「苦しい」がデフォルト設定になっている時代を、「楽しく」生きるー2013年のファッションは、若者の力で輝く
2012年も、いよいよ残すところ数時間となって参りました。
帰省して、28日の深夜に、NHKのEテレで、たまたま「ニッポンのジレンマ」という番組を見ました。
今年の元旦の夜にも、同じ番組を見ていたということ、そして、今年の夏には、このシリーズの中で、80年代以降生まれの方だけをコメンテーターに迎えた回に登場されたブロガーのイケダハヤト氏を講師には迎えてセミナーをやらせて頂きましたので、余計に感慨深いものがあったんですが、
番組の中で、ある出演者の方が、
「私達の世代は、『苦しい』がデフォルト設定になっている」とおっしゃられたのが、
非常に印象的でした。
今年仕事をやっていく中で感じていたのは、1976年生まれの方がもう36歳で、会社の中で日本経済が良かった時代を知らない世代が現場を中心になって回す時代になっている、ということです。
起業家やデザイナーも然り。
彼ら、彼女らは、公私共に、しっかりこの時代にうまく自分を合わせ、時にはうまく自己主張もしながら生き抜いていっているんですよね。
番組の中でも言及されていましたが、ネットの活用がうまく、元々フリーエージェント社会だったファッション業界の中だけでなく、それを更に超えて、地域や自分たちのファンや昔の友達や海外の友達などの間にゆるいネットワークを広げておられる姿を、私達の業界回りでも非常に沢山拝見しました。
そういうつながりが、お金に代わるセーフティーネットになるのだろうと思います。
ついこの間、多分リーマンショックの前くらいまでは、「ブランドを立ち上げて年商5億」なんてことがファッション業界の成功の基準になっていたように思いますが、
ある方が言っておられましたが、各種統計を分析しても、ゼロ年代の「置き換わり」(旧来型の百貨店販路の売り上げが郊外型SC内のショップやネットショップに置き換わった)時代が終わって、
日本国内のファッションの売り上げに関しては、完全に縮小のフェーズに入ったと私も思っています。
かつては、「こんなもんじゃ売れないよ」と思われたようなブランド、方法が、いつの間にかメインストリームの地位に踊り出ているし、
儲かっていなくても、堅実に着実にやっている。しかも、楽しそうに。
2013年は、「苦しい」がデフォルト設定になっている世代が作り出したクリエーションやつながりが、製造メーカー側から出てきた動きともクロスオーバーして、もっともっと多種多様な「楽しさ」を生み出す時代になると私は思います。
そういう流れとは別に、今、「日本に私達のブランドを売りたい」という、アジアファッションの胎動がある。
内向きのネットワークのままでとどまる人達と、海外との関わりを深めネットワークをもう一段広げていける人達に、流れが分かれまたそれが交差していくのではないかと思っています。
(本年もご愛顧ありがとうございました。2013年もよろしくお願いいたします)。
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