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2012年9月 3日 (月)

「特撮博物館」に完敗ー展覧会「FUTURE BEAUTY 日本ファッションの未来性」@東京都現代美術館

行かれた方は皆さんお感じになられたと思いますので、はっきり書いちゃいますが、

東京都現代美術館で現在開催中の「FUTURE BEAUTY 日本ファッションの未来性」、

カップリング企画、というより、向こうがメイン、こちらがサブ、という位置づけなんでしょうが、

同時開催されている「特撮博物館」に比べると、

残念ながら、来場者数的にも、内容的にも、ちょっと寂しいな、という感じでした。

「特撮博物館」の方は、50代、40代の、往年のウルトラマンなどの特撮物のファンから、もう少し若い親子連れ、ヤングのカップルまで非常に幅広い客層を集めており、

観客が多いため展示物の側になかなか近寄れない状況でしたが、

今日の午前中の様子ですと、「FUTURE BEAUTY」の方にはその5分の1くらいしかお客様が入っていない、という感じでした。

「FUTURE BEAUTY」は、2010年のロンドン、2011年のミュンヘンでの展示では評判も良かったとの話で、

たまさか、「特撮博物館」と同時開催になってしまったのが運が悪かった、と思うのは逆で、

本来ならば、「特撮博物館」目当てに来ておられるお客様にもついでに見て帰って頂きたかったな、という風に思います。

展示の内容ですが、芸術性という観点から、日本のファッションの歴史を振り返り、再評価するという目的は十二分に達成されており、

展示されている作品も、欧米のファッションと対比した際に独自性があるものがセレクトされており、悪くはないように思いました。

しかしながら、企画者、監督、そして現場が三位一体となり、とことん面白いもの、いいものを作ろうと頑張ってきた日本のTV、映画の歴史的蓄積の上に立って、

今回の展覧会のためにわざわざ新作を1本撮影し、

そのメイキング映像やセットの一部までを再現し見せるという、

前代未聞の、それこそ、入口のところの挨拶文にこの展覧会の「館長」庵野秀明氏が書いておられたように、

「大人の本気度」がみなぎっている「特撮博物館」に比べると、

正直、「FUTURE BEAUTY」の方は、既視感が強い、平板なものにしか見えなかったように思います。

同展覧会のキュレーター、深井晃子氏は、これまで数多くのファッションの展覧会のキュレーターを務めてきておられる方で、

日本のファッション業界における功績の高さについては言うまでもありませんが、

編集の切り口がいつも同じで、ファッション業界である程度の年月を過ごしてきた人達から見ると、いつもこのパターンか、ちょっとマンネリだな、という風に見えるんじゃないでしょうか。

仕事が忙しく自分では見に行けなかったんですが、昨年東京オペラシティで開かれた「感じる服 考える服」は、私の周りの方々からは非常に好評で、

たぶんその理由は、「若手10人にフォーカスする」という、編集の切り口が新しいものだったからだろうと思っています。

今回、同時開催の「特撮博物館」の客層のことを考えると、

ある知人のジャーナリストが、「何故裏原系ブランドが登場していないのか」という質問を深井氏に投げかけておられたのを読みましたが、

・「日本のストリートメンズファッション」(これこそオタク性の濃さでは、「特撮」に勝るとも劣らない、凄く濃い内容の展示に出来ると思います!)

とか、

昨年見た、航空機や自動車、医薬品の業界からユニクロまでが登場する、東レさんの総合展に見られたような、

日本の素材メーカーの開発力の凄さとか、

素材ーデザインーパターンー縫製までのものづくりの流れを動画や実演などで見せ、

日本のデザイナーズブランドが世界に冠たるものとなった背景に存在する

・「日本のデザインを支える、日本のものづくりの凄さ」

などをテーマとして、

表面的なきれいさを見せるだけでなく、その背後にあるこだわりや大変さも見てもらって、興味関心を惹くようにすると良かったのではないでしょうか。

その他にも、もっともっと切り口は山程ありますよね。

この間うちの会社のセミナーの打ち合わせの際に、ブロガーのイケダハヤトさんが、「日本では女性問題という問題は完全に消滅しましたね」とおっしゃっておられたのが印象的だったんですが、

かつてのコムデギャルソンが女性ファンに支えられていた頃のフェミニズムが、

性の問題はむしろ男性の側に形を変えてしのびよっているートランスジェンダー・・・ということで、

・「ジェンダー、フェミニズム、トランスジェンダー」(この企画の場合は、アートや社会現象などとファッションをミックスして見せないと面白くないと思いますが)

とか、

さらには、「特撮博物館」が臨場感みなぎっているのは、学芸員さんとかアートの業界の方ではなく、

実際にTVや映画の現場の第一線で活躍中の方が企画しておられるからで、

ファッションの展覧会も、

・「キュレーターを雑誌の編集長とかセレクトショップのバイヤーにして、現場目線の、もっと偏愛的な内容にする」

とか。

もう1つ、「特撮」と完全に対をなす内容にする、という手もあって、

アニメ、特撮物と並ぶ“クールジャパン”のもう1つの柱、

・「カワイイ」をテーマにしたファッションとアートの展覧会で、

「特撮」が男性向けだとしたら、こちらには、女性のお客様、お母さんと女の子を呼び込む、という内容だったら、

もっともっとワンサカお客様が清澄白河に押し寄せたのではないでしょうか。

さらには、いつまでも欧米ばかりを向くのもいいんですが、

アジアのキュレーターを起用して、

・「アジアの中の日本ファッション」というテーマでもやってみたいですよね。

とにかく、さくら的には、マンネリはNGです。

手間隙だけでなく、何をやるにもお金がかかってくるので、大変なことだとは思うんですが、

もっともっと若手や現場寄りの方を起用して頂いて、

ファッションへの驚きや感動を喚起いたしましょうよ。

最後にちょこっとだけ、展示の感想をいくつか書いておきますが、

・matohuさんの作品だけが「1.陰陽礼賛」のコーナーで、コムデギャルソンとヨウジヤマモトの中に混ぜておいてあったけれど、彼らのエレガンスはギャルソンやヨウジに見劣りしなかったです。

・全体的に、どのデザイナーのものも作品点数が少なすぎて、物足りない感があったけど、アシードンクラウドの玉井健太郎氏の作品は、加藤久仁生氏の絵と共に展示されていたので、作品の世界観がよく伝わってきて良かったと思います。

・若手ではビジネス面での成長株がアンリアレイジだということは、皆さん実感なさっておられるでしょうし、今回の展示を見てもそのことを再確認しましたが、一部で注目されているハトラも、コンセプチュアルなだけでなく着ると面白いんじゃないかと思わせる服なので、バッカーがついてもっとこのデザイナーさんのやりたいことが出来るようになってくると、面白いんじゃないかという気がします。

・2Fに、ケイスケカンダの作品が置かれているので、皆さん急ぎ過ぎて見逃さないように。

・有料の展示スペースの外にあった、ソマルタと、ベンツの小型車「スマート」のコラボは・・・うーん、これはスポンサーがらみだから仕方ないとは思うんですが、この春夏のプラダの2番煎じっぽい感じで、さくら的には「どうよ?」と思いましたね。外見を飾り立てることではなく、車という存在の本質を追求するのが、本当のデザインなのではないかと思っています。

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