リニューアル途上の伊勢丹新宿店を見て思ったこと
既に岡山に帰省し、お正月モードのさくらであります。
いつもだと、ブログも開店休業にしてしまうんですが、今年は一時期体調が万全でない時期があリ、なおかつ非常に忙しかったので、正直なところ書き残したことが多いんですよね。
無理のない範囲で、年末年始も備忘録を記したいと思いますので、よかったらご笑覧下さい。
伊勢丹新宿店さんが現在リニューアル中ですが、特に3Fのレディスファッションの売り場を見て、
例えば、北京の新光天地とか、ソウルのロッテ百貨店本店に近いような、
富裕層にぐっと舵を切った「高級百貨店」になられたな、という印象を受けました。
正直、日本では郊外型SCが多くの庶民の買い物の場となり、経済が緩やかな縮小へと向かう中で国民の格差が広がっていますから、アジアの新興国と逆の意味で、百貨店さんが高級化せざるを得ないというのは良くわかります。
しかしながら、非常に気になるのは、北京やソウルには、インターナショナルな感覚を持ったアドバンストなお客様だけでなく、それぞれの国のもう少しベタでサイズ的にも大きなミセス向けブランドが好きで、
地下の食品売り場で家族のための食べ物をどっさり(日本みたいにお上品にちょこっと、ではなく)買って帰って下さるような、
家族思いのコンサバな百貨店ファンのオバさん達の塊が、どーんといらっしゃるんですよね、私が見た印象では。
アジアのエネルギーと発展の源泉は、このオバさん達と、彼女達が愛する家族にあると、私は思っています。
伊勢丹さんが4階をどうされるのか、そこに一番関心があります、私は。
来街者数が落ちると、お店はどんどん活力を失ってしまう。
憧れ感を感じさせてくれる部分と、日本の地方都市やアジアからのおのぼりさんにとっても買いやすい部分、その両方をうまくバランスを取りながら展開してほしいな、というのが私の希望です。
今年、伊勢丹さんに関して気になったのは、
理詰めで考えられたかのような戦略(バーゲンの後ろ倒しがその最たるもの)が、現実のファッション業界の実情に合致していないな、と思われるようなことが幾つもあったこと。
企業が危機的な状況になった時、過剰反応することで事態が余計悪化することがあるように思います。90年代後半に、現在は三越伊勢丹ホールディングスの傘下に入っている福岡の岩田屋さんが実行しようとしていた完全買い取りのことが、ちょっと頭を過ったりするんですが・・・。
2013年、夏のバーゲンをどうされるのか、注目しています。
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