスヒカリエ」全体でいうと、こちらの飲食店さんは、非常にレベルが高いと思います!全部食べた訳ではないですが、少なくとも、私が頂いたもの(7F「茶寮伊勢 藤次郎」のお団子、7F「鉄板焼 お好み焼 かしわ」のお好み焼、2F「ピコロ」のシュークリーム)は全て美味しかったです。
といった感じで、初年度売上目標の180億円の達成はまず問題ないだろうと思われる「シンクス」なのですが、
将来に向けて気になる問題がございまして、
東急百貨店さん全体で言うと、これから渋谷駅周りの大改装に伴って東横店の東館が閉館になった際に、
これまで東館が上げてきた売り上げをカバーしきれるのかどうか、ということ・・・。
この点について、「くろかわポタリング研究所」さんというブログが、わかりやすくまとめて下さっておりますので、ご紹介させて頂きます↓↓↓
◆東急百貨店東横店東館閉館、ヒカリエ、渋谷駅街区土地区画整理事業ーくろかわポタリング研究所
とはいえ、中長期的に見れば、渋谷駅を改装することが渋谷駅周りの商業地としての価値アップ+東急沿線の住宅地としての価値アップにつながることは間違いない訳で、
全てトータルして計算しプラス方向にもっていくための施策を打っていかれるのだろうと思います。
ヒカリエ(シンクス)のMDも、今後周辺環境が変化する際にはチェンジすることも予想されます。今後の動静に注目したいと思います。
3月4日(日)に続いて、
先週の6月3日(日)に、
楽天市場さんが2回目のスーパーセールを実施されました。
私自身は、3日の夜10時前くらいから、
買いたい商品を買い物かごに入れてもそこから前に進めない・・・という状況を10回以上繰り返し(いわゆる、「かご落ち」とネットショップの業界で呼ばれている現象ですね)、
スマートフォンでfacebookを見ていると、友人知人も同様の状況なんだなということがわかって、
当日は買うのを諦めました。
翌日会社に行って、リアルでおつきあいの深い方々もかご落ちに怒っておられたことを知り、改めてセールの認知度が前回以上に高まっていたことを感じました。
48時間セールは延長されましたので、無事、狙っていた商品はゲットでき、「良かったな〜」と思った次第です。
今回は、どうも楽天さんが思っておられた程の売り上げには達していないんじゃないかという話もあるようですが、
それにしても、楽天市場さんの、売り上げの拡大に貪欲な姿勢は、大手企業の地位を維持しようと思うならば不可欠なことだと思いますので、本当にすごいなと思います。
3月はファッションの業界に関して言うとシーズンの立ち上がりの時期ですが、
6月という時期は、父の日商戦、そして、東日本ではお中元商戦の時期になります。
「何かいいものがあったら買おうか」という衝動買いよりも、
ギフト需要、モチベーション需要を取るべき時期なのです。
そういう意味では、買う側の計画性、冷静さが高まっている時期ですので、「思ったほど売り上げが上積みできない」という結果になるのはわかるような気がいたしますが、
ここで楽天さんがモチベーション需要を確実に取っていかれるということは、
同時に他の業態が過去に得ていた売り上げが減る、ということだと思うのです。
かつては、6月はお中元や父の日のギフトを買うお客様が百貨店に集まってきていた時期でしたが、
そのお株は、今に始まったことではなく、もう数年前からネットショップにじわじわと奪われている・・・
更に楽天さんは、スーパーセールでポイントの加算という仕組みを大々的にアピールして、ギフトや目的の商品を買いに来たお客様にファッション商品など他の物もお買い上げ頂こうとしている・・・
そこに、時代の流れを感じました。
このペースで行くと、たぶん、次のスーパーセールは9月、
その次は12月の歳末商戦の時に、ということになるのではないかと私は思っています。
ただし、ファッション商品に関しては、
こういう安売りに乗らざるを得ないのはブランド力のない弱者であって、
自社サイトで隆々と商売が出来る「ブランド」ほど強いものはない、ということは楽天さんも重々以前から感じておられた筈で、
だから「Rakuten Brand Avenue」を開始されたのではないかと思っています。
これは、小売業についてではなくて、
小売業に商品を納める問屋さんやメーカーさんについての話なんですが、
ゼロ年代は、
アパレル市場が縮小する一方で
リビング、インテリア、ライフスタイル関連の、
特に高感度な業態が増えてきたのに連れて、
繊維製品や服飾雑貨の問屋さん、メーカーさんによる
ライフスタイル関連市場に照準を合わせたブランディング、商品開発が激増した時代だったように思います。
しかし、最近私は思うんですが、
みんながこぞってライフスタイル、ライフスタイルと叫んでいる今、
逆に、ファッション市場の方にチャンスがあるのではないかと思える事例を
結構あちこちで見かけます。
問屋さん以上に、メーカーさん、工場、生産系の方々が、
ファッションよりはライフスタイル市場向けの商品は定番性が高くて、
一度いいものを作ったら息長く売れるから安心だ・・・といった考え方を持っておられるケースが多いように思いますが、
それはあくまでも、明確なコンセプトがあり、優秀なディレクターとプロダクトデザイナーが開発している場合にしか言えないことで、
どこに特徴があるのかわからない、ぱっと見て「いいな、欲しいな」と思えない凡庸な商品しか開発出来ない企画チームの仕事だと、
バイヤーさんは寄り付いてはくれない、というのは、ファッションの場合と同様なんですよね。
もう1つ、全般的に、ファッションの売り場(セレクトショップや百貨店のファッションの売り場)と、ライフスタイル関連の新業態や、百貨店のリビング・インテリア売り場の価格帯を比べた際に、
ファッションの売り場の方が、はるかに高い価格が通るのが通例だという事実を見逃してしまっている方々が多いように思います。
確かに、春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来て、また春が来て・・・その度に新しい商品を開発しなければならないのは大変なんですが、
季節が移ろうごとに、時は巡り、人は年を取り、世の中全体の気分も変わっていくので、
その度ごとに、新しい“色”を求めて商品を買いたくなるのが、人間なんだろうと思います。
プロダクトデザインの分野では、機能優先、不易流行的な考え方が高い価値を持っているように思いますが、
ファッションの世界に存在するいい意味での軽やかさ、遊び心、時代の空気感を纏う心意気のようなものの価値を、
もっともっと再認識すべきではないかというのが、私の考えです。
製造メーカーさんのお立場だと、
生産設備を遊ばせたくないため、どうしても不安定なもの、リスキーなものを避けたい、だからファッションよりもライフスタイル関連に惹かれる、という気持ちになってくるというのは非常によく理解できるんですが、
ファッション分野でも、しっかりとしたビジネスを組み立てる力を持ったマーチャンダイザーとデザイナーと組めば(あるいはメーカーさんの経営者もしくは内部人材が、これらの機能の担い手となれば)、
粗利が非常に高いうまみのあるビジネスが展開できる、
製造系の多くの方が苦手としているこの分野に今、大きなチャンスがあることに早く気づいた者勝ちだと思います。
実際、最近横編みのニットメーカーさんなどの中から、ファクトリー発のスターブランドが幾つか出て来ているのが、よい証拠ではないでしょうか。
春、夏、秋、冬、いい商品を作って、良質適価で売りましょう。誰もがやっているからとか、逃げでライフスタイル市場に向かっては駄目ですよ。
中国のネットニュース
「中国服飾新聞網」をチェックしていて知ったんですが、
ユニクロ(UNIQLO)さんが、
中国では初めての郊外型店舗(DRIVE-IN店舗)を5月26日にオープンしたようです。
そのお店は、上海曹安公路店。ユニクロさんの中国向け公式ホームページに、地図が掲載されておりますので、ご覧下さい↓↓↓
「中国服飾新聞網」の記事文中でも指摘されておりますが、
元々、日本のユニクロさんは初めは郊外での多店舗化で成功しており、
「优衣库位于南京西路上的2300平米旗舰店单店的投资额就达到3000万美元」
(筆者訳:ユニクロの南京西路の2,300平米の旗艦店単店の投資額が3,000万米ドルにも達する)
・・・ことを考えると、
一定の知名度、ブランド力を得た現在、中国でもローコストで出店が可能な郊外にも目を向けるというのは、
正しい戦略だろうと私も思います。
「未来五年优衣库在中国的店铺有望达到500~600家左右,而自驾购店将主要在广州、北京等一线城市铺开,争取5年后而这种大型郊区店预期能占销售总额的20%左右。」
(筆者訳:これからの5年で、ユニクロの中国の店舗は500から600くらいに到達させたいと思っており、そして、DRIVE-IN店はまさに広州、北京などの一線の都市にお店を開いて、5年後にはこれらの大型郊外区店が営業総額の20%前後を占めるのではないかと予想する)
・・・という、注目すべき発言が、
ユニクロさんの中国の子会社である、迅销(中国)商贸有限公司の董事总经理・潘宁氏の方からあったようですね。
◆ファストリ、上海に子会社設立、ユニクロ中国出店を加速ーYAHOO!ニュース
上記のニュースを、きっちり突っ込んで取材しておられるのは、
残念ながら日本のメディアではなく中国のメディアでありました。
「中国服飾新聞網」の記事の末尾は、
「记者在优衣库办公室的走廊上贴着他们2012年目标:胸怀大志、勇往直前。潘宁没有具体解释目标有多大,只透露,上半年销售有望增加90%。看来,自信满满的优衣库早已做好侵占中国市场的准备。」
(筆者訳:記者はユニクロのオフィスの廊下の上に、彼らの2012年の目標が貼ってあるのを見た。『胸怀大志、勇往直前=胸襟を開き大志を抱け。勇気を持って前に進もう』。潘宁氏からは具体的な目標の開示はなくただ非常に大きいという話しかなかったが、推測では、上半期の売り上げは90%増加が有望だろう。見たところでは、自信満々のユニクロは早くから既に中国市場を侵占する準備をし終えたようだ)。
直接面識がないのでこれは単なる私の直感ですが、
ユニクロさんの中国事業の成功に関しては、株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長・柳井正氏のグローバル戦略を
うまく現地に落とし込んでいる現地の幹部の能力と意欲の高さによるところが大きいような気がいたします。
ぼんやりと、ネットサーフィンをしながら、
「ザラ(ZARA)」や「マッシモ・ドゥッティ」などのグローバルブランドを擁する
スペインのインディテックス(INDITEX)社が2008年にスタートした
日本未上陸ブランド「ウテルケ(uterque)」
(注:正式には、「u」の上に、ウムラウト=点々2つがついた表記になるようです)
・・・のネット通販サイトを眺めておりました。
スカート丈とか、トップスのシルエットのコンパクトな感じを見ていると
「ザラ」よりも若向きなんだけど、
「ベルシュカ(Bershka)」ほどカジュアル過ぎず、モードな感じで、
なかなかいい感じのブランドなんですよね。
今春夏のルックブックが同ブランドの通販サイトの中で紹介されておりますが、
「ビバイタリア」「アンドロジナス」「ジャッキー」「エンパイア」の4つのテーマで編集されており、
かっこ良くて、なおかつ、一般の方にとって(グローバルに)イメージを共有しやすい見せ方になっていますね。
ニッチに走りすぎない、かといって、少し頑張れば手の届くような憧れ感を感じさせるような見せ方、この落としどころをどの辺りに設定するかが、デザインチームの腕の見せ所だろうという気がいたします。
「アンドロジナス」とは、両性具有の意味で、「ジャッキー」は、アメリカのケネディ大統領夫人の、ジャクリーン・ケネディ・オナシスさんのことだと思います。
このブランドさん、恐らく、日本よりも先に中国に上陸、ということになるように私は予想しているんですが、果てさて、どうなりますでしょうか。
11年前の、同じ会場でのフィーバーの記憶が蘇って参りますが、
人気アーティスト・奈良美智氏の展覧会
「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」が
7月14日(土)から9月23日(日)までの間
横浜美術館で開かれるそうです。
奈良氏は、今年の24時間テレビのTシャツのデザイナーにも、
嵐の大野智氏と共に起用されておりますが、
現代美術の世界では村上隆氏などと並んで、一般の方にも知名度が高く人気が高い方ですので、
今回の展覧会も、またまた長蛇の列となること必至ですね。
なるべく早く足を運ばなきゃ、と思っています。
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