書評:伊賀泰代著『採用基準ー地頭より論理的思考力より大切なもの』(ダイヤモンド社刊)
読書の感想は、最近はtwitter上にだけアップしていることが多いんですが、
この本(伊賀泰代著『採用基準ー地頭より論理的思考力より大切なもの』(ダイヤモンド社刊、定価1,500円+税)は非常に面白かったので、ブログの方に感想を記しておきます。
文中に、「マッキンゼー以外の場所でも、将来素晴らしいリーダーになるだろうと確信出来る若者たちによく出会います。彼らはウェブ担当分野で働いていたり、日本のファーストフード店や、アパレル企業でアジア進出を担当していたり、フィリピンやベトナム、インドなど、海外と日本をつなぐ事業を自ら始めていたりします。(中略)彼らの大半は零細企業、もしくは個人企業で働いており、一流大学の卒業生でもありません。それでも、コンサルティングファームで訓練を受けた若者に見劣りしないスピードで成長し、より実践的な体験を積んでいます」。(P166〜167より引用)とありますが、
全く賛成、というか、こういう現実は、ファッション業界に身をおいている方々なら誰でも実感しておられることだと思います。
私達の業界の現場は、本当に、生き生きとしていて、やりがいに溢れ、リーダーシップを身につけるには最適の場所なんですよね。
筆者は、マッキンゼーがどのような人材を採用したいかという狭義のテーマを超えて、
今、日本社会が必要とする人材=少数のカリスマリーダーの登場を待望するのではなく、小さなあちこちの現場でリーダーシップを取れる人間、の総量を増やすことの重要性を力説しており、その考え方には大いに賛同です。
先程引用した文章をよくお読み頂きたいのですが、アパレルの中でも「アジア進出担当」と記されているところにもう1つのポイントがあって、
欧米のグローバル企業やマッキンゼーの求めている人材が、
1)リーダーシップ
2)地頭の良さ、もしくは個別分野における知識や経験
3)英語力
であるためです。
ファッション業界内のドメスティック(国内)の仕事では1)と2)は十分身に付きますが、3)の習得は自覚的に行わないと難しいことですので。しかし、現在は、ファーストリテイリングさんを筆頭に、社内英語公用語化などを行って英語力のアップを図り始めている企業が増えておりますし、
生産だけでなく、海外に向けて売る、ということが当たり前になりつつある現在、
ファッション業界が他の産業分野の先陣を切って沢山のグローバルリーダーを輩出する日が到来するのは、そう遠くない時期なのではないかと思っています。
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